【徹底解説】実家の相続はどうする?手続きや税金の注意点

「実家を相続することになったものの、手続きのやり方が分からない」という方も多いのではないでしょうか。実家の相続は手続きだけでなく、税金の支払いも発生します。また、実家が遠方にあるなどのケースも珍しくありません。

本記事では、実家を相続する流れや注意点、土地の活用方法について詳しく解説していきます。実家を相続した方や相続する予定のある方は、ぜひ参考にしてください。

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実家を相続する流れ

実家相続の流れ

実家を相続する際は、以下の流れに沿って手続きを進めていきます。

手続きには期限が設けられているため、事前に流れを把握し、早めに行動することが大切です。親が他界してから7日以内に死亡届を出し、相続放棄をする場合は3ヶ月以内に決める必要があります。

遺言書の有無を確認

実家の相続が発生したら、遺言書があるかどうかを確認します。ある場合は、遺言書に基づいて相続します。ない場合は法に基づき相続しますが、念の為公証役場に公正証書遺言がないか確認すると良いです。

なお、遺言書には大きく分けて以下の3つがあります。

自筆証書遺言

自筆証書遺言とは、遺言者が自ら作成するものです。自作するため、無効になるリスクがあります。

自分で保管する以外に、遺言書保管制度を利用し、法務局に預けることも可能です。ただし、法務局にない場合は、開封時に家庭裁判所での検認が必要になります。

公正証書遺言

公正証書遺言とは、公証人に依頼して公証役場で作成・保管するものです。作成には証人が2人必要ですが、開封に検認は必要ありません。

秘密証書遺言

秘密証書遺言とは、内容を誰にも知られたくないときに作成するものです。公証役場に遺言書の存在のみを公証してもらい、保管は自分で行います。秘密証書遺言のメリットは、自筆証書遺言の問題点である偽造を防げることです。

しかし、公証役場には遺言書の封紙の控えのみ保管されるため、隠匿や破棄などのリスクがあります。また、開封時は家庭裁判所の検認や2名以上の証人の立ち会いが必要になることも把握しておきましょう。

相続税の有無の調査

相続が発生した場合、念の為相続税の納税義務がないか調査をします。相続税の納税義務を確認するためには、まず相続人を確定しなければなりません。非嫡出子がいる場合は、その人も相続人に該当します。非嫡出子の有無は、被相続人の戸籍謄本を辿れば確認できます。

相続人が確定したら、以下の式で基礎控除額を計算します。

「3,000万円+600万円×法定相続人の数」

なお、基礎控除額を超える資産を持っていない場合は、相続税は発生しません。

例えば、法定相続人が3人いた場合の基礎控除額は、以下のとおりです。

3,000万円+600万円×3人

3,000万円+1,800万円=4,800万円

上記のケースだと、被相続人が4,800万円を超える資産を持っていない場合は、相続税が発生しないことになります。

相続放棄や限定承認の選択

被相続人に多額の借金があり、相続を承認できない場合は、相続を放棄することができます。相続放棄をすると最初から相続人ではなかったことになるため、預貯金や不動産などの財産は相続できませんが、借金の返済義務を引き継がずに済みます。

限定承認の場合、相続した財産の範囲内で借金を返済すれば良いため、借金を引き継ぎたくないが実家は残したいというケースに選択されることが多いです。どちらも家庭裁判所への申述が必要で、相続開始を知った日から3ヶ月以内が期限となります。なお、相続放棄は1人で行えますが、限定承認は相続人全員の同意が必要です。

被相続人の準確定申告

被相続人に一定の収入がある場合は、本人の代わりに相続人が確定申告を行います。準確定申告は、相続開始を知った日の翌日から4ヶ月以内が期限です。なお、被相続人が亡くなった年の年金が400万円以下、または給与以外の所得が20万円以下の時は、申告は必要ありません。

ただし、所得税の医療費控除を受けられる可能性があるため、生前に入院費を払っていた場合は申告をおすすめします。

遺産分割協議書の作成

被相続人が遺言書を作成していなかった場合、遺産の分け方を相続人全員で話し合わなければなりません。この話し合いを「遺産分割協議」と呼びます。話し合いが終わったあとは、遺産分割協議書を作成します。

遺産分割協議書に作成期限は設けられていませんが、相続税申告や相続登記を行う場合、遺産分割協議が成立している必要があります。したがって、相続税の申告・納付期限までに遺産分割協議書の作成は終わっていなければなりません。

相続税申告と納付

相続税の申告・納付期限までに遺産分割が決まっていない場合、法廷相続分通りに遺産分割したとみなして、未分割のまま申告しても問題ありません。ただし、遺産分割が決まったあとは、必ず修正申告または更生の請求を行います。

修正申告は税金を少なく申告していた場合に、更正の請求は税金が過大である場合に必要です。
なお、相続税の申告・納品は、相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内が期限となります。期限を過ぎると延滞税や無申告加算税などが発生するため、早めに対応することをおすすめします。

実家の相続登記

相続した実家は相続登記が必要になるため、管轄する法務局に申請します。現在、相続登記の期限はないので、登記申請は相続税申告のあとでも問題ありません。しかし、後回しにするとそのまま申請を忘れたり、放置してしまったりすることも多いため、できるだけ早めに申請することをおすすめします。

なお、実家の相続登記に必要な書類は、以下の通りです。市町村によって、書類取得にかかる料金は異なります。

法務局または法務局HPで入手する書類 ・相続登記申請書(無料)
・登記事項証明書(オンライン請求・窓口交付は480円)
市町村役場で入手する書類 ・被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本(1通450円)
・被相続人の住民票除票(1通200〜300円程度)
・相続人全員分の戸籍謄本(1通450円)
・相続人全員分の印鑑証明書(1通200〜300円程度)
・実家を相続する人の住民票(1通200〜300円程度)
・固定資産評価証明書(1通300円程度)
自分で用意する書類 ・遺言書または遺産分割協議書
・相続関係説明書(戸籍謄本の原本還付が必要な場合)

実家を相続する場合に気をつけたいポイント

実家相続の注意点

実家を相続する際に気を付けるべきポイントとして、以下の2つが挙げられます。

実家を相続した後、放置すると様々なトラブルにつながります。最終的には、法的なペナルティを受けることになるため注意が必要です。

放置しない

実家を相続したものの、誰も住まずにそのまま放置してしまうケースはよくあります。しかし、実家を放置すると、下記のようなトラブルになる危険性が高いです。

台風などで塀が倒れたり、物が飛んだりすると、加害責任を負わなければならないこともあります。さらに、特定空き家に指定されると「空き家対策の推進に関する特別措置法」と呼ばれる法的なペナルティを課されることになりました。

特定空き家とは、老朽化が進み景観を損ねていたり、衛生上有害になる恐れがあったりする空き家です。特定空き家と指定されたあとに自治体からの勧告を受けた場合、固定資産税減免の解除や命令違反の過料が科されるだけでなく、取り壊し費用などを請求されることもあります。

解体は慎重に判断する

実家を相続したあとに、家屋だけすぐ解体するのは避けましょう。家屋を撤去すると相続人の間でトラブルが生じにくく、管理も不要ですが、土地の固定資産税が高くなる可能性があるためです。

また、複数の相続人がいる場合は、実家に住みたいと思っている人がいるかもしれません。すぐに解体してしまうと、選択肢自体がなくなってしまいます。そのため、家屋は本当に必要ないか、土地の固定資産税はどれくらい増えるかなど、しっかり検討してから行動に移すことが大切です。

実家を相続した際の選択肢

相続後の選択肢

実家を相続した後の選択肢として、以下の4つが挙げられます。

  • 実家を相続し貸し出す
  • 相続後売却する
  • 相続を放棄する
  • 更地にして土地活用をする

実家に住む人がいなければ、そのまま貸し出したり、売却したりする方法があります。相続自体を放棄するのも1つの手です。立地や相続人の意見などを考慮し、適切な方法を選択することが大切です。

実家を相続し貸し出す

実家を相続して他人に貸し出すメリットは、空き家になるのを避けられることや家賃収入を得られることです。ただし、古い実家を相続した場合は、数百万単位のリフォーム費用がかかってしまう可能性があります。

また、相続人が複数いる時でも賃貸として貸し出すことはできますが、あまりおすすめできません。共有名義での相続は権利関係が複雑になりやすく、実家を売却したい時に共有名義全員分の合意が必要になるなど、スムーズに手続きが進みづらいためです。

相続後売却する

相続後に売却するメリットは、現金になるため相続人同士で分配しやすいことです。ただし、買い手がすぐ見つかるとは限りません。

時間が経っても買い手が見つからない場合、希望の金額よりも下げなければいけないケースも出てきます。また、相続した実家を売却する時も、相続登記後でないと売却活動はできないため注意が必要です。

相続を放棄する

実家の建物や土地に資産価値がほとんどない場合は、相続放棄も1つの手です。土地活用の手間が省けますが、資産価値のない実家だけを資産放棄することは認められません。相続を放棄する際は、預貯金や借金など、全ての相続財産の権利を放棄することになります。

以下のようなケースは実家を相続しても損する可能性があるため、相続放棄を検討するべきです。

  • 実家や他の資産以上に借金がある
  • 実家が不動産価値のほとんどないエリアに位置する

もともと実家に暮らしている場合は居住用として相続する手もありますが、借金も継承しながらそこに住み続ける価値があるかどうか、しっかり考えることが大切です。

更地にして土地活用をする

家が老朽化している場合は、更地にして土地を活用する方法がおすすめです。土地活用の選択肢は多くありますが、代表的な方法として以下の3つが挙げられます。

  • アパート・マンション経営
  • 駐車場経営
  • トランクルーム経営

それぞれメリット・デメリットが異なるため、両方を考慮したうえで判断することが大切です。

アパート・マンション経営

アパート・マンション経営のメリットは、資産になることや節税できる場合があること、安定した収入が期待できることなどです。アパート・マンション経営の場合、その土地も自分の所有物となります。

そのため、仮に建物が古くなって価値が低くなっても、土地の価値は残り続けます。また、相続税や固定資産税、減価償却による所得税を節税できる場合があることも大きなメリットです。家賃収入が短期間で暴落するリスクも低く、安定した収入を期待できます。

しかし、共有部分の修繕費が発生することや災害などのリスクがあること、イニシャルコストとランニングコストがかかることなどがデメリットです。アパート・マンション経営の場合、修繕費が予想よりも高額になることがあります。

また、どんな建物でも災害リスクは避けられません。共用部の火災保険や地震保険の加入は、オーナーが行います。火災保険はローンを組んでいる場合は必須ですが、地震保険は任意で火災保険よりも高額です。しかし、地震保険に加入せず地震によって共用部に修繕が発生すると、全て負担することになるため注意が必要です。

駐車場経営

駐車場経営のメリットは、安定した収入が期待できることや投資リスクが低いこと、転用しやすいことなどです。コインパーキングは運営会社に土地を一括賃貸する形式を取る人が多く、毎月運営会社から固定の賃料が入ります。また、アパート・マンション経営のように建物が必要ないため、投資リスクが低いです。

特に月極駐車場は、舗装費、コンクリートブロック、ライン引きにかかる費用などで済むため、他の土地活用に比べて初期費用が抑えられます。更地に戻す際も撤去費用が少なく、他の土地活用を始めやすいです。

しかし、デメリットとして、収益が比較的低いことや税制面で優遇されにくいことが挙げられます。土地活用は、投資額が大きくなるとハイリスクになる一方で、収益はハイリターンになるケースが多いです。駐車場経営は投資額が少ないローリスクの事業なので、収益も低くなります。また、固定資産税や都市計画税などの減税を受けられないため、節税効果が目的の場合はおすすめできません。

トランクルーム経営

トランクルーム経営のメリットは、他の土地活用よりも始めやすいことや初期費用が抑えられること、転用しやすいことなどです。トランクルームを設置するだけなので、アパート・マンション経営よりも初期費用が大幅に抑えられます。

また、土地の形や日当たりの有無も関係ありません。駐車場と同様、転用もしやすいです。しかし、デメリットとして、収益化までに時間がかかる場合があることや税制面で優遇されにくいこと、収益が比較的低いことなどが挙げられます。

トランクルームの需要は増えてきていますが、駐車場や賃貸と比べるとまだ低いのが現状です。扱っている仲介会社も少ないので、思ったより契約者が増えないことがあります。固定資産税や都市計画税の減免を受けられないため、節税効果がない点にも注意が必要です。

他の土地活用方法が知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。

実家相続で土地活用をしたいなら

今回は、実家の相続はどうするべきかについて詳しく解説しました。実家の相続が決まったら、さまざまな手続きが発生します。申請や納付に期限が設けられている場合も多いので、早めに始めることが大切です。

実家を相続すると損するケースもあるため、しっかり検討する必要があります。また、相続しても住む人がいない場合でも、他人に貸し出したり、土地活用をしたりするなど、放置するのは絶対に避けるべきです。

建物の老朽化が進んで危険性があると判断されると、特定空き家に指定される可能性があります。それでも放置し続けると、法的なペナルティが課されるため注意が必要です。「土地活用をしたいけど、どの方法が良いのか分からない」「土地活用の始め方が分からない」など、お悩みの場合はお気軽にご相談ください。

監修者情報

高坂 昇

高坂 昇ou2株式会社 専務取締役 一級建築士

木造密集地域や防火地域において、木造ならではの施工性や設計の柔軟性、コストパフォーマンスを活かして木造耐火4階建て住宅(もくよん®)や、災害時の避難場所となる地下室や屋上を備えた災害住宅も提唱しています。

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