小林 眞一郎 ou2株式会社 常務取締役 二級FP技能士
この記事では、アパート経営におけるローン選びのポイントやローン活用方法について紹介します。
「どうしてアパート経営でローン選びが大切なの?」
「ローン金利を抑えるための方法を知りたい。」
など、アパート経営でローン借入を検討している方はこのような疑問があるのではないでしょうか。
アパートローンに関する知識は、経営を成功させるために必須です。
ここからアパートローン選びが大切である理由をはじめ、ローンの種類や特徴、ローン活用の成功事例まで丁寧に記載しているので、ぜひ参考にしてください。
アパート経営においては、ローン選びが特に重要です。
それには、主に以下の5つの理由があります。
順に説明していきますので、最後まで目を通すようにしてください。
アパート経営でローン選びが重要な理由の一つは、金融機関ごとに金利の種類が異なるからです。アパートローンでは「変動金利型」と「固定金利型」の2種類の金利があります。
変動金利型では、経済情勢や市場金利の変動により金利が上下するため、金利が低い時期には利息負担が軽減されますが、将来的な金利が上昇する可能性があることがリスクです。
一方、固定金利型は、一定期間または全期間で金利が固定されるため、返済計画が立てやすいというメリットがあります。しかし、初期設定では変動金利型よりも高めの金利設定になります。
アパートローンを提供している金融機関によって変動金利型か固定金利型のどちらを提供しているか違うのです。また、固定期間も異なります。
変動金利型と固定金利型両方を提供している金融機関もあるため、どちらの金利タイプが自分のアパート経営スタイルに向いているか照らし合わせてみてください。
アパート経営でローン選びが重要な二つ目の理由は、金融機関ごとに年金利率が異なるからです。
年金利率の違いはアパートローン返済総額や毎月の返済額に直結するため、アパート経営における利益に大きな影響を与えます。
一般的に、アパートローンの金利は1%台から4%台まで幅があり、金融機関によって大きく異なります。
この金利差は、借入額が大きいアパートローンでは特に重要です。例えば、同じ1億円を借り入れた場合でも、金利が1%違うだけで、総返済額には数百万円以上の差が生じます。
低金利を提供する金融機関を選ぶことで、収益を高めることが可能です。
アパート経営でローン選びが重要な三つ目の理由は、金融機関ごとに返済方法が異なるからです。
主な返済方法として、「元利均等返済」と「元金均等返済」の2種類がありますが、それぞれの特徴やメリットは異なります。
元利均等返済では、毎月の返済額が一定となるため、返済計画を立てやすいことがメリットです。
一方で、返済当初は利息が高く、元金が減りにくいというデメリットがあります。
元金均等返済は、元金部分が均等に減少していくため、利息の総支払額を抑えることが可能なことがメリットです。
しかし、初期段階の返済額が高額になるため、初期の資金負担が大きくなるというデメリットもあります。
さらに、金融機関によっては繰上げ返済やボーナス併用返済といった柔軟な返済オプションを提供している場合もあります。これらのオプションを活用することで、資金に余裕がある時にアパートローン返済を早めることが可能です。
アパート経営でローン選びが重要な四つ目の理由は、融機関ごとに審査内容が若干異なるからです。
審査内容が異なると、A銀行では審査通過が可能ですが、B銀行なら審査に落ちてしまうというようなことが起こり得ます。
各金融機関は独自の基準を設けており、一般的には以下の項目が審査内容で、そこに細かな条件も追加されます。
例えば、申込者の属性が重要視されます。年収や雇用形態、勤続年数などが審査の大きなポイントです。
公務員や大企業の正社員は安定した収入を期待できるため評価が高く、フリーランスや自営業者は収入の変動リスクがあるため、厳しく審査される傾向があります。
次に、物件の収益性や担保価値が挙げられます。物件の立地、築年数、入居率などは収益の安定性を示す重要な指標です。特に、地方の物件よりも都市部の人気エリアの物件は、収益性が高いと見なされるため、審査が通りやすいことがあります。
最も重視されることが多いのは、資産状況です。その中でも、融資比率や自己資金の割合が審査されます。
一部の金融機関では、自己資金の少ない借入はリスクが高いとみなし、融資を抑える場合があります。
逆に収益性が高いと評価された物件では融資比率が高くなることが多いです。
アパート経営の経験があると、金融機関は安定した家賃収入を得られる運営能力があるかを確認できます。
アパート経営でローン選びが重要な四つ目の理由は、アパートローンの審査は金融機関によって厳しさが異なるからです。
特に金利が安く設定されているローンほど審査が厳しい傾向があります。低金利のローンでは、金融機関がリスクを抑えるために、申込者の収入、自己資金の割合、物件の収益性、信用情報などを厳しく精査します。
都市銀行や大手金融機関は金利が低い分、安定した収入や高い信用力を持つ申込者が有利です。
一方、地方銀行や信用金庫では金利がやや高めでも、柔軟な条件で融資を行う場合があります。
そのため自分の条件や物件に適した金融機関を選ぶことが重要です。
アパート経営の際に、申し込める不動産ローンは主に以下の2つです。
ここからは、それぞれの特徴や違いについて解説していきます。
アパートローンは、不動産投資を目的としたローンで、主に会社員などが対象です。
最大の特徴は、物件の収益性や担保価値を重視する点で、借入額は物件価格の70~90%程度が一般的です。
返済期間は建物の構造も関係しており、木造で20~25年、RC造で30年程度とされています。
また、借主の年収や属性も審査対象ですが、アパートの立地や入居率などの収益性が審査の重要な基準となります。
プロパーローンは、不動産投資用の融資で、アパートローンと異なり、銀行が独自の基準で提供しています。
担保価値や収益性を基準とした審査が行われ、融資額や条件が柔軟に設定されます。
借主の属性は会社経営者や地主で、物件そのものの収益性や将来のキャッシュフローを重視するため、高額な融資も可能です。
また、金利は銀行の裁量で設定されるため、一般的なローンより高めになる場合がありますが、その分利用目的に応じたカスタマイズ性が高い点が魅力的。
プロパーローンは特に、一般的なローンの枠を超える大規模な投資案件に適しているという特徴があります。
ここでは、アパート経営でローン金利を抑えるために知っておきたいポイントを5つ紹介します。
アパートローンの金利タイプには変動金利型と固定金利型があり、それぞれメリットとデメリットが異なります。
変動金利は短期的に金利を抑えやすいですが、金利変動リスクがあります。一方、固定金利は金利上昇リスクを避けられますが、初期の金利が高めに設定される傾向です。
経済情勢や日本銀行の政策を考慮して金利タイプを選ぶことが、総支払金利額を抑えることにつながります。
金融機関ごとに提金利や融資条件は異なります。
大手都市銀行は低金利を提供する場合が多いです。
審査が厳しい傾向がありますが、審査を通過しさえすれば、アパート経営でローン金利を抑えることが可能です。
自己資金の割合を高くすることで、金融機関からの評価が向上し、低金利での融資を受けやすくなります。
自己資金比率が高いと、リスクが低い投資家と見なされるため、条件が有利になることが多いからです。
アパート経営でローン金利を抑えるために自己資金を準備して審査に臨みましょう。
金融機関は物件の収益性を重要視します。立地が良く、最新の設備が整っている物件は、安定した入居率が期待できる物件は担保価値が高く評価されます。
そのため、低金利で融資を受ける可能性が高いのです。
適切な物件選びが重要だということも、金利を抑えるために知っておきたいポイントです。
一般的にプロパーローンは、アパートローンよりも低金利で融資を受けられます。
アパートローンとは異なり、プロパーローンは案件ごとに金利が決定されます。
物件の収益性が高く、事業者の信用度が評価される場合には、より低い金利を適用してもらえることが特徴です。
アパート経営を成功させるために、ローン返済計画を立てる必要がありますが、以下の3つのポイントを意識すると、上手な返済計画を立てることができます。
アパート経営を成功させるためには、綿密なローン返済計画を立てることが重要であり、その際にシミュレーションを行うことは欠かせません。
例えば、金利が変動した場合の月々の返済額や、空室が発生した際の収益の変動を計算してみましょう。
さらに、シュミレーションでは、固定金利と変動金利の違いを考慮し、長期的な返済額を算出することも必要です。また、アパートローンとプロパーローンや借入期間による総返済額の違いも考慮しましょう。
シュミレーションを行うことで、リスクを軽減し、アパート経営を成功させるために適切なローン返済計画を立てることが可能です。
アパート経営を成功させるために、長期融資を活用することは重要なポイントです。
長期融資を利用することで、月々の返済額を抑えることができ、資金繰りを安定させることが可能です。
RC造のアパートでは耐用年数が長いため、融資期間が30年以上に設定されることが多く、長期融資が受けやすいことも覚えておいてください。
また、長期融資は金利上昇のリスクを分散する効果もあります。固定金利型を選択すると、将来的な金利変動による返済額の増加を防ぐことが可能です。
これにより、長期的な経営計画を立てやすくなります。
アパート経営を成功させるには、金利や市場の動向が変化する可能性を常に視野に入れる必要があります。
また、時代のニーズに合わせた設備のアップデートも重要です。例えば、ウォシュレットや無料Wi-Fiは現在では当たり前となっています。
将来的にも新たな設備やサービスが求められる可能性が高いため、それに対応する資金が必要です。
さらに、建物の老朽化も避けられない課題です。築年数が経過するにつれ修繕が必要となり、それも踏まえた返済計画を立てることが不可欠です。
利益を確保しつつ無理のない返済計画を立てるだけでなく、状況に応じてシミュレーションを見直し、収支を柔軟に調整することが求められます。
アパートローンを組む際には、こうした長期的視点を持ち、将来の変化に対応できる計画を立てることが経営成功の鍵となります。
アパート経営における以下の3つの成功事例とローン活用方法について解説していきます。
単身者向けの1Rや1K物件が飽和状態となっているエリアで、共働き世帯向けのIoTアパートを経営したオーナーの成功事例を紹介します。
※IoT:「Internet of Things」の略で、「Internet」はインターネット、「Things」は物を意味する。
IoTアパートとは、エアコンやバスの給湯、電気錠、照明、ネットワークカメラなどの住宅設備を遠隔操作できるアパートのことです。
このアパートのオーナーは、ローンをIoT設備に活用しました。例えば、スマートフォンで外出先からお風呂の準備が遠隔でできるなど、共働き世帯の家事負担を軽減する仕組みのを導入。
また、スマートロックや監視カメラなど、IoT技術を活用してセキュリティ強化は行わないことで、初期費用を最小限に抑えました。
過剰なIoT設備は導入しないことと、アフターメンテナンス費用まで含めたローン返済計画を立てしっかりシミュレーションしたことが経営成功における重要なポイントとなりました。
参照:共働き世帯向けアパート経営の成功例|東建コーポレーション
次に、ガーデニング対応のアパートの成功事例を紹介していきます。
ここのオーナーは「どんな暮らしができるか」という体験を重視するニーズが強まっている中で、ベランダを広く設計し、水回り設備を設置することにローンを活用。
「ガーデニングマンション」として差別化することに成功し、家族向けにも特化していることから、特にガーデニング好きの奥様方から高い支持を得ることができました。
このように、生活の楽しみを提供するアパートを経営することが、経営成功における重要なポイントとなりました。
参照:共働き世帯向けアパート経営の成功例|東建コーポレーション
最後に、エレベーターなし4回建て狭小マンションの成功事例を紹介していきます。
このオーナーはローンを活用し、アパートを自由設計にして、17坪ほどの土地に4階建てを建設しました
また、狭い土地なので、建ぺい率が10%緩和され、1階あたりの面積を広くすることができました。
さらにエレベーターを設置しないことで、賃貸部分の面積も充分に確保。
5階以上だとエレベーターがないと空室が生まれやすいですが、4階都することで、その対策にもなっています。
参照:共働き世帯向けアパート経営の成功例|東建コーポレーション
本記事では、アパート経営において、ローン選びが重要な理由やアパート経営を成功させるためのローン返済計画の立て方について解説してきました。
アパートローンやプロパーローンについて理解し、シミュレーションなども行い上手なローン返済計画を立てることが重要です。
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2024/11/29
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