土地活用の補助金

土地活用の相談先は?選び方と有効活用方法を解説

土地活用をするにあたって、補助金が受けられる可能性があります。国や自治体が抱えている社会問題を土地活用で解決できる場合もあるためです。

補助金は原則返済が不要なので、初期費用を抑えられます。しかし、自分で申請しなければ、補助金を受けることはできません。

本記事では、土地活用ごとの特徴や受給までの手順について詳しく解説しています。土地活用を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

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補助金がもらえる5つの土地活用方法

土地の活用方法

補助金がもらえる土地活用として、以下の方法が挙げられます。

土地活用の選択肢は多いため、その土地のニーズを考慮することが大切です。また、それぞれの土地活用には、メリットだけでなくデメリットも存在します。両方を把握したうえで、しっかり検討する必要があります。

太陽光発電

太陽光発電では、太陽電池モジュールと呼ばれるソーラーパネルに太陽の光を集めて発電させます。発生した電力を売ることで、利益を得る仕組みです。日当たりが良く、広い土地に適しています。

現在、太陽光発電における国からの補助金や優遇措置は実施されていません。家屋に太陽光発電を取り付ける場合、「ゼロエネルギー住宅(ZEH)」関連の補助金制度や自治体ごとに用意されている補助金制度が利用できます。そのため、太陽光発電を取り付けた住宅経営がおすすめです。

太陽光発電を運営するメリットは、初期費用を安く抑えられることや他の土地活用と比べると手間がかからないことなどです。ソーラーシステムを設置するだけなので、気軽に始めやすいです。また、運営は太陽光発電の業者に任せられるため、管理の必要もありません。

しかし、収益性が低いことや売電価格が変動することなどが、デメリットとして挙げられます。現在は住宅用10kW未満の場合、売電価格は17円となっていますが、今後変動する可能性があります。

参考:ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)|経済産業省

保育園

保育園の経営も社会貢献となるため、補助金給付の対象となります。保育園は児童福祉法で、保育所のことです。給付の対象は厚生労働省に認可された「認可保育所」であり、無認可の場合は補助金を受け取れません。保育園を経営する場合、土地所有者が施設を建設し、その後事業運営者に貸し出す「建て貸し」が一般的です。

なお、保育園を経営することで、保育所等整備交付金を受けられます。保育所の建設や防音・防犯対策など、施設整備にかかる費用を国:1/2、自治体:1/4、事業運営者:1/4の割合で負担してもらえるものです。認可保育園では、運営にかかる費用も補助の対象となります。

保育園を経営するメリットは、需要が多いため収入が安定していることです。共働きの家庭が年々増加している一方で、保育施設の数が足りていないことが理由として挙げられます。また、設備の設備費用は、保育園の事業者と国や自治体で負担するため、土地所有者の負担は少ないです。

一方で、不祥事が起きないように、保育士やスタッフの徹底した教育・管理が重要であることがデメリットといえます。

サービス付高齢者向け住宅

サービス付高齢者向け住宅(通称:サ高住)の経営は、高齢者等居住安定化推進事業として、以下の補助金を受けることができます。

新築 補助率1/10 上限1,000万円
改修 補助率1/3 上限1,000万円

 

訪問介護事業所や通所介護事業所など、併設された関連施設は補助金の対象になりません。また、補助金を受けるためには、以下のような条件を満たす必要があります。

サービス付き高齢者向け住宅を経営するメリットは、需要が高く収入が安定していることです。少子高齢化が深刻化しているため、将来性も十分にあります。また、社会貢献度の高い土地活用です。高齢者は若い人たちに比べて活動範囲が狭く、比較的立地条件を選ばないことも魅力です。郊外に大きな土地を持っている人にもおすすめできます。

一方で、デメリットは個人で投資するには莫大な初期費用が必要になることです。住居部分が20戸程度の場合、建築に2億円近くかかります。しかし、建築費の一部は補助金でまかなうことができます。入居者の家賃と訪問介護事業所のテナント賃料で年間家賃収入が2,000万円以上であれば表面利回りは10%を超えるため、デメリットは十分カバーできるはずです。

出典:サービス付き高齢者向け住宅|国土交通省

空き家活用

空き家活用では、以下の補助金を使うことができます。

入居者の家賃補助制度(家賃低廉化支援制度)

低所得者世帯や災害時に避難支援が必要な高齢者世帯(要配慮者)の入居を受け入れることで、オーナーに対して国から最大4万円が支給される制度です。入居者に対してではなく、オーナーに支給されるため、家賃滞納リスクを軽減できます。ただし、この制度を利用するためには、以下の条件を満たす必要があります。

建物改修工事に対する補助金

空き家を改修する際に、国から1戸につき最大100万円が補助金として支給される制度です。低所得者や要配慮者のような入居審査が厳しい世帯を支援することが目的です。リフォーム費用を抑えられるため、家賃補助制度と合わせると安定した収入につながります。

なお、対象となる工事は、以下の通りです。

p class=”contents-H__txt”>補助金が適用される条件は、以下の通りです。

建物解体工事に対する補助金

空き家を解体する際に、自治体が解体費用の一部を補助してくれる制度です。補助対象の工事内容は異なりますが、一般的に対象となる工事は以下の通りです。

補助が適用となる条件も異なりますが、例として以下の条件が挙げられます。この補助金制度は地域によって大きな差があるため、事前に問い合わせることをおすすめします。

空き家活用のメリットは、補助金を活用して収益を上げられる可能性があることです。空き家は長期間使わないと、確実に「負動産」となってしまいます。しかし、補助金がもらえない場合も少なくありません。

参考:住宅リフォームの支援制度|国土交通省

マンション経営

マンション経営では、「地域型住宅グリーン化事業」として、補助金を受けることができます。また、建築費の一部を減価償却費用として、所得税の経費に計上可能です。マンション経営は需要も多く、収入も安定しやすいことがメリットとして挙げられます。また、土地活用の中でも節税効果が高いため人気な方法です。

しかし、初期費用や維持費が高いことがデメリットとして挙げられます。経年劣化による共用部分の修繕費は避けられません。また、災害リスクや空室リスクもあります。

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土地活用の補助金の受給までの流れと手続き

土地活用の補助金を受給する流れ

補助金は申請すればすぐに受給できるわけではありません。土地活用の補助金を受給するまでの流れは、以下の通りです。

①申請 補助金を受給したい事業について内容や必要な費用、実施効果などについて申請書にまとめて事務局に提出します。
②審査 事業者が提出した申請書をもとに、補助金の交付を受けるのにふさわしい事業内容であるかどうかを審査委員会を通して審査します。
③採択決定 事務局が補助金の交付を受ける事業者を選びます。採択・不採択関わらず、結果が通知されます。
④交付申請 補助金を受給するのが決まった事業者が、必要経費などを申請します。採択の際に通知された補助金の申請可能金額を上限に事業を練り返し、事業にかかる経費の参考になる書類も添付したうえで、交付申請します。
⑤交付決定 申請が事務局に受理されると、「交付決定通知書」が届きます。交付決定通知書によって、補助金が受給できる事業内容や金額などが決定します。
⑥事業期間開始 補助金の対象である事業を開始します。原則として、「交付決定日」以降であれば、事業は開始できます。
⑦事業期間終了 補助事業期間が終了したら、指定された様式で完了報告を行います。
⑧完了審査 完了報告に基づいて審査を行います。この審査によって給付される補助金の金額が確定します。書類不備があると、減額されてしまうこともあるため注意が必要です。
⑨補助金給付 指定された様式で「支払い請求書」を提出します。その指定された口座に補助金が支払われます。

なお、補助金は受給できる件数が限られています。枠が埋まってしまった場合、受付期間中でも終了してしまうことがあります。抽選や先着などの公募方法は自治体によって異なるため、事前に確認しておくことが大切です。

似たような制度に助成金が挙げられますが、こちらは条件を満たしていれば高確率で受給できます。また、募集期間が補助金よりも長いのが特徴です。

土地活用の補助金を受給する際の注意点

土地活用の補助金における注意点

土地活用の補助金を受給する際の注意点として、以下の3つが挙げられます。

注意点を押さえておくことで、スムーズに補助金の申請を進められます。

提出書類をしっかり揃える

事業期間が終了した後、報告書などの提出が必要です。この提出書類に不備があると、補助金の減額、もしくは給付されないことがあります。提出書類をしっかり揃えることはもちろん、内容の精度を上げることも大切です。

また、補助金では事業期間が決められており、その事業期間に支出したものが経費として認められます。事業期間外に支払った経費は、補助金の対象外となります。採択通知であっても事業期間になるまでは、設備などを発注しないよう注意が必要です。

ほとんどの補助金が後払いである

補助金のほとんどが後払い制です。正しく事業が行われていることが確認されて、初めて補助金額が確定します。例えば、総額300万円の事業で1/3の金額が補助される場合でも、まずは自己資金で300万円を用意しなければなりません。

補助金100万円が先に支給されると勘違いして自己資金200万円で事業を始めてしまうと、思うように進められなくなります。

不正がないかチェックされる

補助金を受給した事業者は、不正がないか会計検査院からチェックが入る可能性があります。申請した事業と関係のないことにお金を使っている場合、指摘されるかもしれません。正当な目的で補助金を利用していることを証明するために、帳簿などを用意しておくと良いです。

土地活用にかかる費用の抑え方

土地活用の費用の抑え方

土地活用にかかる費用の抑え方として、以下の4つが挙げられます。

少し工夫するだけでも、土地活用にかかる費用を抑えられることがあります。

融資を受ける

土地活用にはイニシャルコストがかかるので、補助金を適用させても資金面で余裕がない場合もあります。補助金に加えて融資を受けることで、多くの初期費用が必要になる土地活用でも始めやすくなります。

融資は返済義務があるため、あくまでも最初に支払う費用を抑える方法として有効です。アパートローンなど、土地活用ごとにプランを用意している借入先もあるため、あらかじめ確認しておくことをおすすめします。

節税になる活用法を選ぶ

土地活用は、固定資産税や都市計画税などの税金が多くかかります。そのため、これらを節税できる活用方法を選択することで、費用を抑えられるようになります。固定資産税や相続税を節税できるのは、アパートやマンション、戸建てなどの賃貸経営です。

土地に建物を建てることで、「小規模宅地の特例」や「貸家建付地」などの税制優遇措置を適用可能です。特に、住宅用地の特例は、固定資産税が最大1/6、都市計画税が最大1/3も節税できます。

貸家建付地は実際の賃料割合に応じて相続税評価額が下がるため、満室に近づくほど節税効果があります。

相談する業者を複数にする

土地活用を始める際、その方法について専門的な知識を持つ業者へ相談することになります。例えば、アパート経営であればハウスメーカーや工務店などに相談し、駐車場経営であれば不動産会社または駐車場専門の業者に相談するのが一般的です。

業者によってプランや特色が大きく異なるため、1社のみの相談はおすすめできません。提案されたプランが最適なのか判断できないためです。複数の業者に相談することで、よりその土地に合った土地活用を始められます。

初期費用がかからない土地活用をする

十分な初期費用が手元にない場合、初期費用がかからない土地活用を選択するのも1つの手です。具体的には、借地や等価交換、土地信託などが挙げられます。いずれの方法も収益性は低いですが、資金がなくても始めることができます。

投資リスクが最小限に抑えられるため、少しでも収益が出れば良いと考えている場合におすすめです。ただし、これらの土地活用でも、事業者の撤退などのリスクがあります。

土地活用の補助金をうまく利用しよう

今回は、土地活用ごとの特徴や補助金を受給するまでの流れについて詳しく解説しました。国や自治体はさまざまな社会問題を解決する土地活用に対して、補助金を出しています。補助金を使うことで初期費用を抑えられますが、必ず受給できるわけではないことに注意が必要です。

補助金には枠が設けられており、埋まってしまうと受給できません。そのため、事前に補助金を受給するまでの流れを把握し、スムーズに進めることが大切です。最適な土地の活用方法や使える補助金を知りたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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監修者情報

高坂 昇

高坂 昇ou2株式会社 専務取締役 一級建築士

木造密集地域や防火地域において、木造ならではの施工性や設計の柔軟性、コストパフォーマンスを活かして木造耐火4階建て住宅(もくよん®)や、災害時の避難場所となる地下室や屋上を備えた災害住宅も提唱しています。

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