生前贈与

土地の生前贈与は相続対策になる?メリットや手続きについて解説

土地の相続税対策の選択肢として、生前贈与が挙げられます。しかし、生前贈与が税金対策になるという漠然とした知識だけで、具体的にどのような仕組みとなっているのか、分からないという方も多いのではないでしょうか。

本記事では、土地の相続税対策に対する生前贈与についてやメリットについて解説します。また、生前贈与をする際の流れや相談窓口、注意点についても紹介していきますので参考にしてみてください。

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土地の生前贈与の前提知識

贈与前提知識

土地の生前贈与とは、土地を所有している人が亡くなった後に土地を相続人に分け与えるのではなく、生前に贈与することを指します。基本的に相続は、土地の所有人が亡くなってからとなりますが、生前贈与では生きている間に資産を誰にでも贈与することが可能です。

しかし、土地の生前贈与は特に金額が大きく、慎重な計画が必要です。

生前贈与には贈与税が課され、相続には相続税が課されます。相続税は、遺産額が「3,000万円+600万円×法定相続人の数」を超えない場合には課税されません。一方で、贈与税は年間の贈与額が110万円以下であれば非課税となります。

生前贈与では、いくつかの条件を満たすことで控除が適用されることや、暦年贈与を活用することで相続税対策へつなげることができます。暦年贈与については、以下で詳しく解説します。生前贈与で、適用される控除を上手く利用することで相続税対策になるため、相続税を軽減させたい方にはおすすめです。

相続税対策の基礎知識を身に付けたい方はこちらの記事で土地活用に関する相続税などについて解説しているので参考にしてみてください。

土地に関する生前贈与の4つのメリット

土地に関する生前贈与の4つのメリット

土地の生前贈与には、いくつかのメリットがあります。メリットは、以下の通りです。

メリットを活かすことで、有効的に相続税対策を行うことができます。生前贈与によって発生する贈与税の方が、相続税よりも高い傾向にありますが、これらのメリットがあることで結果的に相続税対策へとつながります。それぞれ、条件を満たすことで適用される控除のため、具体的な詳細について以下で見ていきましょう。

1.夫婦間なら配偶者控除の適用がある

土地の生前贈与を行う際、夫婦間なら配偶者控除を利用することが可能です。一般的に、贈与税法において夫婦間で土地を贈与する場合、贈与税の課税対象額から、最大で2,000万円の配偶者控除が適用されます。配偶者控除を利用することで大幅な節税対策につながりますが、適用させるには以下の条件に該当する必要があります。

つまり、結婚して20年が経過した夫婦の間で贈与を行った場合、配偶者控除の条件に該当していれば2,000万円まで非課税にすることが可能です。

また、土地が日本国内にあるものに限り、 配偶者控除は同じ配偶者からの贈与について、一生に一度しか利用できないという2点には注意してください。

参考:建築着工統計調査 / 夫婦の間で居住用の不動産を贈与したときの配偶者控除|国税庁

2.親子・祖父母・孫なら2500万円控除の適用がある

原則として、60歳以上の親または祖父母などから、20歳以上の子またはに孫対して生前贈与をする場合には、「相続時精算課税制度」という2,500万円の控除が適用される制度があります。相続時精算課税制度とは、土地を贈与する際に、2,500万円までの贈与については贈与税が非課税になる制度です。ただし、贈与税を非課税にするためには、以下の条件に該当する必要があります。

また、親子間での土地の生前贈与では、贈与税の他に登記費用や相続税評価額が引き上げられる可能性があります。そのため、予想していた節税効果が得られないことがあるため注意が必要です。

2024年1月から、新たに年間110万円の基礎控除が導入されました。この基礎控除は、2,500万円の特別控除とは別枠で適用され、相続時に相続財産へ加算されることはありません。

基礎控除導入後の贈与税の計算方法は以下のとおりです。

(1年間の贈与額-年間110万円の基礎控除の累計額-2,500万円の特別控除)×20%

参照:建築着工統計調査 / 贈与税の計算と税率(暦年課税)|国税庁

この改正により、贈与税の計算がより柔軟になり、相続税対策がしやすくなっています。

3.譲渡所得に対する3000万円控除の適用がある

譲渡所得に対する、3,000万円控除の適用がされる特例もあります。譲渡所得税とは土地や建物などの不動産を、生前贈与により贈与され受け取った相続人が、その不動産を売却した場合に課税される税金です。

贈与税法において、この譲渡所得税の課税対象額から最大で3,000万円の控除が適用されるため、生前贈与のメリットと言えます。譲渡所得に対する3,000万円控除の適用条件は、以下の通りです。

仮に、譲渡所得税の課税対象額が3,000万円を超えた場合、超えた部分に対して短期譲渡所得または長期譲渡所得等の税率を使い課税されることになります。

4.暦年贈与によって贈与税を抑えられる

暦年贈与によって、贈与税を抑えることが可能です。暦年贈与とは、1月1日〜12月31日までの1年間で贈与額が110万円以下である場合、贈与税がかからないという仕組みを使った方法になります。例えば、贈与者が相続人に対して分割して贈与することによって、贈与税の課税対象となる贈与の金額を減らすことができるため税金対策になります。

暦年贈与を行う場合には、毎年にわたって贈与を行い、その都度贈与税の非課税枠を適用することで贈与税を抑えることが可能です。また、暦年贈与は複数人に対して行うこともできるため、毎年110万円を相続人と妻、子供に贈与して合計330万円まで非課税にすることもできます。

しかし、暦年贈与は廃止に向けた動きが進んでいます。令和3年度税制改正大綱の「相続税・贈与税の在り方」では、「資産移転の時期の選択に中立的な税制の検討」という見直し案が提示され、議論が行われています。

出典:資産移転の時期の選択に中立的な相続税・贈与税のあり方について|日本税理士会連合会

相続税と贈与税の税負担が大きく異なる現状を見直し、公平な課税を目指す動きが背景にあります。特に日本では高齢世代に資産が集中し、若い世代への資産移転が進まない状況が課題とされています。これにより、若い世代への早期の資産移転を促し、経済活動を活発化させる狙いです。

すべての贈与額を相続財産に含め、相続税として課税する制度へ移行する可能性があります。これにより、相続税と贈与税の一本化が進むと予想されます。

現在は故人の亡くなる3年前の贈与額を相続財産に加算していますが、この期間が5年、10年、または15年に延長される案が検討されています。これにより、非課税枠である年間110万円の適用が制限される、または廃止される可能性も。

これらの改正が実施されると、従来の節税方法である暦年贈与に制限がかかるため、暦年贈与によって、贈与税を抑えることが不可能になります。

土地に関する生前贈与の3つのデメリット

贈与デメリット

土地の生前贈与には、メリットだけでなくデメリットもあります。デメリットは、以下の通りです。

土地の生前贈与に対するデメリットを把握していないと、思うような節税効果が得られないだけでなく、大きなリスクに発展する可能性もあります。具体的にどのようなデメリットがあるのか、以下で詳しく見ていきましょう。

1.遺留分減殺請求を受ける可能性がある

土地の生前贈与を行うことで、遺留分減殺請求を受ける可能性があります。まず、遺留分とは一定の相続人に対して最低限保障される遺産の一定割合を指し、遺留分減殺請求というのは、遺留分を超える贈与を受けた相続人が、その分だけ遺産分割の際に減殺請求をすることです。

例えば、父親が土地を子供に生前贈与する場合、父親が亡くなった後に、その土地の価値が相続分を超えた際に法定相続分を受ける他の相続人は、その分だけ遺留分減殺請求をすることができます。この場合、生前贈与された土地の価値が高い場合には、減殺請求額が大きくなり相続人間の紛争につながる可能性があります。

遺留分を考慮せずに生前贈与を行うと、最悪の場合は裁判などの大きなトラブルに発展するケースもあるため注意しましょう。

2.小規模宅地等の特例が利用できない可能性がある

生前贈与では、小規模宅地等の特例が利用できない可能性があります。小規模宅地等の特例とは、相続税法において宅地等を相続した際、その宅地等が小規模である場合に適用される相続税率を引き下げる特別措置のことです。

ちなみに、土地の生前贈与から3年以内に贈与者が死亡した場合、小規模宅地等の特例は適用できません。

生前贈与においては、相続税法の特別措置の対象には該当せず、生前贈与によって贈与された土地は相続税の課税対象となります。つまり、土地を生前贈与することで相続税の負担を減らすことができる反面、小規模宅地等の特例が利用できないことで相続税の負担が増える可能性があるということです。

相続税法では、生前贈与された土地の評価額を贈与時の評価額でなく、相続時の評価額で課税することが定められています。そのため、贈与時の価格が低かった場合には相続時の評価額が高くなり、相続税の負担が増える可能性があるためデメリットと言えるでしょう。

3.相続時の金額が少なくなる

生前贈与によって、相続時の金額が少なくなることがあります。金額が少なくなる理由としては、相続財産の評価方法が異なるからです。土地の生前贈与においては、贈与時の評価額で贈与税が課せられるため、土地の評価額は贈与時の市場価格に基づいて評価されます。つまり、相続時においては贈与時の市場価格と相続時の市場価格が異なる場合に、相続時の評価額が少なくなる可能性があるということです。

また、相続の際に相続人が複数である場合には、全員に対して土地の所有権が分割されることになります。このように相続人の人数が多いケースでは、土地1つあたりの相続分が少なくなることがあるため、相続時の金額が少なくなる理由の1つになります。

土地の生前贈与を受けた際の税金

贈与税金

土地の生前贈与を受けた際の税金について紹介します。発生する主な税金については、以下の表をご覧ください。

不動産取得税 土地や建物の取得の際に支払う税金
贈与税 贈与を受け取った人に課せられる税金
登録免許税 不動産の登記申請の際に発生する税金
手数料 不動産会社に支払う仲介手数料

相続税対策を検討する上で、生前贈与を受けた際には贈与税以外にも、これらの税金が発生することを把握しておく必要があります。それぞれ、具体的にどのような税金なのか、以下で詳しく見ていきましょう。

不動産取得税

不動産取得税は、土地を取得した際に各都道府県に納める税金であり、土地の譲渡や贈与などの所有権が移転した場合にも課税されます。ただし、贈与時の土地の評価額が一定額以下であれば、不動産取得税が課せられないという特例もあります。

不動産取得税は以下の計算式で導き出されます。

  • 1.土地及び住宅用の建物の不動産取得税=課税標準額×税率3%
  • 2.住宅用以外の建物の不動産取得税=課税標準額×税率4%

参考:不動産取得税とは?いくらかかるか計算方法や軽減措置について解説|知って楽しい久喜

この特例により、土地の生前贈与を受けた場合であっても、不動産取得税が課せられないケースもあるでしょう。ただし、地域によって異なるため確認しておくことが必要です。不動産取得税の税率は、国税と地方税を合わせて4%です。現在、土地と住宅については軽減税率により3%が適用されています。

不動産取得税申告書を不動産取得後、自治体ごとに定められた期日までに管轄の自治体に提出するという手続き方法を忘れないようにしてください。

贈与税

贈与税は、贈与によって不動産の所有者が移転する際に課せられる税金です。贈与された不動産の評価額に、一定の税率をかけた金額が課税対象となります。土地の生前贈与において、贈与税が課せられるかどうかは、以下の要件を満たしているかで判断されます。

  • 贈与税法で定められた非課税枠(現在1年間につき110万円まで)を超える贈与があった場合
  • 贈与が親族間であっても、非親族と同様に評価額から一定額を差し引いた額が110万円を超える場合

このような要件を満たしている場合には、贈与税が課せられます。贈与税が発生した場合には、贈与された人が確定申告によって税務署に納税をします。

登録免許税

登録免許税とは、不動産の登記申請のときに法務局へと支払う税金です。納付額は、土地の評価額に一定の税率をかけた金額が課税対象となります。ただし、生前贈与によって贈与された土地については、相続税の課税対象から除外されるため、登録免許税の課税対象からも除外されます。

登録免許税とは、不動産の登記申請のときに法務局へと支払う税金です。納付額は、土地の評価額に一定の税率をかけた金額が課税対象となります。ただし、生前贈与によって贈与された土地については、相続税の課税対象から除外されるため、登録免許税の課税対象からも除外されます。
登録免許税の税率は、都道府県や市町村によって異なりますが、令和5年3月31日までの時限措置として、土地の評価額に対して税率の軽減措置の特例があります。土地の売買による所有権の移転についての特例では、登録免許税は1.5%になります。

住宅に係る登録免許税の軽減措置についての詳細は「財務省のホームページ」にてご確認ください。

手数料

生前贈与を行うにあたって、不動産会社を介した場合には、仲介手数料などの手数料が発生します。仲介手数料は、土地の評価額に対して一定の割合が適用されることが多く、一般的には土地の評価額の3%程度が目安とされています。

また、仲介手数料以外にも、その他の費用として契約書の作成費用や相談料などの費用が発生する場合があるため覚えておきましょう。

土地を生前贈与する際の手続きの流れ

土地を生前贈与する際の手続きの流れ

土地を生前贈与する際の、手続きの流れについて紹介します。手続きの流れとしては、贈与契約書の作成や法務局で名義変更の登記申請を行う必要があります。

これらの手続きは、費用や時間がかかることが多いため、生前贈与をスムーズに行うためにも、どのように行うのか具体的に把握しおくことが大切です。詳しい内容については、以下で解説していきます。

  • 1.事前準備
  • 2.贈与契約書の作成
  • 3.法務局で名義変更の登記申請を行う

1.事前準備

土地を生前贈与する際は、事前に土地の評価額を調査することが重要です。評価額は、贈与税や不動産取得税などの計算の基準となるため、正確な把握が必要です。主な指標として、固定資産税評価額、公示地価などがあります。

固定資産税評価額は市区町村から送付される納税通知書で確認可能で、不動産取得税の計算基準にもなります。公示地価は国土交通省や国税庁のウェブサイトで調べることができます。

これらの評価額をもとに、贈与税や不動産取得税を計算し、必要な資金を確保してください。

こうした事前準備を整えることで、その後の手続き方法が円滑に進められます。

2.贈与契約書の作成

土地の生前贈与には、土地の贈与を行なった証明書として贈与契約書を作成します。贈与契約書には、贈与者と受贈者の氏名、住所、生年月日、贈与者と受贈者の関係などの基本情報が記載されています。

その他にも、贈与する土地の所在地、地積、権利の内容、贈与する土地の詳細が記載されているため、事前に贈与する土地について把握しておくとスムーズです。最後に贈与の条件、期日、方法、期日を明記して押印すれば贈与契約書は完成です。

贈与契約書は、手書きでもWordなどのパソコンソフトで作成しても問題ありません。ただし、契約書の信頼性を高めるために、「署名」と「日付」は手書きで記入することが推奨されます。一方で、贈与者や受贈者の住所については、手書きでもパソコン作成でもどちらでも差し支えありません。

3.法務局で名義変更の登記申請を行う

法務局で名義変更の登記申請を行います。基本的に、受贈者が法務局に登記申請書を提出し、贈与契約書や戸籍謄本などの必要書類を添付する必要があります。

登記申請をする際には、登記手数料を支払うことを知っておきましょう。もし、登記をしなかった場合には、贈与者が二重譲渡できてしまうリスクや、税務署から生前贈与の成立を否定されるなどのトラブルに発展することがあります。これらのリスクを避けるためにも、名義変更の登記申請を忘れずに行うようにしてください。

土地の生前贈与を成功させるための3つのポイント

土地の生前贈与を成功させるための3つのポイント

土地の生前贈与を成功させるための3つのポイントは以下です。

  • 1.専門家に相談する
  • 2.長期的な財産計画を立てる
  • 3.贈与のタイミングを計る

1.専門家に相談する

土地の生前贈与を成功させるには、専門家への相談が重要です。土地の評価額や税制の特例、贈与契約書の作成方法、手続き方法など、専門知識が求められる場面が多くあります。

また、贈与税や不動産取得税、相続税などを正確に理解するには税理士や司法書士の助けが不可欠です。さらに、地域ごとの税率や特例制度の違いも考慮する必要があります。

これらをあやふやのまま進めると、余計な税負担や法的トラブルが発生する可能性があります。専門家に相談することで、正確で効率的な手続きを進められ、失敗を防ぐことができます。

2.長期的な財産計画を立てる

土地の生前贈与で失敗を防ぐには、長期的な財産計画を立てることが重要です。贈与を進める際には、贈与税や相続税だけでなく、固定資産税や管理コストも考慮しましょう。

短期的な節税だけを目的とすると、後で予期せぬ費用やトラブルが発生する可能性があります。長期的な視点を持ち、しっかり計画を立てることが、最終的な利益の最大化に繋がります。

3.贈与のタイミングを計る

土地の生前贈与の最大のメリットは、存命中に自由に財産を譲渡できることです。

特に、有価証券など将来的に評価額が上昇する可能性がある資産を、値上がり前に贈与することで、相続時の評価額上昇による相続税の増加を防げます。

また、贈与は基本的に60歳以上で、子どもや孫が18歳以上であれば、いつでも実施可能です。思い立ったら早めに贈与を始め、非課税枠を最大限に活用することも重要です。早期に贈与を行うことで、税制面での節税効果をより大きくできます。

贈与してもらった後の実家の土地の活用方法については、以下の記事で紹介しているので参考にしてみてください。

土地の生前贈与に関する相談窓口

贈与相談窓口

生前贈与について疑問がある場合、弁護士などに相談することをおすすめします。また、贈与契約書の作成や登記申請についても、専門家に任せておくことで速やかに手続きが進み間違いもありません。そこで、ここからは土地の生前贈与に関する相談窓口について紹介します。主な相談窓口は以下の通りです。

  • 弁護士
  • 司法書士
  • 税理士

それぞれ得意分野や費用が異なるため、自身が相談したい内容に合う相手を選ぶことが大切です。それぞれ、相談できる内容について詳しく見ていきましょう。

弁護士

生前贈与による不動産の権利関係について相談をしたい場合には、法律の専門家である弁護士への相談がおすすめです。弁護士に相談できる具体的な内容については、以下のものが挙げられます。

  • 贈与の有効性や効力に関する相談
  • 贈与税に関する相談
  • 登記手続きに関する相談
  • 相続に関する相談
  • 契約書の内容に関する相談

また、贈与者と受贈者の間での法的トラブルや紛争がある場合には弁護士が適任です。法律などの大きなトラブルに発展させないためにも、弁護士に相談をして生前贈与についての不安を取り除いておきましょう。

土地の生前贈与に関する弁護士への相談料は30分あたり5,000円が相場とされています。

司法書士

生前贈与について何も分からず、どこから手を付けて良いのか分からないという方は司法書士への相談がおすすめです。司法書士は、弁護士よりも法律に関わる細かい部分に対してサポートを行っており、贈与契約書の作成や登記手続きの代行などを依頼することができます。司法書士に相談できる生前贈与に関する具体的な内容は以下の通りです。

  • 贈与契約書の作成
  • 登記手続きの代行
  • 相続人の確認や遺言書の確認
  • 相続税の計算や相続手続きのアドバイス
  • 法的トラブルへの対応

司法書士は、相談だけでなく代行して手続きを行なってくれるのなどのメリットがあります。特に、登記に関しては専門業務であるため、費用はかかってしまいますが、負担や手間を省きたいという方は積極的に利用してみると良いでしょう。

贈与登記の司法書士報酬は、一般的に約4万円程度が相場です。ただし、司法書士報酬は自由に設定できるため、権利関係が複雑だったり、贈与する不動産の数が多い場合には、報酬が相場より高くなることがあります。そのため、正式に依頼する前に報酬規程表を確認したり、見積書を作成してもらうことをおすすめします。

税理士

生前贈与をする上でかかる税金について相談をしたいという方は、税理士への相談がおすすめです。税理士は、税金に関するプロフェッショナルになるため、贈与税や節税について詳しく相談をすることができます。税理士に生前贈与について相談できる具体的な内容は、以下の通りです。

  • 贈与税の計算や申告に関する相談
  • 贈与税の節税対策に関する相談
  • 贈与税以外の税金(相続税、所得税など)に関する相談
  • 贈与によって生じる資産運用や相続対策に関する相談
  • 贈与によって発生する法律的な問題に関する相談

税理士は、相続税対策についても相談することができるため、税金をできるだけ抑えたい場合にもおすすめです。ただし、税理士の中でも得意分野が異なるため、主に生前贈与に多く携わってきた税理士を選ぶようにしましょう。

税理士事務所によって多少金額は異なりますが、1000万円以下の贈与財産で5万円の報酬が相場です。

土地の生前贈与の注意点

土地の生前贈与の注意点

土地の生前贈与をする際に、注意すべき点があります。問題なく速やかに生前贈与を行うためにも、今から紹介する注意点を頭に入れておきましょう。

まずは、相続人に対する遺留分減殺請求です。贈与者が残す財産に比べて、贈与された土地の価値が高い場合、遺留分減殺請求によって受贈者が返還を求められる可能性があります。遺留分を考慮せずに生前贈与を行うことで、最悪の場合は裁判などの大きなトラブルに発展するケースもあるため注意が必要してください。

税金の支払いについて把握しておくことも大切です。土地の生前贈与によって、贈与税だけでなく、登録免許税や不動産取得税などの税金が発生します。相続税対策といっても、発生する税金についていくら税金がかかるのか把握しておくことが大切です。

その他にも、贈与後の管理や贈与の目的、受贈者の将来の状況を考慮することも重要です。贈与した後の受贈者とのトラブルを避けるためにも、贈与契約書などしっかりと明記しておくようにしましょう。

税金面での注意点

土地の生前贈与では、税金面でも注意してください。まず、贈与税の負担があります。年間110万円の基礎控除を超える場合、超過分に対して税率が適用されるため、税額が大きくなる可能性があります。

また、不動産を取得した際には、不動産取得税も課税されます。さらに、贈与による所有権移転登記には登録免許税が必要で、課税標準額に税率を掛けた額を支払うことになります。

法的な注意点

認知症などによる判断能力が低下した状態では、土地の生前贈与が困難になる可能性があります。

認知症であっても、意思能力が認められるケースもありますが、その判断は医師に委ねられ、意思能力(財産処分能力)があるという内容の診断書を書いてもらう必要があります。

また、死期が迫った時期の贈与も注意が必要です。令和5年税制改正で生前贈与加算の規定が改正されました。

改正前は死亡前3年間の贈与のみ相続財産に加算されていましたが、新たに死亡前7年間の贈与が加算対象となっています。

その他の注意点

その他にも注意しなければならないことがあります。

例えば、遺留分侵害のリスクです。生前贈与が他の相続人の遺留分を侵害すると、トラブルの原因になる可能性があります。

また、受贈者には贈与税の納税義務が発生するため、納税資金の準備が必要です。

さらに、土地の不動産価値は将来的に変動する可能性があり、贈与時の評価額と将来の実勢価格にギャップが生じることも注意する必要があります。

土地の生前贈与を検討しているならM-LINEへ相談を!

土地の生前贈与を検討しているならM-LINEへ相談を!

土地の生前贈与は、一定の条件を満たすことで控除を適用できるため、相続税対策には効果的です。しかし、生前贈与を行うことで贈与税や不動産取得税などの税金が発生することを把握しておくことが大切です。税金についてや生前贈与をする際の手続きに不安がある方は、リスクを避けるためにも専門家へ相談することをおすすめします。

特に、アパートやマンションでの生前贈与を検討している際には、ぜひM-LINEにご相談ください。M-LINEでは、経験豊富な専門家が生前贈与に関するサポートをご提案いたします。少しでも不安や疑問を抱えている方は、お気軽に資料請求またはお問い合わせください。

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執筆者情報

小林 眞一郎

小林 眞一郎 ou2株式会社 常務取締役 二級FP技能士

ou2株式会社 常務取締役 二級FP技能士

監修者情報

高坂 昇

高坂 昇 ou2株式会社 専務取締役 一級建築士

木造密集地域や防火地域において、木造ならではの施工性や設計の柔軟性、コストパフォーマンスを活かして木造耐火4階建て住宅(もくよん®)や、災害時の避難場所となる地下室や屋上を備えた災害住宅も提唱しています。
小林 眞一郎

小林 眞一郎 ou2株式会社 常務取締役 二級FP技能士

ou2株式会社 常務取締役 二級FP技能士
長張隆史

長張隆史 ou2株式会社 代表取締役 一級建築士 (登録番号 第328587号)

ou2株式会社代表取締役 一級建築士(登録番号 第328587号)

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