小林 眞一郎 ou2株式会社 常務取締役 二級FP技能士
注文住宅を建てる際、「建築デザインの決め方が分からない…」「建築デザインのアイデアが知りたい」という方も多いでしょう。
家の外装・内装は、住宅の雰囲気を決める重要なポイント。建物の配色・屋根の形状・窓の位置や配置などによって、住宅の印象は大きく変わります。
そこで、本記事では注文住宅のモダン風・和風などの建築デザインの実例、建築デザインの人気ランキングを紹介します。注文住宅のデザインにこだわりたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
注文住宅の建築デザインは、以下の5つの種類があります。
外観や内観の建築デザインによって、住宅のイメージは大きく変わります。「自分ではどんなイメージになるか分からない」「失敗したくない」という方は、ハウスメーカーや工務店に大まかにイメージを伝えてアイデアを募ってみるのがよいでしょう。
モダン風のデザイン住宅は、余計な装飾がなく、シンプルで都会的な印象が特徴。無機質な素材や直線的なラインを多く取り入れているデザインが多いですが、モダン風の住宅といっても種類があるので、以下で実例を紹介します。
【モダン風の注文住宅の内装の実例】
【モダン風の注文住宅の外観の実例】
モダンな住宅は、シンプルながらおしゃれな住宅に見える人気の建築デザインです。さまざまな実例を参考に、作りたいイメージを導き出してみてください。
キューブ風の住宅は、シンプルな外観がかわいらしさとかっこよさを兼ね備えているのが特徴。採用する色や素材で高級感を演出でき、おしゃれなデザインに仕上がります。
また、キューブ風のデザイン住宅は凹凸のある複雑な形状よりも、曲がりや曲面が少なくなるため、材料費や人件費を抑えられるのがメリットです。「キューブ風の住宅はローコストに見えないか心配」という方は、下記のような実例を参考にしてみてください。
【キューブ風の注文住宅の外観の実例】
【キューブ風の注文住宅の内装の実例】
落ち着きのある和風の住宅も、人気のデザインです。和風の住宅デザインとは、日本家屋らしさを取り入れた住宅のことを指します。
純和風の家はもちろん、最近では現代風にアレンジした和モダンの住宅も人気があります。
畳・和瓦・障子やふすま、伝統的なデザインの玄関など、日本ならではのぬくもりがある空間が魅力。ただし、内装を和風にこだわる場合は、建築費用が高額になる傾向があるので、予算と相談しながら検討しましょう。
【和風の注文住宅の内装の実例】
【和風の注文住宅の外観の実例】
ヨーロピアン風の注文住宅は、きれいでかわいらしいデザインの住宅が多いです。白を基調とした塗装が多く採用されており、映画のワンシーンで出てくるような洗練されたデザインが魅力。
しかし、ヨーロピアン風の住宅のイメージがつかない方は、以下のような実例を参考にしてみてください。
【ヨーロピアン風の注文住宅の内装の実例】
【ヨーロピアン風の注文住宅の外観の実例】
カリフォルニア風の注文住宅は、アメリカ西海岸のカリフォルニアによくある外観を取り入れたデザイン。サーフな雰囲気がおしゃれですが、主張しすぎないデザインが魅力です。
カリフォルニア風の住宅の建築デザインに迷ったら、以下の実例を参考にしてみてください。
【カリフォルニア風の注文住宅の内装の実例】
【カリフォルニア風の注文住宅の外観の実例】
注文住宅の人気の建築デザインは、以下の通りです。
それぞれのランキングの内装・外装の特徴や費用などについても解説しているので、ぜひデザインの参考にしてみてください。
注文住宅の建築デザインの1位は、シンプルなデザインです。シンプルなデザインはどんなインテリアとも相性がよく、使い勝手がいいので家族で意見が一致しやすいのも特徴的。
また、構造がシンプルになる場合が多く、初期の建築費用や外壁塗装などのメンテナンスの負担も少なくなります。さらに、シンプルな住宅には片流れ屋根を採用するケースが多いですが、水はけがいいので修理やメンテナンス費用面で有利になるのが魅力です。
注文住宅の建築デザインの2位は、現代風のモダンなデザインです。流行に左右されず、シンプルで飽きが来ないデザインといえるでしょう。
シンプルモダンな住宅は、装飾の無駄を省き、素材の風合いを活かした直線で機能的なデザイン。ガラスや金属など無機質な素材を使うと、より洗練された空間に仕上がります。
外観や間取りも凹凸の装飾も少ないため、建築費用やメンテナンス費用も比較的抑えられる傾向です。装飾が少ないからこそ、解放感で広々とした印象に見せられるのもメリットです。
注文住宅の建築デザインの2位は、和風モダンなデザインです。日本の伝統的なデザインと現代的なデザインを融合したデザインで、落ち着いた空間を演出できるため、年齢層問わず高い人気を集めています。
木、竹などの自然素材や落ち着きのあるカラーを使用することで、和風のラグジュアリーか空間を作り出すことも可能。畳・襖・障子などは、何年経っても色褪せない自然な風合いのものばかりなのも魅力です。
ただし、畳や障子などを取り入れた場合、傷がつきやすかったり、メンテナンスに手間と費用がかかったりするデメリットもあります。
4位のラグジュアリーな建築デザインは、高級ホテルのようなデザイン性が高い住宅です。余分なものが少なく、空間に余裕が生まれて清潔感ある印象に見せられます。
全体的におしゃれで落ち着いた雰囲気を演出できますが、ラグジュアリー感を出すためには、建築費用が高くなることがあります。加えて、家具・家電などもインテリアに合わせて質のいいものを購入するため、高価なものが多いです。
ラグジュアリーな建築デザインを希望する際は、優先順位を決めて、予算内で必要な箇所に費用をかけるのがポイント。また、質のいい素材を使えば、後々メンテナンスコストを抑えられるので、長期的な視野で検討しましょう。
注文住宅の建築デザインの5位は、ウィンテージ風のデザインです。「ヴィンテージハウス」と呼ばれるかっこいいデザインで、年代を感じさせるような重厚感ある雰囲気が特徴。
落ち着いた大人な雰囲気を演出でき、男女問わず人気があります。外観は直線的なフォルムでシンプルなデザインが多く、無機質なガルバリウム鋼板を使用して、無骨なかっこいい雰囲気に仕上げるのが人気です。
内装は、壁・床・天井などの一部をレンガ調にしたり、ヴィンテージ風の家具を取り揃えたりするとおしゃれなインテリアが楽しめます。外装・内装以外にも、インテリアにもとことんこだわりたいという方におすすめのデザインです。
注文住宅の建築デザインの6位は、自然素材で作られた住宅です。化学物質を含まない素材で作られているため、赤ちゃんからお年寄りまで安心して暮らせるのがメリット。
また、天然木のあたたかみを感じられたり、肌触りがよかったり、素材にいい特性があったりするのもポイントです。例えば、無垢材には断熱性・蓄熱性・調湿性があり、水を吸収したり室内の温度や湿度を一定に保ったりするメリットがあります。
珪藻土は湿度調節機能を持ち、部屋ないの臭いを吸収し、脱臭・消臭などの効果が期待できます。ペットの臭いが気になる家庭にもおすすめです。
このように自然素材は見た目のデザインだけでなく、機能性のメリットが多いのが特徴。住み心地にかかわるデザインなのでぜひ検討してみてください。
注文住宅の建築デザイン7位は、北欧風の建築デザイン。三角屋根やツートンカラーの外壁、大きな窓を取り入れたデザインがおしゃれです。
また、白・ベージュなどのアースカラーのサイディングに大きな屋根のデザインも人気。内装はパイン材や無垢材などの自然素材を組み合わせ、あたたかみを感じる内装と相性抜群です。
さらに、北欧で実際に多くの人に利用されている断熱性の高い木製窓が採用される場合も多いです。木製窓はアルミや樹脂サッシよりも断熱性が高く、気密性に優れているのが特徴。
夏は涼しく冬はあたたかい特性があるので、ぜひ機能面も重視して検討してみましょう。
注文住宅の建築デザインを選ぶ際の4つのポイントは、以下の通りです。
屋根の形や配色など上記のポイントにこだわることで、デザインの失敗をしにくくなるでしょう。ぜひ見た目だけでなく、機能面などにも注目してみてください。
注文住宅の建築デザインは、屋根の形で印象ががらりと変わります。なぜなら、屋根の形は寄棟(よせむね)屋根・切妻(きりづま)屋根・片流れ屋根といった種類があり、外観だけでなく、機能性や費用にも違いがあるためです。
寄棟屋根とは、頂上から軒先に向かって4方向の根の面がある屋根の構造です。建物の4方向に屋根が向いているため、住宅を建てる際の制限が少ないのが特徴。
高さ制限のある立地でも立てやすく、どっしりとした落ち着いた雰囲気があります。屋根が4面あるため、比較的施工費用が高くなりますが、外壁の劣化が発生しにくく、雨風・雪などの影響も分散されるのでメンテナンスのコストを抑えられます。
切妻屋根とは、山形の二方向に根の面がある屋根の構造です。日本の住宅構造の中でも最もオーソドックスな屋根の形状です。
屋根が2面のため、比較的施工費用を抑えられるのが特徴。雨風の影響も比較的受けにくいため、メンテナンスのコストも抑えられます。
切妻屋根も屋根の形状がシンプルのため、洋風・和風などどのような建築デザインにもマッチしやすいのがポイント。ただし、他の住宅デザインとかぶりやすかったり、妻側(三角部分)が露出するため、雨風で劣化しやすい傾向にあるのがデメリットです。
また、片流れ屋根とは、一面のみに傾斜がある屋根の構造です。シンプルなデザインで施工も比較的簡単なため、費用を抑えられます。また、太陽光パネルを設置する面積が広いので、太陽光パネルを検討中の方におすすめの屋根の形です。
一方、外壁に雨が当たる部分が多いため、雨風の影響を受けたり、雨漏りしやすかったりするのがデメリットです。
さらに、屋根の形状だけでなく、勾配(こうばい)や軒の出によっても住宅の印象が変わります。設備や機能面にも配慮しながら、建築デザインを検討しましょう。
注文住宅の建築デザインは、外観の配色にもこだわりましょう。建物の配色は、メインカラー・ベースカラー・アクセントカラーを決める必要があります。
メインカラーとは、主役として家の印象を決める色のことです。ベースカラーは外観の大部分を決めるベースをいい、アクセントカラーはメインやベースのカラーを引き立てるアクセントの色のことをいいます。
外観の配色を決める際は、日当たりや天候によっての見え方、近隣住宅と調和するような配色にすることがポイント。外装材のサンプルを実際に取り寄せ、直射日光に当てる・水に濡らしてみる等、しっかりと実際の色をイメージするのがよいでしょう。
注文住宅は、外構・エクステリアにこだわることもポイント。外壁のカラーやデザインに合わせて、統一感のある外構・エクステリアにしましょう。
また、外構やエクステリアの施工は、建物の施工と違ってコストがそれほどかからないのも魅力。100万円の予算があれば植栽やガーデニングなど、さまざまな施工ができるようになるため、コストを抑えて住宅雰囲気をおしゃれに演出できます。
注文住宅を建てる際は、内装や外装にこだわりがちですが、外構も含めた全体のデザイン・設計を考えてみましょう。
注文住宅を建てる際は、窓の配置やデザインによっても雰囲気を変えられます。窓は種類・サイズ・窓枠などの雰囲気によって見た目に違いが出るためです。
窓の種類は、引違い窓・すべり出し窓・FIX窓・スリット窓などの種類があり、外観の見え方や内装デザインによって最適なものを選ぶ必要があります。また、窓の縦・横方向の配置を揃えることで、統一感があっておしゃれな雰囲気に演出することも可能です。
さらに、住宅のアクセントとして高窓・地窓など目線と異なる場所に窓も設ける場合もあります。窓の配置やデザインによっても、注文住宅の雰囲気を変えることができるので、ぜひこだわってみてください。
本記事では、注文住宅の建築デザインの実例や、人気デザインのランキングなどについて紹介しました。憧れの注文住宅は、デザインにこだわりたいものです。
しかし、建築デザインの決め方が分からない方、デザインのアイデアが浮かばない方も多いでしょう。ぜひ本記事の建築デザインの実例や選ぶポイントを参考に、さまざまなハウスメーカーや工務店のデザインを比較してみてください。
また、M-LINEでは、注文住宅のデザインの相談も承っています。「おしゃれなデザインの家を建てたい!」「デザイン料はいくら?」など、注文住宅のデザインのどのようなお悩みも一度ご相談ください。
2024/11/29
2024/11/29
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