鉄骨住宅は木造住宅より固定資産税が下がりにくい
その実態とは?
家を建て、いざ新居に住みはじめると毎年の税金がかかってきます。
各自治体により異なりますが固定資産税が住宅にはかならずかかります。
今回はそんな固定資産税が鉄骨住宅では下がりにくいのか?ということについて解説いたします。
~table of contents~
固定資産税とは
まず皆さんが疑問に思われるのはそもそも固定資産税とはなんだと言う疑問だと思います。
まず、固定資産税について東京都新宿区のホームページにはこのように書かれています。
(1)固定資産税・都市計画税の概要(東京都)
固定資産税とは
固定資産を所有している方にかかる市町村税で、多摩、島しょ地域にある固定資産については市町村が課税しますが、23区内にある固定資産については、都が都税として課税しています。 また、固定資産税は、一般的な財源に充てられる普通税です。
固定資産とは、土地、家屋、償却資産を総称したもので、次のものをいいます。
- 〔土地〕
- 田、畑、宅地、塩田、鉱泉地、池沼、山林、牧場、原野、その他の土地(雑種地)
- 〔家屋〕
- 住家、店舗・工場(発電所・変電所含む)、倉庫、その他の建物
- 〔償却資産〕
- 構築物、機械・装置、工具・器具及び備品、船舶、航空機などの事業用資産で、法人税法又は所得税法上、減価償却の対象となるべき資産。ただし、自動車税、軽自動車税の課税対象となるものは除く。
なお、償却資産にかかる固定資産税については、「固定資産税(償却資産)」をご覧ください。
納める方(納税義務者)
1月1日現在、土地、家屋及び償却資産の所有者として、固定資産課税台帳に登録されている方
納める額
- 土地
課税標準額(「土地の課税標準額の算出方法」参照)× 税率1.4% - 家屋
課税台帳に登録されている価格 × 税率1.4% - 償却資産
課税標準額 × 税率1.4%(「償却資産の税額等の算出方法」参照)
納める時期と方法
6月(第1期)、9月(第2期)、12月(第3期)、2月(第4期)の年4回で、第1期の納付月にお送りする納税通知書によって、各納期限までに納めます。
なお、土地、家屋については、納税通知書と同時に課税明細書をお送りしています。
☆固定資産税の納税には、口座振替が便利です。
また、もう一つ例として埼玉県の事例をご紹介します。
(2)固定資産税・都市計画税の概要(埼玉県)
固定資産税とは
固定資産税は、毎年1月1日(「賦課期日」といいます。)に、土地、家屋、償却資産(これらを総称して「固定資産」といいます。)を所有している人が、その固定資産の価格をもとに算定される税額をその固定資産の所在する市町村に納める税金です。
固定資産税を納める人
固定資産税を納める人(納税義務者)は1月1日に固定資産(土地、家屋、償却資産)を所有している人です。具体的には次のとおりです。
土地とは
登記簿又は土地補充課税台帳に所有者として登記又は登録されている人
家屋とは
登記簿又は家屋補充課税台帳に所有者として登記又は登録されている人
償却資産とは
償却資産課税台帳に所有者として登録されている人
(注)
所有者として登記(登録)されている人が1月1日前に死亡している場合等には、1月1日現在に、その土地や家屋を現に所有している人が納税義務者となります。
なお、土地や家屋を所有していた方が亡くなられた場合には、「相続による所有権移転」の登記を不動産を管轄する法務局(登記所)に申請することが必要です。
詳細については、さいたま市のホームページを御覧ください。
固定資産税の対象
土地、家屋及び償却資産が固定資産税の対象となります。
今回は二つの区と県から引用しましたが、固定資産税は、土地や一戸建ての家屋、マンションなどの不動産や事業で使用する設備などの資産に対して課せられる税金のことです。
もし、マンションやアパート、一戸建てに賃貸で住んでいる場合などは、固定資産税を支払う義務はありません。所有している不動産に対してのみ、固定資産税がかかることになります。
この固定資産税の課税が決まるのは、1月1日です。この日に不動産を所有していれば、固定資産税を納税する義務が発生します。
もし、1月2日に不動産を売却するなどして手放しても、納税の義務が発生しますので注意してください。逆に言えば、1月2日に不動産を購入した場合には、その年の固定資産税の納税はしなくてもいいことになります。
固定資産税は、地価などにも左右され、建築物の違いによっても変化します。
たとえ隣の土地であっても固定資産税はその建物によって大きく異なる可能性があります。
また、固定資産税は主に各都道府県に納めることとなります。
固定資産税の計算方法
固定資産税額の基本的な計算方法は「課税標準額×税率(1.4%)」であります。また、固定資産税はその内容によっては一部軽減措置が認められる場合もあります。そこで、どのような場合に軽減措置を受けられるのかもということもケース別に解説いたします。
課税標準額(固定資産税評価額)とは?
固定資産税を計算する際には、重要なポイントとなってくるのが固定資産税評価額です。固定資産税評価額は総務大臣が定めた「固定資産評価基準」に基づいて各市町村長が決定します。そのようにして決められた固定資産税評価額を元に、課税標準額の算定が行われていきます。
標準税率とは?
固定資産税の税率は、全国一律で課税標準額に対して1.4%です。ただし、市町村が財政困難な状態にある場合などの場合、市町村長の判断によってこれを上回った税率が課されることもあります。自分の住んでいる地域の税率がいくらになるのかは、納税する市町村に問い合わせてみるとよいでしょう。
固定資産税の免税点
固定資産税は、課税標準額が一定の基準より少ない場合に関しては課税の対象となりません。このことを免税点と呼びます。課税標準額が土地の場合は30万円、家屋の場合には20万円、償却資産の場合には150万円以下であった場合、課税対象外になります。気をつけるべきポイントは、土地と家屋では課税標準額の基準が異なるということです。たとえば、土地と家屋を所有していて土地の課税標準額が25万円、家屋の課税標準額が25万円だったとしましょう。この場合、土地については課税標準額が30万円未満なので免税となりますが、家屋については課税標準額が20万円以上となるため課税の対象となります。
家屋にかかる固定資産税の計算方法
家屋の場合の固定資産評価も、基本的には総務大臣の定める固定資産評価基準によって算出されます。ただし、家屋の場合は土地とは違い、再建築にかかる費用と経年劣化が評価基準のポイントになります。そこで、この章からは家屋にかかる固定資産税の具体的な計算方法についてご紹介しましょう。
固定資産税の対象となる母屋とは?
固定資産税の対象となる建物は母屋と呼ばれます。母屋とは住宅や店舗のほか、事務所、工場、倉庫などです。その建物が母屋として固定資産税の対象になるかどうかは、周囲を壁に囲われていること、コンクリートなどで地面に定着していること、居住や作業など何らかの用途のために建てられたものであることといった3つの条件を備えているかどうかで決まります。
母屋の固定資産税計算
家屋の固定資産税の計算方法も、土地と同じで「課税標準額×税率(1.4%)」です。ただし、家屋の場合には課税標準額が再建築価格方式で決まるということがその違いとして挙げられます。再建築価格方式とは、対象となる建築物をもう一度際建築する場合にはどれくらいの費用がかかるのか、ということを基準に標準額を決める方法です。そこにさらに経年劣化を考慮することで課税標準額が決められます。具体的な計算式は「単位当たり再建築費評点×経年減点補正率×床面積 ×評点一点当たりの価額」です。
構造別の固定資産税の比較(木造、RC造、SRC造)
例えば、築30年のRC造では、まだまだ現役で市場価値もあるのに対して、築30年の木造では、傷んでいる箇所も多く市場価値は高くありません。
家の税金は、評価時点での家の価値を基礎とするため、必然的に築30年のRC造の方が、築30年の木造よりも高くなるように考えられています。
構造別の固定資産税の比較は以下のようになります。
木造:古くなりやすく評価が下がりやすい→税金が安くなりやすい
鉄骨造:木造とRC造の中間
RC造:古くなりにくく評価が下がりにくい→税金が安くなりにくい
また、同じ規模の家を建てるとき、RC造のほうが木造よりも建築費は総じて高く、家の税金は「現在建てるとしたらいくらかかるか」に相当する再建築価格を求める都合上、頑丈な造りの家ほど、最初から税金が高くなります。
そのため、どうしても木造住宅よりも頑丈である鉄骨住宅は固定資産税が高くなってしまいます。
最終的には再建築価格の2割まで減少
古くなれば古くなるほど、家の価値は失われ税金は安くなっていきます。
しかし、いくら家が古くなっても税金には下限があり、評価時点の再建築価格の2割を下限とする決まりで、2割に達するまでの期間が構造で変わります。
一般的には木造なら25年程度、鉄骨造なら30年から40年程度、RC造なら60年で下限に達し、以降は税金が下がらなくなります。
ちなみに、新築時の最初(翌年)の税金は、構造に関係なく再建築価格の8割なので、8割から2割に向かって3年に一度安くなっていく仕組みです。
固定資産税の節税方法
・分筆で固定資産評価額を下げる
固定資産評価額を下げる方法として分筆があげられます。分筆とは、1枚の登記簿(一筆)から、土地を分けることをいいます。
大きな土地が一筆であると、大通りに面している土地も内部の利便性が低い土地も同じ評価額となってしまします。そこで、分筆することにより利便性が低い土地の評価額を下げることができます。また、分筆することで後述する非課税の「道路」にあたる土地も作り出すことができる場合もあり節税につながります。
ただ、分筆するにあたり、登記、測量といった費用がかかるため、分筆することで減税できる額と費用を比べて、本当に分筆するべきなのかを考える必要があります。
・非課税となる固定資産
私有地であっても、公益性の高い土地は固定資産税が非課税となります。公益性の高い土地には、公園や私道などがあります。
私道は、個人が維持管理している土地を道路のように使用しているものを指し、以下のような条件(下記は東京都の例)が満たされると私道として認められます。
・幅が1.8m以上
・ほかの公道に通じている
・不特定多数の人間が通行している
・客観的に道路とされるもの
なお、この私道は申告制になっており、申告しない限りは非課税となりません。そのため、所有地に私道が含まれる人は各自治体に申告しましょう。
・小規模住宅用地の特例
住宅用に利用されている土地は、小規模住宅用地の特例というものが適用されるため大幅に節税できます。小規模住宅用地とは、住宅用の土地で1戸あたり200平米までのものを指し、固定資産評価額が6分の1に軽減されます。また、住宅用地であれば、小規模住宅用地の範囲を超えても固定資産評価額が3分の1になるので、節税に役立ちます。
なお、固定資産税のみならず都市計画税も小規模住宅用地は3分の1、それ以外の住宅用地は3分の2に軽減されます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回は固定資産税が構造別でどの程度変わるのかを解説いたしました。
また、税制上の用語解説などもいたしましたが、一番わかりやすいのはその分野のプロに聞くことです。
ぜひ鉄骨住宅をご検討の方は鉄骨住宅においての税金の専門家がいるMLINEに一度相談してみてはいかがでしょうか?