小林 眞一郎 ou2株式会社 常務取締役 二級FP技能士
20坪以下の土地は一般的な土地よりも狭いため、上手く土地活用できないと諦めていませんか。しかし、20坪以下の小さな土地ならではの特徴を有効的に活かすことで、収益化を目指すことができます。
本記事では、20坪の土地活用におすすめの土地活用法を紹介します。各方法のメリット・デメリットについてや、土地活用する際の注意点なども解説していきますので、自身が保有している土地に最適な方法を検討してみてください。
20坪の土地におすすめの活用法は、以下の通りです。
どの土地活用法も狭い土地を活かした方法となっているため、収益化を期待することができます。しかし、メリットだけでなくデメリットも存在することから、土地活用に失敗しないためにも両方を踏まえた上で検討することが大切です。
マンション経営は、アパート経営に比べて家賃を高く設定できるため高収益を期待できる方法となります。マンションを高層化すれば戸数も増え、その分の収入総額も多くなります。また、高層階ほど賃料単価を上げることができるため、マンション経営は高収益を狙う人におすすめの方法です。
マンション経営のメリット
マンション経営のメリットは収益性が高く、固定資産税や相続税が大幅に節税できることです。土地にマンションなどの賃貸用の建物を建てることで、固定資産税や相続税の減額につなげることができます。
また、家賃収入は物価の上昇と連動していることからインフレの影響を受けにくく景気変動に強いというメリットもあります。景気が悪化したとしても、住居は必要なものなのでニーズが無くなることもありません。
マンション経営のデメリット
デメリットは、多額の初期投資が必要なことです。土地にマンションを建築しなければならないため、多額の初期費用がかかります。管理するために必要な多額の予算もあることから、初期費用に見合ったリターンが得られるのか事前に調査することが大切です。
マンションの売却を考えている方は、リセールバリューも考慮する必要があります。リセールバリューとは、物件を売却(転売・再販)する時の価値を表します。損をしないためにも、出口戦略としてリセールバリューを視野に入れて検討するようにしましょう。
20坪以下のアパートは「狭小アパート」とも呼ばれ、マンション経営と同様に長期的に安定した収益を期待できます。ただ、アパート管理・運営する上で懸念されるのが入居者の入れ替わりです。
入居者の入れ替わりが激しいと、退去から次の入居者を受け入れるまでの時間やコストがかかるため収入が不安定になります。対策として、身元調査や選定に強固で効果的なプロセスを導入することが重要です。
アパート経営のメリット
アパート経営のメリットは、他の土地活用法に比べて高収入を得やすく安定した収益を上げられることです。固定資産税や相続税などの節税効果も期待できるため、安定性や収益性から見ても魅力の高い土地活用法です。
また、不動産所有者向けの減税措置もあるため、アパート経営を行う際にさらなる有利な条件となります。
アパート経営のデメリット
デメリットは、リフォームやマーケティング、管理業務が費用の大半を占めるため初期費用が高いことです。狭小アパートは面積が狭いといっても、初期費用は変わりません。
また、アパート経営は市場が弱く、テナントの賃貸が集中するため家賃収入が常に一定になるとは限りません。
賃貸経営とは不動産を賃貸する事業のことを指し、賃貸料を収益源とする点で共通しています。不動産の賃貸には、住宅以外にも事務所ビルや店舗などさまざまです。
賃借人の選定などの賃貸借を媒介する事業については、宅地建物取引業の許可が必要となります。
賃貸経営のメリット
賃貸経営のメリットは、長期で安定した収入が得られること、相続税対策になることです。不動産という実物資産を持つことから、インフレに強いとされています。
資産を現金として持っているよりも、不動産に変えて保有しているほうが相続税の納税額を低く抑えることができます。そのため、相続税対策を検討している方は賃貸経営がおすすめです。
賃貸経営のデメリット
賃貸経営では、空室が多いほど家賃収入が減少するというデメリットがあります。対策として、設備などを充実させて空室のリスクを回避することが重要です。
その他に考えられるリスクとしては、経年劣化による建物の老朽化、金利の上昇、物件の売却時のリスクなどが挙げられます。このようなリスクを回避するためにも、事前に対策を考えておくようにしましょう。
駐車場経営は手軽に始められる土地活用法で、20坪以下の土地に向いています。月極駐車場とコインパーキングの2方式があり、土地の立地条件に合わせて経営方針を決めましょう。
月極駐車場は、空地に舗装や区画分けをするだけで固定収入を毎月得ることができます。コインパーキングでは機械の購入が必要となりますが、月極駐車場よりも収益を高くすることが可能です。
駐車場経営のメリット
メリットは初期投資が少なく、将来的に必要な時に他の用途に転用しやすいことです。初期投資が少ないことから短期的な経営を行いやすく、長期的な経営が現実的でないシナリオであっても受け入れやすい傾向にあります。
駐車場経営の管理は、基本的に業者に任せて運用することもできるため土地所有者の負担が少ないことも魅力の一つです。
駐車場経営のデメリット
デメリットとしては、アパート経営などに比べて収益性が低いことになります。駐車場経営では、駐車料金の不払い、契約外の車両の使用、駐車場管理の不備による破損の可能性などのリスクがあります。
また、収益を得るためにも駐車場の清潔さを保つための配慮が必要な場合も多いでしょう。
コインランドリー経営は、洗濯機や乾燥機を置くだけで良いため、店舗面積が10坪以上あれば始めることができます。効率的・効果的な洗濯サービスを提供できるのであれば、もっと小さな面積の条件でも可能です。
コインランドリー経営で安定した顧客を呼び込むためには、綿密な事業計画を立て、適切な戦略を立てることが重要です。
コインランドリー経営のメリット
メリットは、アパートなどに比べて初期投資が少なく済むことです。コインランドリー経営は、家賃・運営費・保険料・税金などの諸経費が、他の商業施設に比べて少ない傾向にあります。
共働き世帯が増えたことによりコインランドリーの需要が高まっていることや、どんな場所でも顧客層が決まっている点から、すぐに収益化を期待できます。
コインランドリー経営のデメリット
コインランドリー経営は周辺住民に認知され、売り上げが安定するまでに時間がかかるというデメリットがあります。収益を安定させるためにも、ユニークなサービスを提供するなどの策を取り、顧客基盤を確立することが大切です。
コインロッカー経営とは、駅前や商業施設、住宅地周辺などにコインロッカーを設置し、その利用料を得ることで収益化を目指すビジネスのことを指します。
利用者の多い場所を見極めることで、回転率も高くなり安定した収益を期待することができます。
コインロッカー経営のメリット
コインロッカー経営は初期費用が不要で、最小限の投資ですぐに運用を開始できるというメリットがあります。利用者の多い場所に設置できれば、20坪以下の土地でもローリスクで安定した確実な収入源を設定することが可能です。
コインロッカー経営のデメリット
デメリットとして、コインロッカーの個数によるイニシャルコストや、鍵の追加コストが発生することが挙げられます。イニシャルコストとは、コインロッカーを導入する際の、購入費や運搬・設置などの初期費用を指します。
入居率が地域によって異なるため、販売、営業、貸出に多大な努力が必要となるでしょう。
トランクルーム経営は、小さな土地や郊外でも運用することが可能です。また、土地に数個の倉庫を設置するだけで良いため、初期費用もそれほど高くありません。
トランクルーム経営のメリット
トランクルーム経営は、初期費用や維持費が安いというメリットを持っているため、資金力のない方にも最適な土地活用法です。郊外でも需要が高い傾向にあることから、立地条件に関係なく土地を運用することができます。
トランクルーム経営のデメリット
商品の収容人数が限られているため、収益性が低いというデメリットがあります。収益を求めている場合は、ポップアップやサブスクリプションボックスなど、他の収入源に目を向けることをおすすめます。
太陽発電経営とは、土地にソーラーパネルを設置し、生産した電力を電力会社に買い取ってもらうことで収益を得る方法です。ただし、太陽の光エネルギーが必要なため、日当たりの良い土地におすすめの土地活用法となります。
太陽発電経営のメリット
太陽発電経営のメリットは、安定した収入が見込めることです。建物が建てられない「市街化調整区域」の土地であっても設置が可能です。市街化調整区域とは、地方自治体ごとに指定された都市計画法により市街化の拡大を抑制するもので、住宅や商業施設の建築を認められないエリアを指します。
太陽発電経営では、従来の電力を容易に利用できない方にも十分なチャンスがあるためおすすめです。
太陽発電経営のデメリット
デメリットは、風水害、装置のケーブル等の盗難リスク、固定期間終了後の売電価格の下落リスクなどが挙げられます。風水害や盗難については、損害保険などの対策を取ることができますが、固定期間終了後の売電契約については、他の出口戦略について計画しておく必要があります。
また、太陽発電に必要な設備の製造やメンテナンスには、有害物質が使用されているため、それぞれ適切な処分方法を行う必要があることを知っておきましょう。
更地の状態で土地活用をしたい方には、広告看板の設置がおすすめです。広告の成功を最大化させるためには、公衆に見える場所を選択することが大切です。
ただし、広告看板経営を検討する土地所有者は、その地域の看板設置における道路交通法などの法的要件を考慮する必要があります。
広告看板経営のメリット
広告看板経営は、土地の面積があまりにも狭く、建物を建てることが困難な土地の形状であっても収益を見込めるというメリットがあります。さらに、看板・広告は準備が短期間・低コストで済むというメリットもあるため、初期費用を抑えて土地活用したい方におすすめです。
広告看板経営のデメリット
看板の設置は準備が比較的容易ですが、軌道に乗せるまでの準備が大変なため、何も計画せずに進めるのは困難というデメリットがあります。最近では、景観に関しての制限が厳しくなっており、広告の内容やサイズなど制限が課せられています。
また、老朽化による落下などの事故が発生した場合は、賠償責任を負わねばならないケースがあることを知っておきましょう。
郊外にある土地の場合、貸し農園を経営するのも一つの方法です。貸し農園経営とは土地を農園として貸し出し、賃料で収入を得るビジネスとなります。
一人に貸した場合は管理が簡単で、複数人に貸した場合は収入を得ることが可能です。貸し農園経営は、起業家精神があり、ユニークで充実した体験を提供したいと考える方には理想的な土地活用法となっています。
貸し農園経営のメリット
貸し農園経営のメリットとして、郊外ではコンバージョンに必要なツールやリソースが見つかります。不動産におけるコンバージョンとは、土地の用途変換や転用を指します。
そのため、郊外であれば創造的な可能性をじっくりと探ることができるというメリットにもなるでしょう。
貸し農園経営のデメリット
デメリットは、収益性が高くないことです。特に、リース期間終了後は自然環境に戻す必要があるため、一般的に収益が低くなります。
また、利益率が低い傾向にあるため、多くのリースでは土地の修復に何らかの保証が必要となるでしょう。
20坪での土地活用に対するメリットについて紹介します。メリットは以下の通りです。
20坪以下の狭い土地でも、上手く土地を活用すればメリットは多いです。メリットを理解しておくことで、より有効的に活用方法を検討できるため、それぞれ見ていきましょう。
20坪での土地活用は、投資額が少なくリスクを抑えることができるため、失敗した時の損失も比較的小さく済ませることが可能です。理由として、20坪の土地の上に建てられる建物は必然的に規模が小さくなることが挙げられます。
負担が少ないというメリットから、初めての土地活用で不安という方でも安心してビジネスを検討できるでしょう。
20坪の土地活用は投資額が少ないため、借入金を少なくしてキャッシュフローを良くすることが可能です。キャッシュフローとは、事業により得た収入から外部への支出を引いて残る資金の流れのことを指します。
主な支出としては、固定資産税および都市計画税、損害保険料、管理委託料、軽微な修繕費などです。借入金を減らし支出を少なくすることで、手元に残るお金を増やすことができるため、無理のない土地活用を目指すことができます。
マンションという形で不動産を所有することは、相続税対策として有効的です。不動産を売却する際には、時価よりも相続税評価額が低くなるため、節税につなげることができます。例えば、現金1億円を相続した場合、課税対象はそのまま1億円になります。
そのため、現金で資産を相続するよりもマンションなどの不動産という形で相続する方が節税対策には効果的です。不動産は相続税の面でも安全であり、経財的にも安心できる選択肢にもなります。
20坪でする土地活用のデメリットについても紹介します。デメリットは、以下の通りです。
20坪での土地活用には、メリットだけでなくデメリットもあるため、土地活用の成功につなげるためにも理解しておくことが大切です。以下で解説するデメリットを踏まえた上で、検討するようにしましょう。
20坪の土地活用は面積が狭いため、選択肢が限られるという点でデメリットといえます。基本的に、土地面積が広いほど土地活用の選択肢は増えていきます。
数少ない選択肢の中でも可能性をしっかりと広げ、収益性の高い土地活用を選ぶことが重要です。
20坪での土地活用は賃貸面積も少なくなるため、家賃収入の総額も減ってしまい多くの収入を期待できないというデメリットがあります。狭い土地では、ゆとりのある建物設計が難しいため「貸しにくい」建物となってしまうケースもあります。
また、一般的な間取りではなく、狭い面積での適正な間取りにしておかないと賃料単価が低くなる例もあるため注意が必要です。
20坪のような小さな敷地での土地活用は、建築費が割高となる可能性があります。狭すぎる土地だと、ハウスメーカーの規格品が収まらないことで特注品が必要な場合もあります。
また、3階以上の建物とする場合、重量鉄骨造や鉄筋コンクリート造等を採用します。道幅やスペースが狭いと運搬や建築作業に手間がかかることから、建築費が高くなる傾向にあることを理解しておきましょう。
20坪の狭い土地で有効活用する際の注意点について紹介します。注意点は、以下の通りです。
注意点を抑えることは、土地活用する上でのリスクや失敗を回避することにつながります。土地活用で収益化を目指すためにも、それぞれの注意点について詳しく見ていきましょう。
所有している土地にどのような土地活用法が向いているのか、事前にリサーチすることが大切です。例えば、都市計画区域内にある土地の場合は用途地域の制限があります。
土地の性質や立地条件によって向き・不向きがあるため、市場調査を徹底することはリスクを抑えるだけでなく、土地活用を成功させる重要なポイントになります。
土地活用を決める際には、まずは目的を明確にしましょう。土地を活用することで得たい効果を見据え、計画的な活用方法を選ぶことが大切です。
目的別に考えると、収益性を重視する場合は「売却」を検討し、節税を目的とする場合は「土地貸し」や「賃貸アパート・マンション経営」を検討します。このように、何を目的に土地活用するのかを明確にすることで、有効的に活用方法を選択することができます。
土地活用を始める前に、建築事務所や士業事務所に相談をして、複数のプランを準備するようにしましょう。複数の会社と比較し、最も効果的で費用対効果の高い土地活用方法を決定することが大切です。
いくつかのプランを持って複数の会社と交渉し、ベストな推薦を他の会社と比較検討することは戦略的優位性につながります。
土地活用は、長期的に行うことで利益が得られるビジネスであるため、経営スキルを身につけておくと有効的です。建物を建てる場合には、初期費用を投資して建築物を建てる必要があり、初期費用にかかった金額やローンを完済することで大きな利益を得ます。
無理をするとキャッシュフローが赤字になってしまうケースがあるため、経営スキルを身につけて計画的な資金繰りを行う必要があります。
20坪の土地活用でよくある質問についてまとめました。質問については、以下の通りです。
土地活用を始める前に、分からないことは解決しておくことが大切です。少しでも疑問を解消するためにも、以下で詳しく見ていきましょう。
土地活用の選び方として、まず始める前に「需要・ニーズ」「予算」「目的」の3点を前もって確認するようにしましょう。土地周辺の地域情報やステータスをきちんと調べておくことが、土地活用の選び方に必要なポイントです。
この3つを明確にリサーチしておくことで、保有している土地に最適な土地活用法が見えてきます。
20坪の土地でできるおすすめの活用方法は、以下の通りです。
どの土地活用法も、メリットだけでなくデメリットもあるため、どちらも考慮した上で検討することが重要です。目的によって活用方法が異なるため、土地活用で得たい効果を見据え、計画的な方法を選ぶようにしましょう。
20坪の土地でできる活用法を10種類ほど紹介しましたが、事前に市場調査を行い最適な方法を選ぶことが大切です。長期的に安定し高収益を得たい方や相続税対策を検討している方は、マンション経営がおすすめです。
20坪の土地でもマンション経営は十分できるため、土地活用で迷っている方はぜひMLINEへご相談ください。ご相談内容に応じて、専門的な知識を持ったプロの視点からご提案・サポートを実施しております。土地の有効活用のことで不安な方は、資料請求もしくはお問い合わせページへお気軽にご相談ください。
2024/11/29
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