小林 眞一郎 ou2株式会社 常務取締役 二級FP技能士
家賃収入を得ることができれば、生計を立てやすくなり資金にも余裕ができます。実際に、家賃収入で生計を立てている人も一定数存在します。
しかし、家賃収入で生計を立てるポイントや仕組みについて理解していないと、損失を出してしまう恐れもあります。
今回は、家賃収入の仕組みや生計を立てるポイント、実際の失敗例なども解説します。この記事を参考にして、失敗を未然に防止しつつ、家賃収入で生計を立てられるように工夫しましょう。
家賃収入とは、家やアパート、不動産などの資産を貸したときに得られる収入のことです。家賃収入では、物件の取得価格や修繕、税金などの経費が含まれているため、そのままの金額が利益となるわけではありません。
ただ、家賃収入は受動的な収入であるため、自分が不在のときや積極的に関与していないときでも安定的な収入を得られるのがメリットです。
しかし、積極的な参加や労力は必要ありませんが、賃貸物件を維持するためには多くの労力が必要です。修繕費の支払い、リスクと安全性の評価、現行の規制や税金への対応なども考えなければいけません。
家賃収入の仕組みの流れは、下記の通りです。
家賃収入の流れは、かなりシンプルです。まず、大家さんが賃貸物件を購入し、入居者を募集します。そして、大家さんが物件の家賃を設定し、入居者から家賃を徴収し、税金や物件にかかる運営費などを支払います。そして、残ったお金が純利益または所得とみなされます。
家賃収入で生計を立てるためには、適切な物件を購入することが必要です。物件を選ぶ際には、期待できる収益とテナントの有無に基づき決定しなければいけません。物件の種類としては、一棟マンション・区分マンション・アパートなどが挙げられます。
物件の立地としては、近くに病院や学校、交通機関などがあるかどうかが重要です。また、犯罪率の低い場所であることも重要です。物件の選定や申し込みの他に融資審査の手続きをしたり、自己資金でアパートや家を購入したりする必要があります。
物件を購入したら、入居者を見つけることが重要です。責任ある入居者を確保するために、徹底した応募と審査プロセスを構築する必要があります。入居が確定したら、賃貸条件を記した契約書にサインしてもらいます。
また、入居者は自分で集めるよりも、不動産会社に依頼したり、管理業務まで含めて外部委託するのが一般的です。
入居者による入金があって、初めて家賃収入を得ることができます。ただ、不動産経営は家賃滞納リスクがあるため注意が必要です。家賃滞納リスクを減らすためには、家賃の支払状況を把握し、滞納があった場合は、速やかに対処しなければいけません。
家賃の滞納が続いた場合には、最終手段として差し押さえや立ち退きも検討することが大切です。
また、物件管理を業者に依頼している場合には、家賃全てを受け取れるわけではなく、管理費用や手数料、経費が差し引かれた金額が振り込まれます。
家賃収入で生計を立てていくメリットとしては、下記4つが挙げられます。
不動産を賃貸することは、家賃収入で生計を立てる上で非常に有効な手段です。家賃収入の大きなメリットは、他の投資方法のように株式市場や景気の変動に左右されず、安定した収入機会が生まれることです。
また、賃貸物件を複数取り扱うことができれば、賃貸物件からの収入を再投資する「レバレッジ効果」の恩恵も受けられます。レバレッジ効果により、投資額を増やすことができるのも、家賃収入のメリットです。
最後に、居住用または商業用不動産を賃貸することで、不動産(賃貸)にかかる費用を控除し、減価償却費や借入利息などの経費を計上することができます。
家賃収入で生計を立てていくデメリットとしては、下記3つが挙げられます。
家賃収入で生計を立てるには、いくつかのリスクがあります。代表的なものとして、空室リスクが挙げられます。空室が生まれることで、物件の入居者が決まらず、大幅な収入減になる可能性が高いです。
さらに、家賃滞納のリスクもあります。入居者が家賃を滞納し、家賃を回収できない場合には大きな損失に繋がってしまいます。
また、不動産の価値は常に一定ではありません。時間の経過とともに不動産の価値が下がり、家賃収入が減少する可能性があります。不動産価値を長期間保ち続けるためには、定期的に修繕しなければいけません。修繕費だけでなく、税金やその他賃貸物件の管理に関わる費用が発生する可能性があるため、事前に理解しておくことが大切です。
マンション経営で家賃収入を検討されている方はお問い合わせください。
家賃収入には、状況に応じてさまざまな税金が課せられます。一般的に、不動産賃貸の運営には以下のような税金が課せられます。
家賃収入で生計を立てるためには、どんな税金がどのぐらいかかるのかを理解しておくことが大切です。
所得税・住民税は家賃収入はもちろん、すべての収入に対して発生する税金です。所得税率は累進課税により所得の金額に応じて段階的に高くなります。所得税は、1年間で得た所得に対して課税され、所得が多くなるほど税金の金額も高くなります。家賃収入を申告しないと、深刻な財政難に陥る可能性があるため注意しましょう。
また、地域によっては、家賃収入を得た人は住民税がかかります。住民税は、地域の事業やインフラ整備などのために使われる地方税です。所得に応じて課税される税金で、1月1日時点で住民票がある自治体に納めなければいけません。
物件が居住用の家屋の賃貸や土地の賃貸借の場合には、消費税はかかりません。オフィスや店舗など事業用賃貸物件の場合は、課税対象の取引となります。
また、事業用賃貸物件の不動産収入が1000万円を超えた場合には、消費税課税事業者届出手続きが必要となります。
固定資産税は、毎年1月1日時点で住宅やマンション、土地などの固定資産を所有している人に課される税金です。固定資産税額は、その地域の不動産の評価額に基づいて、税率が適用されます。支払うタイミングは、自治体によっても異なりますが、1年に1回支払わなければいけません。
固定資産税の評価は3年に一度見直しされています。また、固定資産税は、土地の価値と建物や増築などの改良されたものの価値に基づいて決められることもあるため注意が必要です。
不動産取得税とは、不動産を人から人へ譲渡する際に課される税金です。不動産を取得した時のみ発生する税金のため、固定資産税のように毎年支払い義務が生じるわけではありません。
不動産取得税額は、土地か建物かによって計算方法が異なります。具体的な計算式としては、下記を参考にしてください。
例えば、取得した建物の固定資産税評価額が2,000万円だった場合、建物の不動産取得税額は80万円となります。それぞれの固定資産税評価額がいくらかによって、不動産取得税額が異なることを理解しておくことが大切です。
家賃収入で生計を立てるやり方のポイントは、下記の2つです。
家賃収入で生計を立てるには、毎月安定した現金が入ってくるようにすることが大切です。そのためには、不動産投資の基本や法則を理解する必要があります。
受け取る家賃の額、税金や管理費などの毎月の費用、毎月の純キャッシュフローを計算できるようにしておかなければいけません。不動産投資の基本を理解しておくことで、家賃収入で生計を立てやすくなります。
家賃収入で生計を立てるなら、物件購入前にキャッシュフローを計算しておくことが大切です。キャッシュフローとは、収入・支出といった不動産投資をする上でのお金の流れのことです。
安定的に収入を得るためには、どれくらいのキャッシュが得られるか事前に確認しておかなければいけません。キャッシュフローによって、購入する物件が変わる可能性もあります。
例えば、毎月受け取る家賃が、物件を維持・管理するための経費を上回っているかどうかを確認しましょう。キャッシュフローを計算し、利益がほとんど残らないのであれば、他の物件購入を検討しなければいけません。
また、税金や保険料などの物件に関連する費用も考慮する必要があります。物件に関連する費用は、毎月の家賃収入から差し引かなければいけないからです。
不動産投資には多くのリスクが伴うため、不動産投資の基礎知識を身に付けておくことが大切です。一戸建て、集合住宅、バケーションレンタル物件など賃貸物件の種類を理解するだけでなく、それぞれから得られる家賃収入の見込みを計算しておくようにしましょう。
また、不動産オーナーとして、物件選びのポイントや注意点などの知識を身に付けることも重要です。不動産投資の知識習得の場としては、セミナーやウェビナーなどをおすすめします。
他にも、インターネット上で検索すれば無料で知識を得ることもできるため、積極的に活用しましょう。不動産投資の知識を身に付けておくことで、正しい物件選びができるだけでなく、適切な管理ができるようになり、安定収入に繋げられます。
家賃収入で生計を立てられなかった失敗例としては、下記3つのケースを参考にしてください。
家賃収入で生計を立てようとする際に陥りやすい失敗例として、信頼性の高い賃貸物件のポートフォリオを構築できていないことが挙げられます。家賃収入を安定的に確保するためには、適切な物件と市場に投資することが不可欠です。
また、現実的な目標を設定し、達成可能な一定の収入レベルを目標とすることも重要です。実際の失敗例を参考にして、同じ失敗を繰り返さないようにしましょう。
家賃収入で生計を立てようとする人が陥りやすい失敗例としては、家賃の滞納や空室などのリスクを最小限に抑えるための対策をしていないことが挙げられます。家賃の滞納や空室などのリスク対策をしていないと、莫大な額の家賃の滞納や未払い、生計を立てる機会の喪失に繋がる可能性が高いです。
家賃の滞納や空室などのリスクを減らすためには、入居者一人ひとりの信用調査を必ず行い、家賃を支払うことができるかを確認することが大切です。
また、過去に家賃の滞納がないかどうかや賃貸物件へのメンテナンスが行き届いているかも確認しておきましょう。入居者の信用情報だけでなく、人間性も確認しておくことで家賃の滞納や空室などのリスクを抑えやすくなります。
家賃収入で生計を立てようとする人の失敗例として、不動産会社選びを間違えてしまうことが挙げられます。家賃収入を最大限に活用するためには、アドバイスや指導をしてくれる評判が良く経験豊富な会社と取引することが不可欠です。
不動産会社によって、物件の種類やサポート内容は異なります。最適な不動産会社を選ぶためには、自分自身が希望する内容をサポートしてもらえるかどうかを判断することが大切です。
不動産会社選びを間違えてしまうと、下記のようなリスクもあります。
優良な不動産会社に依頼するためには、実際に利用した人の多くが良い評価をしている不動産会社を探すのもおすすめです。
家賃収入で生計を立てようとする人の失敗例としては、経費にお金を使いすぎたことも挙げられます。家賃に対して、管理費や修繕費などの経費が見合っていない場合、キャッシュフローが悪くなってしまいます。
不動産投資を成功させるためには、経費を最小限に抑え、賃貸物件の価値を高めることができる設備改善に投資することが重要です。また、家賃を決める際には、経費としてどのくらいかかるかを明確にした上で、無理のない経営ができるように判断しなければいけません。
経費を使って管理や修繕をする以外にも、下記のような方法でもコスト削減に繋げられます。
安定的な家賃収入を得るためにも、常にキャッシュフローのことを考えた上で経営を進めることが大切です。
家賃収入で生計を立てることは、収入を得るためだけでなく、財産を築くための素晴らしい方法となります。しかし、不動産投資に関連する重要なポイントを理解していないと、思わぬトラブルの原因になってしまうため注意が必要です。
反対に、正しい知識と理解があれば、家賃収入で生計を立てて、経済的な目標を達成しやすくなります。
また、家賃収入を得る方法としては「マンション経営」がおすすめです。マンション経営は、他の土地活用方法よりもバランスが取れており、初心者でも始めやすいです。M-LINEでは、マンション経営実績が豊富であり、都心部での土地活用方法に関するノウハウも豊富です。ぜひご相談ください。
2025/03/31
2025/03/31
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