小林 眞一郎 ou2株式会社 常務取締役 二級FP技能士
東京都は、商業施設・大学・専門学校などが集まっており、就職や進学をきっかけに東京都に引っ越す人が多いです。交通アクセスの良さや、住みやすい環境も整っているのも東京に住む魅力です。
しかし、「東京都内の賃貸価格は高すぎる」という声も多いのがデメリット。東京都内でも地域によって、賃貸相場が大きく異なるので相場や周辺環境をリサーチし、より現実的な引っ越し先を選ぶことが大切です。
そこで、本記事では東京の賃貸平均価格と賃貸価格が高いエリアをランキングで紹介します。地域の特徴や高いエリアに住むメリット・デメリットについても解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
まずは、東京都内の23区内と23区外の賃貸平均価格について紹介します。
気になる区の平均価格を確認してみてください。
東京23区内の賃貸平均価格は、以下の通りです。
地域 | 平均賃料(ワンルーム)/万円 | 平均賃料(1K・1DK)/万円 | 平均賃料(1LDK・2K・2DK)/万円 |
---|---|---|---|
千代田区 | 9.66 | 12.59 | 27.68 |
中央区 | 9.77 | 14.26 | 19.28 |
港区 | 12.57 | 12.17 | 31.98 |
新宿区 | 7.02 | 8.74 | 14.76 |
文京区 | 6.78 | 7.76 | 13.9 |
台東区 | 7.57 | 8.21 | 14.03 |
墨田区 | 7.19 | 8.01 | 11.77 |
江東区 | 6.79 | 7.67 | 10.58 |
品川区 | 7.39 | 7.66 | 12.93 |
目黒区 | 7.19 | 8.19 | 18.06 |
大田区 | 6.81 | 7.05 | 9.94 |
世田谷区 | 6.56 | 7.02 | 11.95 |
渋谷区 | 9.31 | 9.44 | 19.99 |
中野区 | 5.95 | 6.99 | 11.63 |
杉並区 | 5.86 | 6.59 | 10.42 |
豊島区 | 6.5 | 7.69 | 12 |
北区 | 5.94 | 6.64 | 9.6 |
荒川区 | 6.08 | 6.54 | 9.34 |
板橋区 | 5.66 | 6.58 | 10.17 |
練馬区 | 5.45 | 6.08 | 8.89 |
足立区 | 6.35 | 6.27 | 7.81 |
葛飾区 | 5.59 | 6.08 | 7.24 |
江戸川区 | 5.53 | 6.32 | 8.56 |
※2024年9月23日時点の情報です。
東京駅のある千代田区や、大型商業施設が多く立ち並びアクセスも充実している渋谷区、高級住宅地として知られている六本木などがある港区は、1人暮らしなどでも平均約10万円~15万円程度の家賃相場が高いです。
住みたい街ランキングでも上位にある恵比寿や新宿などがある地域も、一人暮らしの間取りで約7万円~10万円程度必要になります。また、上記の統計データは築年数・設備・立地などが考慮されていない区の平均家賃相場の数値なので、築浅物件やより駅に近い物件はさらに家賃が高い傾向にあるでしょう。
東京23区内でも比較的家賃が安いのは、葛飾区・江戸川区の北東方面や、北西部に位置する練馬区などが挙げられます。家賃が安いエリアの駅近物件などを選ぶことによって、アクセスのよい好物件に出会える可能性もあるでしょう。
東京23区外の賃貸平均価格は、以下の通りです。
地域 | 平均賃料(ワンルーム)/万円 | 平均賃料(1K・1DK)/万円 | 平均賃料(1LDK・2K・2DK)/万円 |
---|---|---|---|
八王子市 | 3.76 | 4.16 | 6.05 |
立川市 | 4.6 | 5 | 7 |
武蔵野市 | 5.76 | 6.04 | 10.78 |
三鷹市 | 5.48 | 5.86 | 8.96 |
青梅市 | 3.28 | 3.8 | 5.14 |
府中市 | 4.53 | 5.07 | 7.35 |
昭島市 | 3.83 | 4.64 | 6.05 |
調布市 | 4.95 | 5.61 | 8.27 |
町田市 | 4.79 | 4.74 | 6.44 |
小金井市 | 5.14 | 5.36 | 9.25 |
大小平市 | 3.64 | 4.42 | 6.62 |
日野市 | 4.07 | 4.44 | 6.39 |
東村山市 | 4.27 | 4.6 | 6.33 |
国分寺市 | 4.44 | 5 | 8.01 |
国立市 | 4.92 | 4.84 | 8.09 |
福生市 | 5.43 | 3.89 | 5.31 |
狛江市 | 5.47 | 5.31 | 8.69 |
東大和市 | 3.65 | 4.43 | 5.83 |
清瀬市 | 3.95 | 4.79 | 6.11 |
東久留米市 | 4.13 | 4.51 | 6.07 |
武蔵村山市 | 3.5 | 4.01 | 5.51 |
多摩市 | 4.13 | 4.7 | 7.04 |
稲城市 | 5.49 | 4.64 | 7.57 |
羽村市 | – | 4.53 | 5.3 |
あきる野市 | 3.8 | – | 5.3 |
西東京市 | 4.34 | 5.28 | 7.27 |
西多摩郡瑞穂町 | 3.83 | – | 5.05 |
西多摩郡日の出町 | 4 | – | 5.9 |
※2024年9月23日時点の情報です。
上記の表から分かるように一人暮らしの間取りの場合、東京23区外なら平均的に5万円前後の家賃で借りられることが分かります。23区内の平均相場と比較すると5万円ほど差があり、東京23区外の家賃相場の方が安い傾向にあります。
また、上記の統計データも築年数・設備・立地などが考慮されていない区の平均家賃相場の数値なので、築浅物件やより駅に近い物件は家賃相場が高くなるでしょう。
東京23区外では、駅前にデパートやショッピングスポットが並ぶ立川市、都心部にアクセスしやすい調布市や三鷹市などが人気です。「東京23区内の賃貸が高くて住めない…」と予算的に厳しい場合は、23区外の賃貸物件を視野に入れてみましょう。
「東京都内の何区が一番高いの?」「どうして高いの?」と気になる方も多いはず。ここでは、ハートマークサイトの全国統計データ賃料相場を参考に、東京都の賃貸価格が高い順にランキングで紹介します。
家賃の平均価格や、賃貸価格が高い理由について順に見ていきましょう。
東京都の中でも特に賃貸価格が高いのは、港区です。港区の賃貸の平均価格はワンルームで12.57万円、1K・1DKで12.17万円、1LDK・2K・2DKで19.28万円となっており、全体の平均値は18.90万円程度です。
賃貸価格が高い理由としては、江戸時代に多くの大名屋敷が多くあり、麻布・六本木・白金・赤坂などの高級住宅街は、現在でもお金に余裕のある人達から人気があるからです。港区は新宿駅や渋谷駅などの都心にもアクセスしやすく、一流の企業や大使館が多くあるため、区の資金が潤沢なので行政サポートが手厚いのも魅力です。
さらに、港区には政治家や著名人などが多数住んでいることから、警官が至るところに常駐しているため、治安が良いのも特徴。大型商業施設や飲食店、医療機関や教育環境なども揃っており、住みやすい環境が整っています。
「港区に住んでいる」というだけでステータスにもなり、家賃が高くても利便性が高いエリアに住みたいという方におすすめのエリアです。
港区の次に賃貸価格が高いのは、千代田区です。千代田区の賃貸の平均価格はワンルームで9.66万円、1K・1DKで12.59万円、1LDK・2K・2DKで27.68万円となっており、全体の平均値は16.62万円程度です。
千代田区が賃貸価格が高い理由は、政治、行政、司法の中心地として知られており、治安が良く、行政サービスが充実しているからです。国会議事堂や官公庁などがあったり、丸の内や大手町などオフィス街には主要企業が多く集まっているのも特徴。
千代田区には東京駅があり、JRや地下鉄など主要路線が乗り入れていることから、通勤や通学にも便利な立地です。赤ちゃんとのお出かけをサポートする施設が設置されているなど、千代田区独自の子育て支援を導入しており、子育て世帯の住みやすさも人気の理由でしょう。
千代田区の次に賃貸価格が高いのは、中央区です。中央区の賃貸の平均価格はワンルームで9.77万円、1K・1DKで14.26、1LDK・2K・2DKで19.28万円、全体の平均値は14.43万円程度です。
中央区が賃貸相場が高い理由は、ビジネス・商業地域が集約されていて利便性が高い地域だからです。中央区には11本の路線が乗り入れているため、交通アクセスが優れているのも特徴。
人気地域であるだけに、新築物件やタワーマンションなどの高級物件も多く、賃貸価格の相場が高くなっています。ブランドショップが立ち並ぶ銀座や、江戸の雰囲気が感じられる日本橋や築地など、さまざまな地域が集まっているので、生活する上で必要な施設が揃っています。
中央区の次に賃貸価格が高いのは、渋谷区です。渋谷区の賃貸の平均価格はワンルームで9.31万円、1K・1DKで9.44万円、1LDK・2K・2DKで19.99万円、全体の平均値は12.91万円程度です。
渋谷区の賃貸相場が高い理由は、渋谷駅を中心に新宿駅や池袋駅など都心部へのアクセスがよく、人口密度やニーズが高い地域だからです。また、原宿・表参道・代官山・恵比寿などの商業地区や、高級住宅街などもあり、渋谷区はさまざまな顔を併せ持っています。
警察のパトロールも頻繁に行われており、治安も良好です。子育て支援や教育環境、広々とした代々木公園なども近くにあり、都市生活と自然環境が調和しているのも魅力です。
渋谷区の次に賃貸価格が高いのは、目黒区です。目黒区の賃貸の平均価格はワンルームで7.19万円、1K・1DKで8.19万円、1LDK・2K・2DKで18.06万円、全体の平均値は11.44万円程度です。
目黒区の賃貸相場が高い理由は、交通アクセスの良さや、閑静な住環境にあります。京王電鉄や東京電鉄といった複数の路線が乗り入れており、都心部へのアクセスに便利です。
緑豊かな公園やおしゃれなカフェ、ショップなども多く、生活の利便性の高さも魅力。自由が丘・柿の木坂・青葉台・碑文谷・駒場などの高級住宅街もあり、治安が良い点も住みやすさの1つです。
目黒区の次に賃貸価格が高いのは、新宿区です。新宿区の賃貸の平均価格はワンルームで7.02万円、1K・1DKで12.59万円、1LDK・2K・2DKで27.68万円、全体の平均値は10.17万円程度です。
新宿区の賃貸相場が高い理由は、東京都の中心部に位置しており、アクセスの良さやビジネス街が多くあるからです。大学や専門学校が集まっているのも特徴で、特に若者に人気があります。
さらに、新宿御苑や明治神宮外苑などの名所も多く、商業エリアと住宅エリアの生活都市という特性も併せ持っているのも魅力の1つ。物件の資産価値も高く維持されているため、家賃相場が高い傾向にあります。
新宿区の次に賃貸価格が高いのは、台東区です。台東区の賃貸の平均価格はワンルームで6.79万円、1K・1DKで8.21万円、1LDK・2K・2DKで14.03万円、全体の平均値は9.93万円程度です。
台東区の賃貸相場が高い理由は、交通の利便性の高さや、上野や浅草などの繁華街があるためです。千代田区・中央区の東側に隣接しており利便性の高く、年々人口が増加しているエリアでもあります。
台東区は他の都心部のエリアと比べると地価が安く、賃料が高く設定できることから不動産投資でも狙い目の場所とされています。下町の伝統的な日本文化が息づいているため、都会の緊張感がそれほどなく、リラックスした雰囲気の中で暮らせるのも魅力です。
東京で賃貸価格が高いエリアに住むメリットは、以下の通りです。
順に解説していきます。
東京で賃貸価格が高いエリアは、駅から近く、交通アクセスが良好な賃貸物件が多いです。そのため、通勤・通学の移動時間が少なく、買い物環境やレジャー施設なども多く揃っています。
駅から遠い物件は駅近物件よりも家賃が安くなりますが、駅まで歩くのに時間がかかったり、自転車やバスなどを使用したりしなければいけません。その所要時間や費用などを考慮すると、駅近の賃貸価格が高いエリアに住む方がお得になるケースもあるでしょう。
東京で賃貸価格が高いエリアは、治安の良さもメリットです。なぜなら家賃が高いエリアは著名人が住んでいたり、高級住宅街が多いエリアであったりするため、警察のパトロールなどの警備体制が強化されているからです。
家賃が高いエリアは有名大学や大企業などの拠点にもなっており、地域と協力して安全な街づくりに貢献しているケースも多くあります。家賃が高い物件は、RC構造やSRC構造という防音性の高い作りをしていたり、オートロックや監視カメラなどセキュリティ性能が高い物件も多く、住みやすい工夫がされているのも魅力です。
東京で家賃価格が高いエリアは、周辺施設が充実しているのもメリット。理由としては、人が多く集まるエリアは商業施設や公園、学校や医療施設などのニーズも高まるため、さまざまな施設が充実しているからです。
周辺施設が充実していれば、必要な設備が多く揃う物件も多いのも特徴です。
東京で賃貸価格が高いエリアに住むデメリットは、以下の通りです。
デメリットについても順にみていきましょう。
東京で賃貸価格が高いエリアに住むと、生活費が高くなる傾向にあるのがデメリットです。なぜなら、家賃が物価が高く、家計を圧迫するためです。
家計が圧迫されてしまうと、生活費が高くてなかなか貯金できなかったり、生活費のやりくりが難しくなったりします。賃貸価格が高いエリアに住む際は、支出や収入を事前に計算し、家計管理をしっかりと行うことが大切です。
また、東京は娯楽施設やおでかけスポットなども多く、気づいたら散財が多くなってしまう傾向にあります。毎月の収入でどうやって生活していくのかきちんと計画し、うまくコントロールするようにしましょう。
東京の賃貸価格が高いエリアに住むと、電車やバスが混雑することもデメリットとして挙げられます。理由としては、需要が多いほど人が集まるため、どこへ行くにも混雑する場合が多いです。
特に朝や夕方の通勤・通学の時間は、満員電車で移動に時間がかかったり、ストレスの原因となったりするでしょう。電車の運休や遅延なども頻繁に起こるため、余裕をもって行動する必要があります。
東京で賃貸物件に住むのか、住宅を購入した方がいいのか、どちらがお得なの?と気になる方も多いはず。
結論から言うと、目的によってどちらに住んだ方がよいのかが変わってきます。
賃貸物件に住んだ方が良いのは、短期的に東京に住む場合と、会社から家賃手当てが出るといった場合です。例えば3年の短期間で東京に住む場合、物件購入の方が賃貸よりも物件の下落分と諸経費がかかるため、300万円~400万円程度高くなる傾向です
また、勤務先で家賃補助が出る場合は、短期的に東京に住む場合は住宅ローンよりも毎月の支払いが抑えられます。しかし、家賃手当てが出る場合でも、長期的な支出を考えると購入後資産となる住宅購入が良いケースもあります。
次に、住宅購入の方が良いのは、住居コストを抑えたい場合、居住性を高めたいといった場合です。一見賃貸物件の方が居住コストがかかりにくそうですが、都内の同じ面積・設備・仕様の家に住む場合、住宅購入の方がお得です。
例えば、新宿区の3LDK、90㎡、3階建ての一戸建て住宅は6,500万円前後が相場となります。住宅ローンの金利0.625%で計算し、固定資産税や修繕積み立てなどを考慮しても約20万円前後の支払いとなります。
新宿区の同条件の物件を借りる場合、25万円前後の賃料になるでしょう。住宅購入の場合は、ローン完済後は資産として残るため、売却もできるメリットがあります。
また、賃貸と住宅購入の支払い額を同じに設定した場合、建物や設備の質も住宅購入の方が高くなります。東京で住宅を購入する際は、基本的に新しい物件を選ぶことになるため、新築やリノベーションなどが行われた綺麗な物件に住めるのも住宅購入のメリットでしょう。
賃貸物件でも築浅で設備の整った綺麗な物件はありますが、月々の支払い額が高い傾向にあります。上記のことから同じ支払い額で長期的に住む場合や、居住性を高めたい場合には、住宅購入の方がおすすめです。
東京の賃貸は他の地域と比べて高い傾向にあり、一人暮らしの賃貸物件でも特に、港区は10万円~15万円、千代田区や中央区は10万円前後と他区と比較しても高めです。
東京23区外のエリアであれば、平均的に5万円前後の家賃相場なので、費用を抑えられます。
しかし、上記の例は平均的な家賃相場のため、駅近や築浅物件になればさらに賃貸価格が高くなります。長期的に東京に住む場合は、住宅購入の方が支払い額が抑えられたり、将来的に資産となったりするメリットがあります。
東京の賃貸価格が高いため、住宅購入を考えているという方はM-LINEに一度ご相談ください。賃貸がお得なのか、どれくらいの費用で住宅購入ができるのかなど、ご要望に沿った最適なプランを提案させていただきます。
2024/09/30
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