木造アパート物件の収益化はおすすめ?高収益にするポイントを解説

木造アパート物件の収益化はおすすめ?高収益にするポイントを解説

「木造アパートの収益化はおすすめなの?」
「木造アパートを高収益にするためのポイントは?」
「木造アパート経営のリスクはなに?」

木造アパート物件の収益化を考えている方は、このような疑問があるのではないでしょうか。木造アパートには、投資総額を抑えられたり、節税効果を期待できたりなどのメリットがあります。

一方で、騒音トラブルが発生しやすいなどのデメリットにも目を向けることが大切です。

この記事では、木造アパート投資の魅力やリスク、木造アパートを収益物件にする際の初期費用などについて詳しく解説しています。木造アパートの収益化に興味がある方は、ぜひ参考にしてみてください。

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木造アパート投資の魅力とは?3つのポイント

木造アパート投資の魅力とは?3つのポイント

木造アパート投資の主な魅力は、以下の3つです。

  • 1.投資総額を抑えられる
  • 2.節税効果がある
  • 3.高利回りを期待できる

それぞれ順に詳しく解説していきます。

1.投資総額を抑えられる

木造アパート投資の大きな魅力は、鉄筋コンクリート造(RC造)や鉄骨造などの物件に比べて、建築コストや購入コストが抑えられる点です。木造は建物の重量が軽いため、基礎工事や地盤改良にかかるコストが比較的少なくて済むことが理由です。

さらに、木造は他の建材に比べて安価なうえ加工も容易なので、建材費と人件費の両方を削減しやすいといった特徴があります。以下は、構造種別に建築費用が安い順に並べたものです。

  • 木造
  • 鉄骨造
  • 鉄筋コンクリート造(RC造)
  • 鉄骨鉄筋コンクリート造

木造アパートは初期投資を抑えられるため、他の設備やデザインに予算を割り当てる余裕が生まれます。たとえば、最新の設備を導入することでアパートの魅力を高め、入居者のニーズに応えることができます。また、内装や外観のデザインにこだわることで差別化を図り、入居者の獲得につなげることも可能でしょう。

「投資総額をできるだけ抑えたい」「初期費用を少なくしたい」といった方には、木造アパート投資がおすすめです。

2.節税効果がある

木造アパート投資は節税効果が高い点も大きな魅力です。木造アパートは法定耐用年数が他の構造物件よりも短いため、減価償却費を多く計上できることが理由です。

住宅用の鉄筋コンクリート造(RC造)の法定耐用年数は47年ですが、木造住宅は22年と短く設定されています。結果的に、木造物件は毎年計上できる減価償却費が増加し、所得税を効果的に減らすことができるのです。

減価償却費の計算方法は、以下を参考にしてください。

減価償却費=取得価額×0.9×償却率×経過年数

※1年未満の端数は、6月以上は1年、6月未満は切り捨てて計算

なお、中古の木造アパート物件を購入した場合は、さらに節税効果が高くなります。

3.高利回りを期待できる

木造アパート投資は、高利回りを期待できる点も魅力です。

利回りとは、不動産投資や株式投資で用いられる指標の一つで、投資額に対して年間で得られる利益の割合を表します。たとえば、100万円を投資して1年で1万円の利益を得た場合、利回りは1%です。

アパート経営における利回りは、物件価格(投資額)に対する年間家賃収入(利益)の割合で計算します。また、アパートの利回りには、以下のような傾向があります。

  • 新しい物件は利回りが低く、古い物件は利回りが高い
  • 都心は利回りが低く、田舎は利回りが高い
  • 価格が高い物件は利回りが低く、安い物件は利回りが高い

前述したとおり、木造アパートは他の構造物件に比べて購入価格を抑えられるため、高い利回りを期待できます。しかし、利回りが高いからといって必ずしも利益が多いわけではない点には注意が必要です。なぜなら、中古の木造アパートを安価で購入しても、空室が続けば収益が出ず、むしろ維持費や修繕費がかさむ可能性があるからです。

アパート経営における利回りについてより詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。

木造アパート経営で考えられるリスクと対策

木造アパート経営で考えられるリスクと対策

木造アパート経営には、以下のようなリスクも存在します。

  • 1.老朽化リスク
  • 2.空室リスク
  • 3.騒音リスク
  • 4.耐久リスク
  • 5.景気リスク

それぞれのリスクや対策方法について、詳しく解説していきます。

1.老朽化リスク

木造アパートの1つ目のリスクは、老朽化しやすいことです。

木材は日光や雨に弱く、他の建材に比べて劣化が早い傾向があります。また、シロアリなどの害虫被害も、木造物件特有のリスクです。害虫が建物に侵入すると、構造の耐久性や耐震性が低下し、大規模な修繕が必要になる場合もあります。

木造アパートを購入する際は、老朽化のリスクを認識し、定期的な点検とメンテナンス計画を立てることが重要です。予期せぬ修繕費にも対応できるよう、資金面の備えをしておくことも欠かせません。

2.空室リスク

2つ目のリスクは、空室が出やすい可能性があることです。

需要の高い物件は、駅前や商業施設の近くなど、利便性の高いエリアに集中しています。しかし、木造アパートは好立地に建設されることが少ない傾向があります。なぜなら、国や地方自治体が定める用途地域の影響を受け、高層マンションは駅前に建てられ、木造アパートや戸建て住宅は駅から離れた場所に建てられることが多いためです。

また、木造アパートは耐震性や防音性が低いというイメージを持つ入居者も多く、敬遠されやすいことも理由です。

空室リスクをできるだけ避けるためには、競合との差別化を図ると効果的でしょう。たとえば、入居者に好まれる設備やサービスを導入する方法があります。以下は、入居者から人気のある設備の一例をまとめたものです。

  • エアコン
  • モニター付きインターホン
  • 無料・高速インターネット
  • 室内洗濯機置き場
  • お風呂の追い焚き機能
  • オートロック
  • 宅配ボックス
  • 温水洗浄便座 など

費用対効果が高く、ターゲットとなる入居者のニーズにも合っている設備を導入することが大切です。空室リスク対策についてより詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。

3.騒音リスク

木造アパートの3つ目のリスクは、騒音問題が発生しやすいことです。

木造は、鉄筋コンクリート造(RC造)などと比べると、騒音が響きやすいことが懸念点です。複数世帯が生活するアパートは、騒音が響くことでプライバシーの問題が発生する可能性があります。入居者によっては、トラブルが起きるリスクも考えられるでしょう。

オーナーができる防音対策としては、以下のような方法が挙げられます。

  • 床や壁を二重構造にする
  • 窓やドアの隙間に遮音テープを貼る
  • 防音のカーテンを取り付ける
  • 遮音性のあるマットを床材の下に入れる など

木造アパートを経営する際は、防音対策を取り入れ、トラブルを未然に防ぐことが大切です。

4.耐久リスク

木造アパートの4つ目のリスクは、鉄骨造や鉄筋コンクリート造(RC造)と比べて耐久性が劣ることです。国土交通省の定めによると、構造別の減価償却資産の耐用年数は次のとおりです。

  • 木造:22年
  • 鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造(RC造):47年

耐用年数が必ずしも物件の寿命を示すわけではありませんが、木造物件は耐用年数が短いため、修繕やメンテナンスが頻繁に必要になる可能性が高くなります。また、長期的な運用を考えた際に、資産価値の維持や再投資のタイミングを慎重に見極める必要があるといえます。

木造アパートの耐久性を維持するためには、外壁や屋根塗装の更新、害虫対策、雨漏りや湿気による腐食を防ぐための定期的なメンテナンスなどが不可欠です。

5.景気リスク

木造アパートの5つ目のリスクは、景気に左右されやすいことです。

景気が良いときは住宅需要が高まり、入居者が増える傾向にあります。しかし、景気が悪化すると入居希望者が減少し、空室が増える可能性が高まります。

特に木造アパートは鉄筋コンクリート造(RC造)や鉄骨造と比べて耐久性や設備の点で見劣りしがちなため、築年数が経つにつれて敬遠されやすいといった課題もあります。

以下は、景気リスクを軽減するための具体的な対策です。

  • 景気に影響されにくいエリアの物件を選ぶ:学生や高齢者が多く、需要が安定している地域では、景気変動に関係なく一定の入居需要が期待できます。
  • 設備のアップグレードやメンテナンスを行う:定期的に物件の設備を最新のものにアップデートし、入居者が長期間住みたくなる環境を整えることで、空室リスクを減らします。

木造アパートを収益物件にする際の初期費用

木造アパートを収益物件にする際の初期費用

ここからは、木造アパートを収益物件にする際の初期費用の目安を紹介します。

木造アパートを購入する際には、物件費以外にもさまざまな初期費用がかかります。大体の目安を把握することで、アパート経営を具体的に検討しやすくなるでしょう。

1.建築費または購入費

木造アパートの建築費の目安は、坪単価×坪数で計算できます。木造アパートの坪単価目安は、以下のとおりです。

2階建て 75万円~100万円ほど
3階建て 80万円~110万円ほど

たとえば、延床面積が70坪の2階建てアパートの建築費用の目安は、5,250万円〜7,000万円となります。

一方、木造アパートを購入する場合の購入費は、立地や築年数、設備の状態などによって大きく異なるため、一概には示せません。以下は、2024年10月時点での実際の木造アパートの販売価格の一例です。

エリア 販売価格 平物件情報
東京都足立区 約8,500万円 ・3階建、9戸
・築10年
・駅から徒歩10分
東京都日野市 約3,500万円 ・2階建、8戸
・築37年
・駅から徒歩5分
さいたま市見沼区 約2,800万円 ・2階建、6戸
・築34年
・駅から徒歩12分
横浜市神奈川区 約6,000万円 ・2階建、6戸
・築4年
・駅から徒歩5分

2.諸経費

アパート経営の初期費用には、建築費や購入費以外にもさまざまな諸経費がかかります。以下は、主な諸経費の目安です。

  • 登記費用:20~50万円ほど
  • 不動産所得税:アパートの固定資産税評価額×3%
  • 各種保険料:30~50万円ほど(10年一括払いの場合) など

そのほかにも、仲介手数料や印紙税、ローン関連費、設備導入費、リフォーム費などさまざまな諸経費が発生します。諸経費は購入する物件によって大きく異なるため、事前に正確な見積もりを行い、資金計画をしっかりと立てることが大切です。

収益物件にする木造アパートの初期費用を最小化するための対策

収益物件にする木造アパートの初期費用を最小化するための対策

最後に、収益物件用の木造アパートの初期費用を最小限に抑えるための対策を3つご紹介します。

  • 1.間取りや外観をシンプルにする
  • 2.多数の業者のプランを比較する
  • 3.補助金が活用できないか調べる

順に解説していきます。

1.間取り・外観・設備をシンプルにする

間取りや外観、設備をシンプルにすることで、アパートの建設にかかる費用を低く抑えられます。シンプルな間取りや外観は、建材費のコストダウンにつながるため、無駄な支出を削減できることが理由です。

たとえば、水回りやパントリーなど、なくてもよいドアや部品はできるだけ削減すると良いでしょう。また、収納やカウンタースペースなどの造作を増やすとオプション料金が発生するので、本当に必要なものだけを選ぶことが大切です。壁やドアの数が少ないワンルームを採用すれば、建材費を抑えやすくなります。

なお、アパートを購入してリフォームする際にも、同様のアプローチが有効です。無駄な機能を省いたシンプルな設計を選ぶことで、改装費用も最小限に抑えることができ、投資の回収を早めることができます。

2.多数の業者のプランを比較する

木造アパートの建築費を抑えるためには、複数の業者のプランを比較することが重要です。なぜなら、ハウスメーカーや工務店ごとに、得意とする設計や構造・工法、デザイン性が異なるため、最適な選択肢を見つけることがコスト削減につながるからです。

たとえば、構造や設計がしっかりしていても建築費が高い業者がある一方、料金が安くてもデザイン性が劣る場合もあります。設計・構造・工法・デザイン・料金・サポートの各要素を比較し、コストを抑えつつ、入居者にとって魅力的なアパートを建築することが大切です。

見積もりやプラン設計は多くの業者で無料で提供されているため、積極的に複数の業者のアイデアやプランを収集しましょう。また、アパート経営は長期的なものなので、担当者との相性やサポート体制の充実度も重要なポイントです。

3.補助金が活用できないか調べる

自治体や国から提供される補助金を活用することで、初期投資を軽減できる可能性があります。

以下の表は、木造アパートに活用できる補助金の一例をまとめたものです。

補助金の種類 内容 限度額
地域型住宅グリーン化事業 資材供給、設計、施工などの連携体制により、地域材を用いて省エネ性能などに優れた木造住宅(ZEH等)の整備などに対して行われる支援 140万円
LCCM住宅整備推進事業 建設時のCO2排出量も含め、ライフサイクルを通じてのCO2の収支をマイナスにする住宅に対して行われる支援 140万円
子育て支援型共同住宅推進事業 子どもの安全・安心を守るために、事故防止や防犯対策を取り入れた住宅の新築や改修に対して行われる支援 子どもの安全確保に資する設備の設置:100万円
居住者等による交流を促す施設の設置:500万円

木造建築は、環境や省エネに関連する支援制度がある場合も多いので、該当する助成金を積極的に調べましょう。

まとめ:木造アパート物件の収益化はM-LINEにご相談を!

この記事では、木造アパート投資の魅力やリスク、収益物件として運用する際の初期費用などについて詳しく解説しました。

木造アパートには、初期費用が抑えられることや、節税効果が高いといったメリットがありますが、老朽化や騒音対策といったデメリットも十分に理解しておく必要があります。

さらに、木造アパートの建築費用や購入費用は、立地、規模、設備によって大きく異なるため、具体的に検討する際は専門家への相談が不可欠です。

「木造アパート経営に興味がある」「リスクが不安だが興味がある」という方は、ぜひ一度M-LINEにご相談ください。M-LINEでは、専門知識を持ったプロが個別の状況に応じた提案やサポートを提供しております。

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執筆者情報

小林 眞一郎

小林 眞一郎 ou2株式会社 常務取締役 二級FP技能士

ou2株式会社 常務取締役 二級FP技能士

監修者情報

高坂 昇

高坂 昇 ou2株式会社 専務取締役 一級建築士

木造密集地域や防火地域において、木造ならではの施工性や設計の柔軟性、コストパフォーマンスを活かして木造耐火4階建て住宅(もくよん®)や、災害時の避難場所となる地下室や屋上を備えた災害住宅も提唱しています。

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