重量鉄骨造の賃貸住宅間取り実例

重量鉄骨造のメリットを活かした一戸建て・賃貸住宅建築実例|自由なデザインと高耐久を両立

鉄骨造には重量鉄骨造と軽量鉄骨造の2種類があります。

中でも重量鉄骨造は、構造の強度を活かして大空間を作るなど、間取りやデザインの自由度の高さがメリットです。

今回は、重量鉄骨造を軽量鉄骨造・RC造・木造と比較したメリット・デメリットと、間取りの自由度の高さを活かしたおしゃれな鉄骨造一戸建て・賃貸住宅の実例をご紹介します。

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重量鉄骨造を軽量鉄骨造と比較したメリット・デメリット

重量鉄骨造住宅のダイニングキッチン

重量鉄骨造は、幅6mm以上の骨格材(部材を作るための鋼材)でできた構造材を使った鉄骨造の建物を指します。骨格材が幅6mm未満の構造材で作る「軽量鉄骨造」と比べて、強度や耐久性、耐震性、設計や間取りの自由度などの面でメリットがあります。

重量鉄骨造を軽量鉄骨造と比較したメリット・デメリットを詳しく解説します。

メリット①:強度が高く高層の建物にも向く

重量鉄骨は軽量鉄骨よりもより強度が高く、3階建て以上の中高層の建物にも適しています。重量鉄骨の中でも、ハウスメーカーによって使われている骨格材の厚みの違いで強度が変わりますので、必ずチェックしておきましょう。

メリット②:地震にも強い

重要鉄骨造は、軽量鉄骨造に比べて骨格材が厚いので、柱などの部材も太くしっかりした骨組みになります。骨組みの強さが地震力に耐える力の強さにもつながり、耐震性も重量鉄骨の方が高くなり、繰り返しの揺れにも強くなります。軽量鉄骨よりも重量鉄骨の方が、より高さのある建物に用いられるのも、重量鉄骨の耐震性・耐久性の高さが大きな理由です。

メリット③:防音性が高い

重量鉄骨の方が柱・梁が太いので、比例して壁・床・天井も厚くなり、防音性も上がります。

メリット④:広い空間が作れる・間取りの自由度

重量鉄骨の家は、ラーメン構造と呼ばれる、柱と梁を一体化し、筋交いを使わずに構造を作る工法が用いられます。軽量鉄骨よりも柱や梁が太く強いので、少ない本数で建築でき、間取りの自由度が高く広い空間を作りやすいメリットがあります。

デメリット:坪単価が高くなる

重量鉄骨造は、各部材の単価の差や、施工コストの差などから、軽量鉄骨造と比較して坪単価が高くなる傾向にあります。重量鉄骨・軽量鉄骨(鉄骨系プレハブ)の家を扱う大手ハウスメーカーの参考坪単価の平均を出してみましたので参考にしてください。

  • 重量鉄骨の家を扱う大手ハウスメーカーの参考坪単価の平均…70万円~160万円/坪
  • 軽量鉄骨(鉄骨系プレハブ)の家を扱う大手ハウスメーカーの参考坪単価の平均…65万円~132万円/坪

(参照)住宅情報ポータルsuumoより弊社独自に調査して作成

このように、ハウスメーカーの平均坪単価も、重量鉄骨の家を扱うメーカーの方が高めになっています。

重量鉄骨造をRC造(鉄筋コンクリート造)と比較したメリット・デメリット

RC造のおしゃれな賃貸住宅外観

メリット①:スマートなデザインが可能

重量鉄骨造は、柱と梁を剛接合して構造をつくり、筋交いを必要としない「ラーメン構造」という工法で建てられます。

鉄骨のラーメン構造は、RC造のラーメン構造と比較すると、コンクリートを使わない分、柱や梁を細くできます。そのため、より広々としたスマートな空間づくりや、大きな掃き出し窓を使って外へのつながりを感じる空間演出など、デザインの面でメリットがあります。

メリット②:RC造よりも短工期でコストも安い

重量鉄骨造は、RC造よりも材料費や施工コストが少なく済みます。RC造よりも短い工期で施工できるのもメリットです。

デメリット①:災害への強さはRC造が高い

重量鉄骨造は、骨組みの鉄や鋼の「ねばり」によって地震に耐える構造です。鉄骨造の建物は、鉄骨が揺れのエネルギーをねばりによって吸収して変形を抑え、建物の倒壊を防ぎます。

一方、RC造は圧縮される力に強いコンクリートと、引っ張る力に強い鉄筋を組み合わせた材料で、地震の横揺れ、縦揺れの両方に強く、高い耐震性能を誇ります。

また、コンクリートは燃えにくい素材であるため、RC増派耐火性にも優れています。RC造はそのままでも耐火構造を満たすため(4階建て以下の場合)、住宅密集地や商業地で「防火地域」「準防火地域」に指定されている地域に建てる構造にもよく使われています。

さらに、津波、洪水、土砂崩れなどが起きても流されにくいなど、様々な災害に強く総じて安全性が非常に高い構造と言えます。

デメリット②:RC造と比べて防音性・遮音性は低い

重量鉄骨造は、コンクリートで壁を作るRC造に比べると、防音性・遮音性は低くなります。鉄骨造でアパート・マンションなど賃貸住宅を建てる場合は、壁や床、天井の防音対策が重要になります。


重量鉄骨造を木造と比較したメリット・デメリット

木造3階建て住宅の外観実例

メリット①:耐久性・耐震性が高い

鉄骨造は、構造部材の耐久性の高さから、より長持ちする家が建てられます。また、重量鉄骨造は、ビルやマンションにも使われる構造なので、木造よりも強度や耐久性に優れた構造になります。

メリット②:設計自由度が高く多様なデザインに対応

重量鉄骨造は、構造の強度を活かして、前に張り出したオーバーハングの外観デザインや、1階に複数の車を停められるビルトインガレージ付きの家、1階がオフィスや店舗など広いフロアのある建物なども実現可能です。

一般的な木造住宅では実現しにくい間取りやデザインを実現できるのが重量鉄骨造の強みです。

メリット③:3階建て以上の多階層住宅も建てられる

鉄骨造は、強度を活かして中高層を建てられます。重量鉄骨造は、木造では難易度の高い3階建て、4階建て以上の住宅やアパート、マンションなどの建築にも最適な構造です。特に、狭小地の多い都内の住宅建築ではメリットの大きい構造と言えます。

デメリット①:坪単価が高い

国土交通省が公表している2021年度住宅着工統計によると、木造と鉄骨造の構造別工事予定額は、

  • 木造 170000円/㎡(561,000円/坪)
  • 鉄骨造(S造)270000円/㎡(892,000円/坪)

となっており、鉄骨造の方がより坪単価・建築コストが大きくなるのがデメリットです。

デメリット②:木造よりも雨漏り補修の難易度が高い

重量鉄骨のような鉄骨造の家は、外壁に使われるALCパネルの目地からの雨漏りなど、木造にはない雨漏りの原因となる部分があります。

また、木造と比べて鉄骨造は侵入した雨水が柱を流れて横に伝わっていくため、発生場所から離れた場所で雨漏りすることも多く、雨水の入口が見つけにくく対処の難易度も高いのがデメリットです。そのため、鉄骨造の家の雨漏りは事前に対策を考えておくことが重要です。

重量鉄骨造のメリットを活かした一戸建て・賃貸住宅建築実例

東京都内で建築した、重量鉄骨造のデザイン性の高さや、強度を活かした多階層の一戸建てや賃貸住宅の建築実例をご紹介します。

ブラック×レッドが印象的なモダンなデザインの店舗併用住宅

おしゃれな外観の重量鉄骨造賃貸併用住宅

重量鉄骨造の店舗併用住宅の建築実例です。漆黒の外壁に真っ赤な外階段というインパクトのある外観デザインがおしゃれで個性的です。

わずか10.8坪という敷地に実現した重量鉄骨造4階建ての併用住宅で、1階は将来お店を開くための空間、2・3階はワンルームの賃貸、4階が住居となっています。

多階層建築が可能な重量鉄骨造は、店舗併用住宅はもちろん、次にご紹介する2世帯・3世帯と家族で暮らす住まいにもぴったりです。

兄弟で暮らすビルトインガレージ付きの二世帯住宅

ビルトインガレージ付きの重量鉄骨造二世帯住宅

エントランスと外観にこだわり、シャープで濃い色のクールな外観が印象的な外観の重量鉄骨造の5階建て住宅の建築実例です。
4階は兄、2~3階は弟夫婦とそれぞれが同居する二世帯住宅で、1階にはビルトインガレージも備えています。

3階リビングの内装

内装は、カフェ風のインテリアが好きな奥様の好みにマッチするように、お洒落なデザインで空間演出しています。
また、建物内には内階段の他に小型ホームエレベーターも設置し、上下階の移動も苦になりません。

まとめ

今回は、スマートでおしゃれなデザインと、多階層住宅にも対応できる強度が魅力の「重量鉄骨造」の一戸建て・賃貸住宅の建築実例をご紹介しました。

重量鉄骨造は、RC造よりもコストを抑えながら、狭小地でより広い居住スペースを実現した4階建て、5階建てなどの住宅を建てるのに最適な構造です。ビルトインガレージや吹き抜けなど、大空間のある間取りも容易に実現できるため、家づくりの要望に柔軟に対応できるというメリットもあります。

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新宿モデルハウス

M-LINEは、都内で鉄骨造(重量鉄骨)・RC造の豊富な建築実績があります。また、不動産部門(D-LINE)とも連携し、ハウスメーカーと地域工務店のメリットを兼ね備えた家づくりを提供しています。

地域密着の家づくりの経験から、都内の各エリアの特徴や土地の特徴を踏まえた、最適な構造や設計をご提案。木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造など構造を選ばず、自分の希望に合わせた建物が実現できます。

さらに、土地活用をご希望の方に向けた収支シミュレーションや建築後のフォロー体制も万全で、東京で安心してアパート・マンション経営を始められます。

「重量鉄骨で大空間のある間取りの家を建てたい」「狭小地で3階建て以上の戸建てを建てたい」「重量鉄骨でアパート・マンションを建てて土地活用をしたい」などの場合も、それぞれのご希望に沿ったご提案が可能です。

都内で鉄骨造住宅・賃貸住宅・賃貸併用住宅・ソーシャルアパートメントなどの土地活用をお考えの際は、ぜひお気軽にご相談ください。


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執筆者情報

小林 眞一郎

小林 眞一郎 ou2株式会社 常務取締役 二級FP技能士

ou2株式会社 常務取締役 二級FP技能士

監修者情報

高坂 昇

高坂 昇 ou2株式会社 専務取締役 一級建築士

木造密集地域や防火地域において、木造ならではの施工性や設計の柔軟性、コストパフォーマンスを活かして木造耐火4階建て住宅(もくよん®)や、災害時の避難場所となる地下室や屋上を備えた災害住宅も提唱しています。

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