二世帯住宅玄関共有

二世帯住宅で玄関を共有にするメリット・デメリットを紹介

二世帯住宅を検討している方は「玄関は共有した方がいい?」「分けた方がいい?」と迷っている方も多いのではないでしょうか。

二世帯住宅の玄関を共有する場合は、玄関を広々と使えたり、固定資産税や不動産所得税といった税金が節税になったりする可能性があるなどのメリットがあります。一方で、世帯間で気を遣ってしまい、気軽に人を呼びづらくなったり、生活リズムの違いによる騒音などのストレスがあるのも事実です。

そのため、二世帯住宅で玄関を共有するメリット・デメリット、玄関を別にした場合のメリット・デメリットを把握し、どちらが自分達家族が暮らしやすい空間なのかを慎重に検討する必要があります。

本記事では、二世帯住宅の玄関を共有・玄関別にしたメリット・デメリット、実際の間取り例などを徹底解説します。二世帯住宅の玄関について迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。

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賃貸併用の二世帯住宅を建てる3つのメリット

賃貸併用の二世帯住宅を建てる3つのメリット

二世帯住宅で玄関を共有にするメリットは、以下の5つです。

玄関を共有することで玄関を広く設置できたり、親世帯と子世帯が顔を合わせる機会が増えてコミュニケーションの機会が広がったりします。以下のメリットを参考に、実際に二世帯住宅の玄関を共有するかどうかを検討してみてください。

1.家族間の会話やコミュニケーションの機会が増える

二世帯住宅で玄関を共有すると、家族間の会話やコミュニケーションの機会が増えるのがメリット。理由としては、外出時や帰宅時に同じ玄関を出入りするため、自然と顔を合わせる機会が増えるからです。

例えば、子どものお見送りや帰宅時などに、子世帯と親世帯が一緒に出迎えることもできるでしょう。顔を合わせる機会が増えれば会話も増え、良好な関係づくりにも役立ちます。

また、一緒の玄関を共有することによって、親世帯・子世帯が家にいるかどうかや、体調なども確認できて安心です。家族の様子を近くで確認したい、コミュニケーションを大切にしたいという方は共有型がおすすめです。

2.玄関を広々と使える

二世帯住宅で玄関を共有する際は、玄関を広々と使えるのもメリットです。なぜなら、玄関を2つ設置するよりも広く間取りを使えるため、家族全員が広々と使える玄関が作れるからです。

例えば、広々と収納できるシューズクロークを設置したり、解放的な玄関を設計できたりします。自転車・ベビーカー・車いすなど、大きなものを玄関から出し入れしやすくしたいといった際に共有の玄関にするのがおすすめです。

3.留守中でも荷物の受け取りがしやすい

二世帯住宅で玄関を共有すると、留守中でも荷物の受け取りがしやすいのもメリット。子世帯は共働きで家を空けることが多いですが、老後の親世帯が家にいる間に荷物を代わりに受け取ってもらえます。

さらに、家を空けることが少ない分、防犯面も安心なのもポイント。誰かが家にいてくれる安心感があります。

また、玄関を共有することで、子どものお世話もしてもらいやすく、子育てに協力してもらいやすいのもメリットです。近年は共働きの世帯も多いため、二世帯住宅を上手く活用して、両世帯が楽しく安心で暮らせる家づくりを行いましょう。

4.コストを抑えられる

二世帯住宅の玄関を共有すると、建築コストが抑えられるのもメリット。理由としては、玄関に必要な坪数や設備数が1つで済むからです。

そのため、できるだけ建築費用を抑えたい方は、共有型にするのがおすすめ。ただし、他の世帯の目が気になるといったストレスが予想される場合には、費用を抑えることを優先するのはやめて実際に快適に暮らせる間取りにしましょう。

5.税金が節税になる可能性がある

二世帯住宅の玄関を共有すると、税金が節税になる可能性があるのもメリットになります。なぜなら、二世帯住宅の玄関・リビング・浴室など完全に分離してお互いの世帯に行き来できないようにすると2世帯分扱いとなるため、世帯それぞれに固定資産税・不動産所得税が発生するからです。

二世帯住宅で玄関を共有することで、1戸分の税金の支払いなので、親世帯に税金の負担をかけずに済んだり、両世帯で分配して負担ができたりするのがメリットです。1世帯分の税金分をコストカットできれば、その分を家電や車の購入費に充てたり、駐車場を作ったり、住宅ローンの支払いに充てたりできます。

税金をうまく節税することによって、月々の費用の支払いにゆとりが生まれます。ぜひ税金面も考慮した上で、玄関を共有するかについて検討してみてください。

二世帯住宅で玄関を共有にする2つのデメリット

二世帯住宅で玄関を共有にする2つのデメリット

二世帯住宅で玄関を共有にすると、以下のデメリットもあります。

特に各世帯の目が気になる際は要注意。来客時や騒音などによって、玄関を共有しなければよかったと後悔するケースもあるので、デメリットについて理解をしておくことも大切です。

1.気軽に人を呼びづらい

二世帯住宅を共有すると、気軽に人を呼びづらいのがデメリットです。理由としては、親世帯と子世帯が一緒に暮らしているため、家族に気を遣ってなかなか呼びづらくなってしまうからです。

例えば、玄関で少し立ち話をしたい場合でも、他の家族に聞こえてしまうか気になってしまい、気軽に話ができなくなってしまいます。玄関を共有する場合は、ゲストルームなどの別で話ができる空間を作る対策が必要でしょう。

2.生活リズムが異なると気を遣う

二世帯住宅を共有すると、生活リズムが違うと気を遣うことになるのもデメリットです。一方の家族が仕事の時間が遅い、または極端に早い生活リズムの場合、玄関を出入りする音がストレスになることも多いです。

また、子どもの習い事や通学で早く家を出る場合も注意が必要。親世帯の睡眠を妨げてしまうこともあるでしょう。費用を抑えたいけれど、気軽に出入りしやすい環境を作るなら玄関を別にした方がストレスがなくなります。

玄関を共有する場合は、両世帯の寝室を離す、防音性能を高くするなどといった対策も有効です。防音性能を高くする際は、追加で費用もかかるため、何を優先するべきなのか十分に検討しましょう。


二世帯住宅で玄関別にする3つのメリット

二世帯住宅で玄関別にする3つのメリット

二世帯住宅で玄関を別にしたときのメリットは、以下の通りです。

玄関を別にすることで、世帯間のプライバシーを確保したり、将来的に賃貸物件として活用したりするメリットがあります。今後住み続ける風景を実際に考えてみて、各世帯が住みやすい環境を考えてみてください。

1.プライバシーの配慮がしやすい

二世帯住宅で玄関を別にすることで、世帯間のプライバシーを配慮しやすいのがメリット。理由としては、玄関を別にすることで、来客時や帰宅時にプライバシーを守ることができるからです。

玄関を別にするケースでは、二世帯住宅は完全分離型になる場合が多いです。同じ家でも各世帯の空間を分離できるので、プライバシーが守られるのが特徴。

世帯間で顔を合わせることが少なくなるため、お互いに気を遣う機会も減ります。また、宅配や郵便など他の世帯に見られたくないという場合にも有効です。

同じ家にいながらも、適度な距離を保って生活したいという方は、二世帯住宅で玄関を別にするのがおすすめです。

2.将来賃貸物件として活用することもできる

二世帯住宅で玄関別にすると、将来的に賃貸物件として活用できるのもメリット。ただし、玄関だけに限らず、寝室・リビング・浴室・洗面所など住む空間がすべて別の完全分離型の場合です。

完全に分離した空間を作れば、賃貸物件としてだけではなく、ギャラリーや学習教室、貸事務所などさまざまな活用方法があるでしょう。また、一部共有型でも将来的に賃貸物件として活用できますが、空間を分けるリフォームが必要になります。

玄関を別にした完全分離型の二世帯住宅は、1世帯分を賃貸に出すことで、家賃収入を得られるのもメリットです。将来的に両親が亡くなった際に、完全分離型の二世帯住宅は1家族分の間取りが余ってしまいます。

転勤によって子世帯が引っ越さなければならなかった際も、賃貸物件として活用できるのはさまざまなリスクを回避することに繋がるでしょう。将来的に賃貸として活用していきたいと考えている方は玄関を別にするのがおすすめです。

また、将来的に孫世帯が使用することも可能です。空いた世帯の空間を自由に活用できるのは完全分離型の二世帯住宅の大きなメリットといえるでしょう。

3.相続税や固定資産税の優遇がある

二世帯住宅の玄関を別にした場合でも、相続税や固定資産税の優遇があるのもメリット。相続税は、親が亡くなった際に子世帯が親の家を手放さなくてもいいように、「小規模宅地等の特例」という軽減制度があります。

不動産を相続する際に、居住用として使用されていた家屋は、相続する土地の面積330㎡まで評価額を80%に減額できます。ただし、区分登記をしていない二世帯住宅に限ります。

また、固定資産税においても、要件を満たせば土地や建物の軽減措置を二戸分受けられるのがメリット。土家屋が建つ土地や200㎡まで小規模宅地として扱われるため、固定資産税の課税評価額が6分の1に、都市計画税が3分の1に軽減されます。

1世帯分の住宅では、200㎡までの軽減措置しか受けられませんが、二世帯住宅では2戸分最大400㎡まで受けられるのがメリット。

さらに、建物の固定資産税は、床面積の120㎡までが3年間2分の1に軽減されます。土地の固定資産税と同様に、建物の軽減措置も二世帯分受けられれば、最大240㎡まで軽減措置が受けられます。

出典:新築住宅に係る税額の減額措置|国土交通省

出典:No.1211-1 住宅の新築等をし、令和4年移行に居住用に供した場合(住宅借入金等特別控除)|国税庁

二世帯住宅で玄関別にする2つのデメリット

二世帯住宅で玄関別にする2つのデメリット

二世帯住宅で玄関を別にするのは、以下の2つのデメリットもあります。

費用面は非常に大切ですが、住みやすさも考慮することが大切です。何を優先するべきなのかを家族間で話し合い、親世帯・子世帯が納得する家づくりを行いましょう。

1.費用が共有型に比べると高い

二世帯住宅で玄関を別にすると、共有型と比較して費用が高いのがデメリット。理由としては、2つの玄関を作ることになるため、設計料・建材料・収納家具などが2つ分発生し、建築コストが高くなる傾向にあるからです。

玄関を2つ作るということは、その分の坪数も広さも必要になります。両世帯が収納スペースを入れる場合には、設備や坪数も2倍になることを考慮しましょう。

そのため、できるだけ費用を抑えたい場合は、玄関が1つの共有型が向いているでしょう。

2.間取りの制限が発生する

二世帯住宅の玄関を別にすると、間取りの制限が発生するのもデメリットです。なぜなら、玄関を2つ作るスペースが必要になるため、他の空間を狭くしなければいけないケースが出てくるからです。

また、玄関を2つ作る場合は、外観のデザインや間取りなどが変化します。玄関の位置や広さなども両世帯で話し合いを行わなければならないので注意しましょう。

そのため、玄関を別にする際は、家づくりで何を重視するのか十分に話し合う必要があります。完全にプライバシーを配慮したいという場合は、別々にするのが良いでしょう。「費用を抑えたい」「リビングに費用を掛けたい」という場合は、共有型など世帯間で話し合い、後悔しない家づくりを行うのがポイントです。

二世帯住宅の玄関の共有型と玄関別の間取り例

玄関共有型の二世帯住宅の間取り例

ここからは、二世帯住宅の玄関共有型と玄関別の間取り例について紹介します。実際の間取り例を参考に、実際の生活のイメージをしてみてください。

玄関共有型の二世帯住宅の間取り例

玄関を共有した際の間取り例は、1階を親世帯、2階を子世帯の生活空間に分けた二世帯住宅の事例です。玄関は1つですが、玄関から2階にすぐに上がれるような間取りとすることで、帰宅時もある程度のプライバシーを確保できる間取りとなっています。

各階にトイレを設置することで、混雑を回避できます。また、浴室も一緒に共有することで、2階の子供部屋やリビングのスペースが広くなっているのもポイント。

世帯ごとのライフスタイルを尊重しつつ、費用を抑えることに成功した二世帯住宅の間取り例です。

1階 玄関1つ+LDK+寝室+和室+浴室+洗面脱衣所+トイレ
2階 LDK+子供部屋+子供部屋+寝室+トイレ

玄関別にした二世帯住宅の間取り例

玄関を別にした二世帯住宅の間取り例は、1階と2階で生活空間を分けた完全分離型の間取り例です。玄関を離れた場所に設置することで、来客時の話し声なども気を遣わずに、プライバシーの確保に成功しています。

子世帯は玄関からすぐに2階に行けるため、お互いが必要以上に顔を合わせなくて済むのもメリット。道路から玄関のアプローチも別々に作っているため、夜遅くの帰宅時もプライバシーを守ります。

さらに、1階の親世帯の寝室と2階の子世帯のユニットバスや洗面脱衣所の場所を離すことによって、入浴の音や洗濯機の騒音が気にならない間取りとしています。

1階 玄関2つ+LDK+寝室+和室+ユニットバス+洗面脱衣所+トイレ
2階 LDK+子供部屋+子供部屋+寝室+トイレ+ユニットバス

まとめ:二世帯住宅の玄関共有を検討している方はM-LINEに相談!

まとめ:二世帯住宅の玄関共有を検討している方はM-LINEに相談!

二世帯住宅の玄関を共有することによって、親世帯と子世帯間のコミュニケーションの機会が増えるのがメリット。さらに、玄関を別々にするより、間取りを広く使えるため、家族全員が広々と使える玄関が作れます。

さらには、どちらかの世帯の留守中にも郵便や荷物の受け取りがしやすく、建築コストを抑えられるなどさまざまなメリットがあります。玄関を1つにすることで、税金面も固定資産税や不動産所得税が1つで済む点も利点です。

ただし、玄関を共有することによって各世帯の目が気になり、気軽に人を呼びづらかったり、生活リズムの違いによって気を遣うケースも少なくありません。実際に生活した後のことを考え、何を優先すべきなのか十分に検討しましょう。

M-LINEでは、二世帯住宅の玄関共有型・玄関別についてのご相談も承っています。「予算的に玄関共有を検討している」「二世帯住宅の間取りで後悔したくない」などどんなお悩みでも一度ご相談ください。

二世帯住宅の設計や建築の多数の実績があるため、二世帯住宅を建てる注意点や間取りのアイデアなどを提案させていただきます。

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執筆者情報

小林 眞一郎

小林 眞一郎 ou2株式会社 常務取締役 二級FP技能士

ou2株式会社 常務取締役 二級FP技能士

監修者情報

高坂 昇

高坂 昇 ou2株式会社 専務取締役 一級建築士

木造密集地域や防火地域において、木造ならではの施工性や設計の柔軟性、コストパフォーマンスを活かして木造耐火4階建て住宅(もくよん®)や、災害時の避難場所となる地下室や屋上を備えた災害住宅も提唱しています。

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