二世帯住宅の電気代は高い?平均値や分けるメリット・デメリットを紹介

二世帯住宅の電気代は高い?平均値や分けるメリット・デメリットを紹介

子育てや介護で助け合える二世帯住宅は、人気の暮らし方の一つです。ただし、世帯人数が増えることで、電気代が高額になることを気にしている方もいるのではないでしょうか。

二世帯でストレスなく快適に暮らすためには、電気代の平均や支払い方法などについて、事前に確認しておくことが大切です。

そこで本記事では、二世帯住宅で暮らした場合の電気代の平均値や電気代を分けるメリットやデメリット、支払い方法などについて詳しく解説します。二世帯住宅を検討している方や、これから二世帯住宅で暮らす方はぜひ参考にしてみてください。

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二世帯住宅の電気代の平均値

二世帯住宅の電気代の平均値

まず、二世帯住宅の電気代の平均について詳しく紹介します。

政府統計ポータルサイト「e-Stat」によると、世帯人数別の月々の平均的な電気代は以下の通りです。

世帯人員 月々の電気代
2人 10,940円
3人 12,811円
4人 13,532円
5人 14,373円
6人 18,941円

出典:家計調査(2023年)家計収支編|世帯人員・世帯主の年齢階級別

例えば、親世帯2人+子世帯4人家庭の場合は、1ヶ月の電気代の平均は18,900円ほどです。また、親世帯と子世帯で電気代を分けている場合は、親世帯2人+子世帯4人で合計24,500円ほどかかる計算です。親世帯は10,000円ほど、子世帯は子供の人数に応じて12,000円〜15,000円ほどを目安に考えるとよいでしょう。

ただし、電気代は、使用している家電の数や種類、家族構成に大きく依存するため、あくまで参考程度に留め、ご自身の状況から電気代を予測することが大切です。

さらに、オール電化住宅の場合は、通常の住宅と比べて約1.2〜1.5倍ほど電気代が多くかかる点も考慮しましょう。

二世帯住宅の電気代を分けた際の2つのメリット

"二世帯住宅の電気代を分けた際の2つのメリット

二世帯住宅の電気代を世帯ごとに分けるか、一括でまとめるか悩んでいる方もいるでしょう。電気代を世帯ごとに分けるメリットは以下の2つです。

それぞれ順に解説します。

1.電気代による世帯間の揉めごとを防げる

電気代を分ける大きなメリットは、電気代による世帯間の揉めごとを未然に防げることです。

各世帯にメーターを設けることで、電気料金を明確に分けることができ、それぞれの世帯が気兼ねなく電気を使えるようになります。逆に、電気を一括にまとめていると、世帯間で電気の使い方が異なる場合、トラブルやストレスの原因になる可能性があります。

例えば、片方の世帯が節約意識が高くもう片方がそうでない場合、節約している側が不満を抱いたり、節約していない側が気を遣ったりすることはよくあるケースです。

また子世帯は、仕事や学校で日中は家にいないのに対し、親世帯は1日中家にいるという家庭も少なくありません。そうなれば、親世帯が使っている昼間のエアコン代も子世帯が負担しなければならず、モヤモヤが溜まる原因になる可能性もあります。

電気代を分けることで、電力会社選びによる意見の不一致を防げることもメリットです。各世帯が独自に電力会社を選べるため、それぞれが最適なプランで契約できることは良い点です。

2.将来的に賃貸転用できる

2つ目のメリットは、どちらかの居住スペースが不要になった際に、賃貸に転用しやすくなることです。

完全分離型の二世帯住宅と賃貸併用住宅は似た建物構造をしているため、ライフステージに合わせて、賃貸併用住宅に転用することができます。ただし、賃貸として貸し出す場合は、電気代を分ける必要があります。

メーターを後から分ける方法もありますが、配線の引き直しが必要になるため、新築時に行うよりも費用が割高になることが一般的です。

賃貸転用に少しでも興味がある場合は、あらかじめメーターを分けておくと良いでしょう。

二世帯住宅の電気代を分けた際の2つのデメリット

二世帯住宅の電気代を分けた際の2つのデメリット

電気代を分けることで、電気を気兼ねなく使えたり将来的に賃貸転用ができたりなどのメリットがある反面、下記のようなデメリットも存在します。

順に詳しく解説していきます。

1.初期費用が余分にかかる

1つ目のデメリットは、初期費用が余分にかかることです。なぜなら、電気代を分けるには、電気メーターと分電盤を世帯ごとに設置する必要があるからです。

初期費用には設備費と工事費が含まれ、1世帯につき約10〜20万円ほどが相場です。

2.毎月の基本料金が2倍かかる

2つ目のデメリットは、基本料金が2倍かかることです。電気メーターを世帯ごとに分けた場合、基本料金も世帯ごとに支払う必要があります。

基本料金とは、電力会社が契約プランごとに設定している固定料金のことです。たとえ電力を使わなくても、基本料金は発生するので、毎月必ず支払わなければなりません。一部の電力会社では、「基本料金」の代わりに「最低料金」と呼んでいる場合もあります。

基本料金は、契約するアンペア数によっても異なりますが、4人家族であれば1,000〜1,700円ほどが相場です。電気代を分けた場合、年間12,000〜20,400円ほどの支払いが発生する計算です。

ただし最近は電力の自由化に伴い、基本料金がかからない電力会社も出てきています。電気代や契約プランは社会の変化に影響されやすいので、細かくチェックすることが大切です。


二世帯住宅の電気代は請求方法が異なる?【2つのケース】

二世帯住宅の電気代は請求方法が異なる?【2つのケース】

二世帯住宅の電気代の請求方法は下記の2パターンがあります。

それぞれの方法について詳しく解説します。

1.一括請求のケース

一括請求とは、支払いを1つにまとめて一括で支払う方法のことです。

請求を一括にまとめ、後から各家庭で清算する場合もこのケースに該当します。また、電気代は親世帯が負担している、1人親なので一括で支払っているというケースもよくあるパターンです。

一括請求を選択する場合は、家族で支払い方法や電気の使用ルールなどについてしっかりと話し合っておくことが大切です。

2.完全分離型のケース

完全分離型とは、各世帯が別々に契約をし、電気の支払いを明確に分ける方法のことです。

二世帯住宅であっても、プライバシーを保ちたい、財布はきっちりと分けたい、気兼ねなく生活したいと考えている場合は、完全分離型が適しています。

二世帯住宅の電気代を節約する6つの方法

二世帯住宅の電気代を節約する6つの方法<

電気代が高騰しているため、少しでも節約したいと考えている方は多いでしょう。二世帯住宅の電気代を節約する具体的な対策は以下の6つです。

順に詳しく解説します。

1.必要最低限のアンペア数で契約する

必要最低限のアンペア数で契約することで、基本料金の払いすぎを防ぐことが可能です。

アンペアとは、電流の強度を表す単位のことを指し、契約しているアンペア数が大きくなるほど一度に使用できる電気の量も大きくなります。また、アンペア数が増えるほど、基本料金も高くなります。そのため、必要最低限のアンペア数で契約することで、基本料金を引き下げられることがポイントです。

一般的に4人家族であれば、40〜50アンペアほどが適正です。電気料金を少しでも節約するためには、契約しているアンペア数が必要以上に大きくなっていないか確認してみると良いでしょう。

2.家電の使い方を見直す

日々の家電の使い方を見直すことも電気代の節約につながります。

すぐに見直せる対策として、以下の4つが挙げられます。

<エアコンの設定温度の見直し>

設定温度を1度変えるだけで、約10%も消費電力を削減できます。また頻繁に温度を変えるのではなく、一定の温度を保つ方が電気代の節約には効果的です。

<冷蔵庫の設定温度の見直し

冷蔵庫の温度が常に一定の場合は、季節に応じて強弱を調整することで消費電力を節約できます。また、冷蔵庫に食材がぎっしり詰まっていると、節電効果が薄くなるため、適度にスペースを空けておくことが節電には効果的です。

<炊飯器の保存時間の見直し>

炊飯器の保温時間が長くなると、消費電力もその分大きくなります。長時間保存しておくよりも、必要な時に電子レンジで温め直した方が節約効果は高いです。

<洗濯機の使用回数の見直し>

節電にはまとめ洗いが効果的です。少量の洗濯物を毎日洗うよりも、洗濯機の容量に応じて数日分をまとめて洗濯する方が節電には効果的。また、乾燥機能は消費電力が大きいため、天気の良い日は自然乾燥するように心がけましょう。

小さな積み重ねでも、年間を通すと大きな節約につながります。

電気代を一括請求している場合は、双方の世帯が家電の使い方を見直すことが重要です。しっかりと話し合い、取り組みやすいことから始めることがコツです。

3.世帯に合った電力会社を選択する

長期的に電気代を抑えるには、電力会社や契約プランの見直しが効果的です。

多くの電力会社は、消費者の利用環境やニーズに応じて様々なプランを採用しています。もし親世代と子世帯で生活スタイルや利用環境が大きく異なる場合は、各世帯で最適な電力会社・電力プランを選択するだけで効果的に電気代を削減できる可能性があります。

例えば、日中あまり家にいない子世帯は、夜の電気代の使用料が割安になるプランを選択し、日中によく電気代を使う親世帯は日中の電気代が安いプランを選択する方法も有効です。

電力会社の公式ホームページでは、料金のシミュレーションなどができるため、どのプランが最適なのか慎重に検討しましょう。

4.省エネ家電に買い替える

家電を省エネタイプに買い換えることで、消費電力が抑えられ電気代を節約することができます。特に、10年ほど前の古い家電と最新の省エネ家電では、消費電力の量に大きな差があります。

経済産業省資源エネルギー庁によると、10年ほど前のテレビを新しいものと買い換えると、約42%の省エネになり、電気代は年間約1,860円節約できます。また、10年前の冷蔵庫と最新の省エネタイプの冷蔵庫では、年間の消費電力を40~47%ほど削減が可能。電気代にすると、年間でおよそ6,100円~7,900円も抑えることが可能です。

他にも、照明器具の電球をLED電球に変える方法もあります。LEDランプは一般的な電球と比べ、約86%の節電効果が期待できます。

もし予算に余裕のある場合は、最新の家電に切り替えることで、効果的に消費電力を削減することができます。

出典:経済産業省資源エネルギー庁|省エネポータルサイト

5.電源をこまめに切る

電源をこまめに切ることも節電効果があります。多くの家電は、実際に使用していなくても電源がついていたり、プラグが入ったりした状態であれば、待機電力と呼ばれる微弱の電力を消費していることが理由です。

待機電力は、各世帯で消費する電力の約5%を締めているといわれています。例えば、二世帯住宅の電気代が月3万円の場合、年間で1万8,000円の待機電力が発生しています。10年間で180,000円にもなるため、小さな習慣が大きな節約につながることがわかります。

待機電力を節約するための対策は、家電製品の主電源をこまめに切る、電源プラグを抜く、節電モードを利用するなどといった方法があります。

6.省エネ住宅に住む

最後の対策方法は、省エネ住宅に住むことです。家庭の省エネを実現するためには、住む建物そのものを省エネ住宅にすることも一つの手。

省エネ住宅とは、家庭の消費エネルギーの30%ほどを占める冷暖房のエネルギー消費を抑える効果のある住宅のことを指します。具体的には、冬は暖かい空気を逃がさず、夏は熱を遮断することで、年間を通して室内温度を均一に保つことができます。省エネ住宅であれば、冷暖房を我慢しなくても快適に過ごすことができるので、無理なく電気代を削減することが可能です。

これから二世帯住宅を建てる場合は、下記のような省エネ設計を取り入れると効果的です。

また、すでに持っている二世帯住宅をリフォームする場合も、下記のような省エネ設計を取り入れることが可能です。

さらに、窓にブラインドを取り付ける、植栽を植える、日除けテントを設置するなどの対策は、個人で簡単に取り組めるおすすめの対策方法です。

省エネ住宅は建築費用やリフォーム費が割高になることがデメリットですが、各自治体が様々な補助金制度を用意しています。効果的に電気を削減し快適に過ごしたい方は、検討してみることをおすすめします。

まとめ:二世帯住宅の電気代の扱いは慎重に検討しよう!

まとめ:二世帯住宅の電気代の扱いは慎重に検討しよう!

二世帯住宅の電気代は、家族の人数が多くなるぶん、高額になりがちです。支払い方法も、世帯別に支払う方法と一括でまとめて支払う方法の2パターンがあり、どちらの方法にもメリット・デメリットが存在します。二世帯住宅に住む際は、電気代について両世帯でよく話し合うことが欠かせません。

また、電気代を効果的に削減するには、電気代を節約するための対策を心がけることが大切です。本記事で紹介した電気代の平均や支払い方法などを参考に、両世帯が納得できる方法を選択しましょう。

また、これから住宅を建てる方やリフォームを考えている方は、省エネ住宅を検討することも良い方法です。

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執筆者情報

小林 眞一郎

小林 眞一郎 ou2株式会社 常務取締役 二級FP技能士

ou2株式会社 常務取締役 二級FP技能士

監修者情報

高坂 昇

高坂 昇 ou2株式会社 専務取締役 一級建築士

木造密集地域や防火地域において、木造ならではの施工性や設計の柔軟性、コストパフォーマンスを活かして木造耐火4階建て住宅(もくよん®)や、災害時の避難場所となる地下室や屋上を備えた災害住宅も提唱しています。

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