小林 眞一郎 ou2株式会社 常務取締役 二級FP技能士
都内の空き地や相続した土地などの活用方法として「賃貸マンション・アパート経営」を検討している方もいると思います。
今回は、東京でマンションオーナーを目指す方へ、賃貸経営を成功させるためのポイントについて、賃貸マンションの施工実例も紹介しながら解説します。
賃貸経営のメリット・デメリットや東京都内でマンション・アパート経営に向いた土地・エリアの傾向も解説しますので、ご自身の土地に最も有効な活用方法の検討にお役立てください。
賃貸マンション・アパート経営は、最もポピュラーな土地活用の一つです。
賃貸経営は、部屋を貸し出すことで、長期的に安定した家賃収入を得られます。
建物の建築費などの初期費用はかかりますが、節税効果が高く、長く続けられる土地活用法です。
賃貸経営の他にも、オフィスビルや貸店舗、駐車場、トランクルーム、看板設置など、さまざまな土地活用方法があります。
その他の土地活用法については、過去のコラムで詳しく解説していますので、合わせてお読みください。
ところで、「マンション」と「アパート」がどう違うかご存知でしょうか?実は、両者には明確な定義はありません。
例えば、ある不動産会社では、構造が重量鉄骨造やRC造・SRC造の場合はマンション、木造・軽量鉄骨造の場合はアパートと表記しています。この場合は、アパートの方が建築コストが低いため、家賃も安いと予想できます。
他には、3階建て以上をマンション、2階建てをアパートと呼んでいる会社もあります。この場合は、構造で分類していないので、アパートかマンションかの違いによる家賃の違いは現れないかもしれません。
オーナーによっては、アパートよりマンションと呼んだほうが、入居者募集に有利と考える人もいます。
このように、あくまでも、住宅を提供する側がどう呼ぶかという違いになります。
土地に住宅を建築する場合、他人に貸す目的でも、固定資産税や都市計画税を軽減する制度を利用できます。
さらに、土地を相続する場合に相続税評価額を下げて、実際に支払う税金を少なくできる点がメリットです。
詳しくは過去のコラムで解説していますので合わせて参考にしてください。
賃貸マンション・アパート経営は、一度入居すると安定して継続的に収入が得られます。
さらに、単に収入が増えるだけでなく、事故など万一があり働けなくなったときや、老後の生活を支える保険や年金としての機能も期待できます。
マンション・アパートに限らず賃貸物件の経営では、常に空室リスク(入居者がなく家賃収入が得られない)があることを忘れてはいけません。
空室リスクを減らすためには、
など、さまざまな視点を踏まえた賃貸物件の建築・経営手腕が必要です。
賃貸物件では、家賃の滞納が発生するリスクもあります。
また、騒音や異臭などが原因で、入居者同士や近隣同士でトラブルが起きた場合の対応も行わなければなりません。
賃貸マンション・アパートは、定期的なメンテナンスが必要です。数年~数十年単位で、部分的な修繕や老朽化による建て替えの必要が出てきます。
賃貸物件を建築する際は、建築後の定期点検・メンテナンスの時期・種類や、それぞれのタイミングでかかる費用なども見積もっておきましょう。
アパート・マンション経営のデメリットでも挙げましたが、賃貸物件は物件や立地の条件が悪ければ、空室が増えて経営に失敗してしまうリスクがあります。
そのため、土地活用の際には、その土地がマンション・アパート経営に適しているかどうかをしっかりと見定める必要があります。
① 人口が増加傾向
土地があるエリアの人口が増加傾向にあるなら、新しく移住する人も多いので賃貸ニーズも高いことが予想できます。
② 交通アクセスが良い
最寄り駅やバスターミナルまでの距離が近いエリアは、通勤・通学に便利なため賃貸住宅のニーズが高くなります。
③ 生活インフラが整っている
コンビニ・スーパー・ドラッグストアなど、日常生活に欠かせない店舗や商業施設が近くにあるエリアは、住みやすさ・生活の利便性が高く賃貸ニーズも高まります。
④ 学校や大企業が近くにある
小中学校、保育園などが多いエリアは、2〜4LDKの子育て世帯向けの賃貸住宅ニーズが高くなります。また、専門学校や大学、大きな工場・医療介護施設(従業員が多い会社)の多いエリアは、単身世帯のためのワンルームや1K〜1LDKの賃貸ニーズが高くなると予想できます。
⑤ 競合物件の数が少ない
同じエリアにあるマンションやアパートがもともと多いエリアは、賃貸物件を探す人の選択肢も多いため、入居者を獲得するには周囲との差別化など、より多くの工夫が必要になるでしょう。逆に、賃貸ニーズが多そうでまだ競合が少ないエリアなら、すぐに入居者が集まる可能性が高くなります。
⑥ 災害のリスクが低い
土地活用にあたっては、エリアのハザードマップは必ずチェックしておきたいポイントです。ハザードマップは自治体のホームページなどで公開されていて、浸水予想区域、土砂災害のリスク、津波、高潮のリスク、地震の被害程度、範囲などが調べられます。
災害リスクが高い土地は、土地の所有者はもちろん、居住者にとってもリスクが高いため、よりリスクの少ない立地の物件に人気が集まってしまう可能性があります。
⑦ 中高層のマンションが建築できる
賃貸ニーズが多いエリアなら、より戸数の多いマンションを建てられる土地であれば高収益を目指せます。都市計画法の用途地域の違いなどにより、建物の高さ制限があるケースに注意が必要です。
次に、東京でマンション・アパート経営で土地活用を成功させるために欠かせない、建築会社選びのポイントを解説します。
賃貸物件を建てるなら、3階建て以上の建築実績の豊富な会社を選びましょう。
また、木造、鉄骨造(S造)、RC造や混構造など、選べる構造が多い会社なら、土地に合わせた設計力があるため希望の建物を予算内で建てられる可能性が高くなります。
土地がある地域で長年、住宅やビルの設計施工や不動産仲介を行っている会社なら、エリアのニーズや同業種の情報も蓄積されています。
エリアの特徴や現状の需要などを総合的に分析し、競合と差別化できる賃貸物件を提案してくれるでしょう。
賃貸経営の成功は、建ててからの管理にかかっているといっても過言ではありません。マンション経営では「空室リスク」や「家賃滞納」などの不安要素があるため、賃貸管理の方法まで提案してくれる会社が安心です。
賃貸管理の方法は、
などがあります。
中でも、①のサブリース方式は、毎月一定の収入が得られるためマンションオーナーにとってリスクを減らす最善の選択となります。
M-LINEでは自社で賃貸物件を一括管理し、オーナー様のリスクを最大限減らせるプランをご用意しております。
今回は、東京都内で賃貸マンション・アパート経営による土地活用を成功させるためのポイントについて解説しました。
賃貸マンション・アパート経営の成功には、土地の条件や制約・建築コストやメンテナンスコストのバランス、エリアの特徴や需要、国や世界の情勢など、さまざまな要素が関わってきます。
土地に合わせた柔軟な構造を選択でき、コストバランスの良い設計・デザイン性の高い建築ができる建築会社を選ぶことで、初期コストを最適化し、収益性の高い賃貸物件を建てられます。
また、物件を建てた後の賃貸管理まで行うアフターフォロー体制があるかどうかも重要なポイントです。
2024/11/29
2024/11/29
2024/11/29