小林 眞一郎 ou2株式会社 常務取締役 二級FP技能士
せっかく土地を保有しているのでマンション経営でうまく活用したいと考えている方は、色々調べてはいるが。マンション経営、アパート経営、駐車場、コインランドリー、太陽光発電システムなどたくさんあり、どれが自分に向いているのかよくわからないのではないでしょうか。
土地活用方法は様々ありますが、マンション経営はおすすめできる方法の1つです。
ここでは、マンション経営とはどのようなものか、どんなメリットと留意点があるのか、成功のポイントは何があるのか、等のマンション経営の気になるポイントを解説していきます。
マンション経営をよく理解するために、まずはよく比較されるアパート経営との違いをご紹介しながら、マンション経営とはどのようなものなのかを見ていきましょう。
マンションとアパートは建築の際の建物構造に違いがあります。一般的にアパートは木造や重量鉄骨造が多いことに比べ、マンションは鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造、重量鉄骨造が多く、マンションの方が頑丈な構造で建築されています。
アパートは2,3階建が多いですが、マンションは5階建などの高層になることが多く、エレベーターが設置されているのが特徴です。※建築基準法第34条により、高さ31mを超えるマンションではエレベーターの設置が義務付けられています。
マンションは頑丈な構造で、耐震性などの災害に強い構造であり、エレベーターを備え、高さがある建物であることが一般的です。
ローン返済期間は耐用年数の長い建物のほうが長く設定することが可能であり、マンションの方がアパートよりもローン返済期間を長く設定できることが多いです。
ここでいう建物の耐用年数は、減価償却費計算上の法定耐用年数を指しています。鉄筋コンクリート造の頑丈な建物のほうが、木造建物よりも法定耐用年数が長くなります。
法定耐用年数が長い建物の方が資産価値が高くなり、その分、ローン返済期間を長く設定することが可能です。
マンションは鉄筋コンクリート造など頑丈である分、木造に比べて初期投資額(建築コスト)が高額になりやすいことはポイントです。
しかしその分、賃貸戸数が多くなるので、入居者からの家賃収入が高額になることが期待できます。
初期投資額の高さはありますが、収益性が高い経営ができることはアパート経営との大きな違いであると言えます。
続いてマンション経営を行うメリットを3つご紹介します。
なんといっても賃貸入居者からの家賃収入を得られることが大きなメリットになります。
アパートや戸建てと異なり、マンションは部屋数が多いです。入居率を高めることができれば、その分多額の家賃収入を得ることができます。家賃は毎月発生するものであり、安定した収入源とすることができる点が大きなメリットです。
賃貸マンションは安定して家賃収入を生み出すことができることや、鉄筋コンクリート造(RC)等、頑丈な建物構造であることから資産としての寿命も長く、安定した資産形成を行うことが可能となります。
一般的にマンションは資産価値が下がりにくく、将来的な売却も十分に可能であることもメリットです。
賃貸マンションを建築することにより、相続税の節税効果が期待できます。土地のみを相続する場合に比べ、賃貸マンションを建築すると、該当の土地は「貸家建付地」として評価され、借地権割合、 借家権割合 、 賃貸割合により相続財産としての評価が減額されるのがポイントです。。
また、建物自体も借家権割合により評価が減額されます。このように土地・建物ともに相続財産評価額に減額があるため、相続税の節税効果が期待できるでしょう。
このように安定収入が得られること、資産形成につながることだけでなく、相続税の節税効果があることなど、マンション経営を行うメリットは大きいと言えます。
では、マンション経営を行う上でのデメリットやリスクはどのようなものがあるでしょうか。
一般的には以下のような点が留意点だと言われています。
入居者が入らなかったり、早期退去するなどにより空室が発生すると、その部屋は家賃収入を生み出さないため空室が増えると収益が減少する空室リスクがあります。
マンション建設自体、初期投資額は大きく、長期のローンを設定して返済していくことが一般的です。ローン返済期間中に、空室が増加すると(=入居率が低いと)家賃収入が不足し、収支が合わずローン返済に手出しが発生することが想定されるでしょう。
尚、対策として不動産管理会社が一括して借り上げる「サブリース」という方法もあります。不動産管理会社が一括して借り上げてくれるため、オーナーは一定額の手数料さえ負担すれば、空室状況にかかわらず、安定した家賃収入を得ることが可能です。
地震、台風、洪水、火災といった自然災害によるマンション建物が毀損するリスクがあります。建物が災害により被害を受けた場合、マンションの資産価値の減少や、高額の修繕費用が発生することが想定されるでしょう。
近年ではゲリラ豪雨、線状降水帯といった大規模災害を引き起こす豪雨が増えており、過去30年間で時間降水量80mm以上の「猛烈な雨」の発生回数は1.7倍になっています。
また首都直下型地震や、南海トラフ地震といった震度6以上クラスの地震はいつ発生してもおかしくないと言われています。資産価値をしっかり守るためにも各種損害保険の加入は必須であると言えるでしょう。
マンション建築にあたっては建築規模が大きいことや、頑丈な建物構造とする必要があることから、他の土地活用方法に比べて初期投資額が高額になることが想定されます。
また、初期投資だけでなく、長期的には経年劣化等による修繕費や維持費も継続的に発生する費用であり、マンション経営の収支に影響を及ぼします。
マンションでは多くの入居者が生活するため、上の階、隣の部屋などの生活騒音による入居者間のトラブルなどが発生する恐れがあります。オーナーとしてこれらの問題の仲裁に入るなど、巻き込まれることも想定されるでしょう。
このような問題を防ぐため、あらかじめ入居者の騒音に関するルールを策定し、掲示しておくなどの対策が必要です。
マンション経営から撤退すべく、マンションを売却しようとしてもすぐに希望する金額で購入してくれる買い手が見つからないこともありえます。
資金繰りに困った場合の手段としては、マンションの売却はスピード感に欠ける手段となるかもしれません。
一般的にマンションの売却には数か月から、場合によっては1年程度かかることも。マンションの建設は資産形成になるというメリットはありますが、早期の流動性は低いという留意点もあるのです。
ここでは、マンション経営の収支を考えるにあたり、基本的な収入・支出項目を確認しておきましょう。
土地の有効活用には、土地の広さや形状、立地、目的などによって効果的な活用方法が異なるため、ベストな方法を見極めることが大切。方法を見極めた後は、その土地活用方法にどのようなメリット・デメリットがあるのかを把握することで、より効果的な経営につなげることができます。
また、土地活用には資金繰りや税金対策などの専門的な部分も必要です。資金繰りや税金対策などは、素人の知識だけでは難しい点が多いため、経営の知識がない方や経営のノウハウに不安がある方は専門家に相談するようにしましょう。
①家賃収入
マンション経営の最大の収入源は入居者から得られる家賃収入です。家賃収入の内訳は、部屋別の家賃、共益費、礼金、更新料、敷金などがあげられます。
これらの家賃収入が最大の収益源ですので、マンション経営の収支を向上させるポイントは、いかに部屋数を多く確保するか、その入居率を高められるかといった点になってきます。
②その他の収入
家賃収入以外には、敷地の余裕を活用して自動販売機や太陽光発電システム等の設置による収入や、駐車場収入などがあげられます。
目安ですが、自動販売機を設置すると月に数万円程度の収入となり、月極駐車場の場合、1台あたり月に5,000円〜1万円程度の収入が得られます。
①マンション経営の初期費用
主な初期費用としては「不動産取得税」「登録免許税」「印紙税」が主な費用です。
不動産取得税は、土地・家屋ともに、「課税標準額 × 4%」が税額になりますが、令和6年3月31日までは、土地・家屋ともに3%の軽減税率が適用されます。
登録免許税は購入・取得した不動産を登記する際に必要となる税金のことを指します。課税額の計算方法ですが、土地の場合は「課税標準額 × 2%」、建物の場合は「課税標準額 × 2%(新築等の場合は0.4%)」となります。
印紙税は不動産の売買契約書類に対して必要となる税金のことです。税額は売買金額次第で異なりますが、例として「5,000万円超 ・ 1億円以下」の場合は、6万円が課税されます。
尚、そもそもマンションの建築費用という非常に高額な初期費用がありますが、こちらはローンを組んで、長期的に継続費用として返済していくケースが一般的です。
②マンション経営の継続的費用
マンション経営にあたっては毎月、継続的に「ローン返済額」「管理費用」「修繕費用」「保険料」「各種税金」が主な費用としてかかってきます。
ローンの返済額ですが、こちらが月次費用としては最大額になることが想定されます。計算事例として、1億円を借り入れ、30年返済でローンを組んだ場合、月々の返済額は金利1%だと32.1万円、金利2%だと36.9万円という計算です。
管理費用とは、マンション管理を管理会社に委託するような場合に発生しますが、目安としては家賃収入額の5%程度になります。
修繕費用は、マンションの修繕にかかる費用ですが、家賃収入の5%〜10%程度になることが想定されるでしょう。保険料はマンション建物に関する火災保険や地震保険の保険料を指します。
各種税金としては所得税や住民税があげられます。
これらは、家賃収入額から、各種控除可能な費用を控除した残額に対して課税されます。控除可能な主な費用は以下の通りです。
ここまでマンション経営のメリット・デメリットや収支の考え方についてご紹介してきました。
ここからは、マンション経営を成功させるために留意しておくべきポイントについてご紹介します。
マンション建設にあたっては高額な建築費用がかかります。ローンでまかなうことが一般的ではありますが、自己資金を多く活用できれば、その分ローン返済額、金利を抑制することができます。
ローン返済額は長期的な継続コストとして収支を圧迫してくる部分になりますので、自己資金を可能な限り用意し、有効活用できるようにしましょう。
マンション経営で絶対に必要なことは入居率を高く維持することです。
そのためにはマンション建設を検討している敷地で十分に入居者を集められそうなのかを調査しておくことが必要です。賃貸需要の多い地域であるほど、安定して入居率を高められると考えられます。
また、この地域で入居を希望する顧客はどのような顧客なのか(単身なのか、家族帯同なのか、シニアが多いのか等)もきちんと調査し、顧客ニーズにあった施設を導入することが必要です。
尚、M-LINEでは東京都内の土地における多層階住宅の建設を専門にしており、十分なノウハウを保有しております。
立地だけでなく、狭小地、傾斜地等の変形地であっても有効な活用方法をご提案することが可能ですので、オーナー様が現在保有している土地でマンション経営ができそうなのか、お気軽にご相談ください。
マンション経営にあたっては、建物の大きさ・入居者数を最大化することが、賃料収入を中心とした収益性を高めることになりますので、保有している敷地が広い方が一般的には有利であると思われます。
しかし、オーナー様が現在保有している土地が必ずしも広いとは言えず、狭小地のような狭い土地であったり、傾斜地や三角地などの変形地であることも考えられます。
このような場合、一定程度広さのある敷地に比べて、賃貸戸数を多く確保するのが困難です。建ぺい率、容積率や高さの制限がある中で、敷地を最大限に有効活用し賃貸戸数を最大化できるよう、ノウハウを持った業者を探し比較して検討することをおすすめします。
M-LINEでは、大手ハウスメーカーと異なり、「1cmピッチでの完全自由設計」を採用しているため、敷地を最大限有効活用する設計が可能。狭小地の有効活用であったり、狭い道路からかかる斜線制限や厳しい北側日影規制など、様々なことをクリアし、「10cmも無駄にしない設計+α」の設計を提供しています。
マンション経営において、最大のコストは建築コストであり、毎月のローン返済額に大きく影響します。従って、少しでも安い業者を選定することが望ましいです。
また、単に安ければよいのではなく、オーナー様が保有している敷地を最大限有効活用するノウハウを持つ業者でなくてはなりません。
M-LINEでは直接施工のため、間に工務店等を挟まずに、直接職人さんと契約するスキームとなっていますので、中間コストがなく、下請け孫請けのゼネコンスタイルを採用している大手ハウスメーカーよりも工事費用が1~2割程度、割安になるケースが多いです。
この記事では、マンション経営のポイントを紹介してきました。
アパート経営と異なり、マンション経営は、頑丈な建物を建設することから賃貸戸数を多く確保し、家賃収入を得やすいという点、ローン返済期間が長期になる点、一方で建築コストが高額になるという留意点があります。
また、マンション経営は、空室リスクや災害リスク、高額な建築費用などのリスクや留意点がありますが、一方で安定した家賃収入が得られること、相続税の節税効果があること、安定した資産形成が可能であることなど多くのメリットが存在するので、検討してみるべき有効な土地活用方法であると言えます。
マンション経営の収支を考える際の費用には、ローン返済額、管理費用や修繕費用、保険料や各種税金などがかかります。
これらをまかなう収入としては、家賃収入が最大のポイントです。いかにマンションの戸数を増やすか、その入居率を高めて、安定的な家賃収入を得続けるかが重要なポイントになるでしょう。
マンション経営を成功させるためには立地条件を調べ、敷地を最大限有効活用することが望ましいです。M-LINEでは大手ハウスメーカーと異なる、柔軟な設計が可能です。ぜひお気軽にご相談ください。
2024/11/29
2024/11/29
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