小林 眞一郎 ou2株式会社 常務取締役 二級FP技能士
限られた敷地に家を建てる狭小住宅は、庭を設けることが難しいので、土などに触れる機会をもつことができません。
そんな希望を「屋上菜園」で叶えていきましょう。
家に屋上をつくることで、広々とした菜園をもつことができます。
こちらの記事では、そんな屋上菜園の魅力や、作るときのポイントなどを詳しく解説していきます。
屋上ならではの注意点もあるので、ぜひお役立てください。
屋上菜園とは、屋上を利用して菜園を行うことです。
また「菜園」とは、主に野菜を植えて栽培することで、最終的には食べることで完結します。
そんな屋上菜園の目的は主に2つあげられます。
家族で菜園(家庭菜園)をすると、小さなお子さんへの食育になります。
土に触れ野菜の成長を観察し、さまざま思いをして育てた野菜を収穫するまでの経験は、都心部ではなかなか味わえないものです。
その経験が日常的にできるので、食への感謝があふれ食生活が整いやすくなるでしょう。
屋上緑化とは屋上に植物を植えることで、野菜に限らずガーデニングなどもこれに相当します。
都市部に屋上緑化が必要とされている理由は、ヒートアイランド現象によるものです。
ヒートアイランド現象とは、大気の温度が上昇することで、その原因は都心部の特徴が大きく影響しています。
これらによって大気の温度は上昇し、日中の暑さや熱帯夜により生活のしにくさだけでなく、健康状態にも悪影響を及ぼす恐れがあるのです。
このヒートアイランド現象の対策の1つとして上げられるのが「屋上緑化」になります。
屋上に植物を植えることで周辺の気温を下げたり、屋上のコンクリート面積を減らすことで温度の上昇を抑制することができます。
さらには屋上緑化をしている建物は、内部の温度上昇を抑制する効果も期待できるので、エアコンなどの省エネにも繋がるでしょう。
屋上菜園の作り方として、注意すべき5つのポイントをお伝えしていきます。
屋上だからこそ抑えておきたいポイントなので、しっかりと確認していきましょう。
菜園初心者の方は、小さなスペースから楽しめるプランターの利用がおすすめです。
プランターをいくつか用意して、それぞれに違う野菜を育てるのもいいですね。
プランターには支柱が建てられる物もあるので、背の高い植物や、ツル科の植物などを育てるのに楽です。
プランターなら屋上内の移動も簡単にできるので、1年を通しての日当たりや風向きなどを観察することもできます。
また初期費用も安くすむので、気軽に始められるのも嬉しいポイントです。
慣れてきたら少しずつ規模を拡大して、理想の屋上菜園に整えていきましょう。
ミニ畑を作るには、まずレンガや木枠などを使って、全体のフレームをつくります。
専用のフレームを利用すれば、簡単に形が整うのでおすすめです。
次にフレームの内側に、専用の防水シートを敷いて、土を入れていきます。
土の厚さは15〜20㎝程度がおすすめです。
土の下で長く育つ根菜などは、別にスペースを設けて30㎝程度の厚みをもたせていきましょう。
屋上菜園には、軽量土を使用しましょう。
建物には積載荷重条件があるので、屋上に基準以上の重さをかけることはできません。
軽量土を利用した場合、通常の家庭菜園程度であれば、この条件を上回ることは考えにくいですが、広範囲にわたって大規模な菜園をつくる場合は注意が必要です。
建物の構造などによっても条件が変わってきますし、重さがかかるのは土だけではないので、専門科に確認をして、可能な範囲内で整えていきましょう。
また屋上菜園に軽量土を使うことで、土の運び込みや作業が楽になるのも大きなメリットです。
軽量土は保水性もよく、土と比較すると汚れにくいことからも家庭菜園に適しているといえるでしょう。
屋上に水がたまった状態になると、雨漏りの原因になる場合があります。
また植物に対しても、水はけの悪い環境は、いい状態とは言えません。
菜園をしていると土や葉が舞って排水溝に溜まり、水の流れが悪くなってしまいます。
小まめに掃除・メンテナンスをして、水はけのいい状態を保っていきましょう。
屋上は高所の屋外スペースなので、風への対策が必要です。
設備で風対策をするには、防風フェンスを取り付ける方法があります。
屋上の風対策はかなり慎重に行う必要があるので、フェンス選びを含めて、取り付けも専門業者に依頼することをおすすめします。
特に台風の時期には事前の対策も必要です。
しっかりと対策をして、野菜を守っていきましょう。
屋上菜園の初心者の方は、育てやすい野菜を選ぶことが大切です。
また種からまきからではなく、苗を植えることから始めてみましょう。
失敗することも少ないので、菜園の楽しさに触れることができるはずです。
トマト
家庭菜園の代表格といってもいいほど、育てやすい野菜です。
植え付けから50日程度で収穫ができるので、夏休みの課題などに利用するのもいいですね。
ピーマン
ピーマンが苦手なお子さんも多くいますが、一緒に育てることで食べられるようになるかもしれません。
茎がしっかりした苗を選んで、植え付けていきましょう。
リーフレタス
レタスは種まきからしても、60日程度で収穫ができます。
育ち切る前にベビーリーフとしても収穫ができるので、収穫の楽しみを得やすいでしょう。
ジャガイモ
ジャガイモを植える際は、土の深さを30㎝程度に整えましょう。
イモ類の収穫は、お子さんも楽しめるのでおすすめです。
屋上菜園とは、屋上で菜園を行うことで、屋上緑化に貢献します。
家族で菜園を楽しむことで、お子さんの食育にも繋がりますし、建物内の温度上昇を抑えるので、エアコンなどのコストダウンにも役立ちます。
屋上菜園を始めるときは、プランターを利用してコンパクトなスペースから始めていきましょう。
さらに種からではなく、苗木を植え付けることで失敗が少なく、収穫の楽しみを得ることができます。
軽量土を利用して水はけに注意し、風対策を施せば、快適で安全な屋上菜園のできあがりです。
開放的な屋上の空間で、家庭菜園を楽しんでみてはいかがでしょうか。
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2024/12/27
2024/12/27
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