戸建賃貸の建築費

【徹底解説】戸建賃貸の建築費を抑えるポイント|費用相場も紹介

土地活用で戸建賃貸を検討している際に、気になるのが建築費ではないでしょうか。戸建賃貸は需要に対して供給が少ないため、土地活用の中でも成功しやすいと言われています。

本記事では、戸建賃貸にかかる建築費の相場や抑えるポイント、経営する際に必要な初期費用などを詳しく解説します。土地活用で戸建賃貸を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

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戸建賃貸経営の特徴

戸建賃貸の特徴

戸建賃貸経営の特徴として、以下の5つが挙げられます。

戸建賃貸を経営するメリットは数多くあります。ポイントを抑えて経営を始めれば、成功する確率も高くなります。

初期費用を抑えられる

戸建賃貸の経営は、アパートやマンション経営よりも初期費用が抑えられる点が大きなメリットです。初期費用が少ないため、借入金が少なく済みます。

また、月々のローン返済負担が小さく、返済リスクも抑えられ、アパートやマンション経営よりも収益性が高いのが特徴です。

立地に左右されにくい

立地に左右されにくい点も戸建賃貸を経営するメリットの1つです。立地に左右されにくいため、土地の費用を抑えることができます。

アパートやマンションの場合「会社に行きやすいか」「駅から近いか」など、立地の良さが重視される傾向があります。

それに対して、戸建賃貸は「騒音が気にならないか」「家族が過ごしやすいか」「治安が良いか」など、周辺の環境や住みやすさが重視されるケースが多いです。

入居期間が比較的長い

戸建賃貸はファミリー向けの賃貸が多く、入居期間も長くなりやすい傾向があります。一方、アパートやマンションは単身者が住むことが多く、入居期間は比較的短いです。

入居者の入れ替えが多いと家賃収入が安定しづらく、退去後のクリーニングやリフォームの費用はその都度かかります。

戸建賃貸は子供の成長を前提に契約する入居者が多く、住環境重視で物件を決めているため、周辺の環境が大きく変わらない限り退去するケースは少ないです。

節税効果が期待できる

土地を所有すると、固定資産税や都市計画税※が毎年発生します。戸建賃貸の場合、木造建築が多いためアパートやマンション経営よりも、減価償却費を多く計上することができます。

構造 法定耐用年数 償却率
RC造マンション 47年 0.022%
鉄骨造アパート(鉄骨の厚さ4mm以上) 34年 0.030%
木造戸建 22年 0.046%

減価償却費は経費となるため、戸建賃貸経営で得た所得から相殺することが可能です。減価償却費は実際に現金が出ていくわけではないため、多く計上できた方が支払う税金を抑えられます。

※都市計画税は一部、かからない地域もあります。

需要に対して供給が少ない

戸建賃貸はアパートやマンションよりも供給量が少なく、競争率も低いです。需要に対して供給が少ないため、他の不動産経営よりも成功しやすいと言われています。戸建は以下のような要望を持つ方から需要が高いです。

戸建はアパートやマンションよりも居住時の制限が少ないため、特に子供やペットがいる家庭に重宝されます。また、庭や駐車場など、アパートやマンションにはないものを充実させられると有利です。

戸建賃貸の建築費相場

戸建賃貸の費用相場

戸建賃貸の建築費の相場は、以下の計算式で求められます。

ただし、建築費の相場はあくまでも目安で、構造によって坪単価が異なります。また、施工業者によっても変わるため、しっかり比較することが大切です。

戸建賃貸建築費の計算方法

戸建賃貸の建築費は、「坪単価×延床面積」で計算できます。構造によって坪単価は異なり、それぞれの相場は以下の通りです。

構造 坪単価
木造 坪単価50〜60万円
2×4 坪単価45万円程度
鉄骨造 坪単価70〜80万円

最も建築費を抑えられるのは、2×4(ツイバーフォー)と呼ばれる構造です。材料が少なくシンプルな造りなので、工期も比較的短く済みます。

また、構造だけでなく、施工業者によっても建築費用は異なります。施工業者による坪単価の相場は、以下の通りです。

施工業者 坪単価
ハウスメーカー 坪単価40〜70万円
工務店 坪単価40〜60万円
注文住宅 坪単価65〜75万円

大手のハウスメーカーは商品がある程度パッケージ化されており、材料も一括で仕入れるため、比較的コストを抑えることができます。それに対して、注文住宅は一から設計して材料を仕入れるため単価は高くなりがちです。

戸建建築費の相場

戸建賃貸の建築費を計算する際は、80平米を目安にすると良いです。広い家に憧れを持つ方は多くいますが、実際は広すぎても狭すぎても入居者は決まりづらいです。

そのため、ファミリー層が入居しやすい80平米(24.2坪)を目安に建築することをおすすめします。80平米であれば、間取り3LDKの戸建てを建築できます。

なお、木造の戸建を建築する相場は以下の通りです。

ハウスメーカー 工務店 注文住宅
40万円×24.2坪=968万円 40万円×24.2坪=968万円 65万円×24.2坪=1,573万円

戸建賃貸経営に必要な初期費用

戸建賃貸の初期費用

戸建賃貸の経営に必要な初期費用として、以下の4つが挙げられます。

戸建を建築する際は、建築費以外の費用も多くかかります。デザインにこだわるほど費用は高くなるため、予算を考慮しながら決めていくことが大切です。

戸建賃貸物件の建築費

更地の状態から戸建賃貸物件を建築する場合、建築費が必要です。建築費は構造や施工業者によって異なりますが、一般的なハウスメーカーに依頼する場合は1坪あたり40〜70万円の費用がかかります。内装や設備にこだわると、相場よりも建築費は高くなります。

リフォーム費・修繕費

更地に建築するのではなく、もともとあった住宅をリフォームする場合、建築費ではなくリフォーム費や修繕費がかかります。住宅の劣化状況によって大きく異なりますが、リフォーム箇所の費用相場は以下の通りです。

トイレの付け替え キッチン お風呂 床の張り替え 壁紙の張り替え 外壁塗装
15万円〜30万円 60万円〜100万円 60万円〜120万円 〜10万円 〜10万円 50万円〜150万円

大きな劣化がない場合は、クリーニングのみで問題ありません。しかし、内装や外装が劣化していたり、設備が古くなっていたりする場合、入居者が決まらないことも多いです。特に長期間空き家になっていると、見つけにくい部分が劣化しているケースもあります。

火災保険料・地震保険料

戸建賃貸の経営を始める際は、火災保険と地震保険に加入しておくことも重要です。これらの保険に加入しておけば、入居者は安心して入居できるため空室リスクを抑えられます。万が一、火災や地震が発生したときでも補償を受けられるので、貸主側も安心です。

なお、保険料や補償内容は保険会社によって大きく異なります。そのため、複数の保険をしっかり比較したうえで、無理のない範囲の保険を選ぶことが大切です。

事務処理費

戸建賃貸の経営で発生する事務処理費用として、印紙代や登記費用、司法書士への報酬などが挙げられます。必ず必要な経費のため、事前に用意しておくと良いです。印紙代は契約書に貼る収入印紙の費用で、戸建ての場合は5千円〜2万円程度かかります。

登記の手続きは司法書士に依頼するケースが多く、報酬を含めると15〜30万円程度の費用が発生します。

戸建賃貸経営の費用を抑えるポイント

戸建賃貸のコストを抑える

戸建賃貸の初期費用を抑えるポイントとして、以下の3つが挙げられます。

初期費用が少なければ少ないほど、経営リスクは抑えられます。そのため、デザインや広さ、依頼する業者などに注意が必要です。

デザインにこだわりすぎない

戸建の建築費を抑えるためには、シンプルな造りにすることが大切です。床材や壁材にこだわるほど、建築費は高くなります。また、複雑な間取りではなくシンプルな間取りにすると、入居者の幅を広げやすいです。

キッチンや浴室などの設備もシンプルなデザインがおすすめです。特殊なデザインは好みが分かれるため、入居者が決まらないケースもあります。費用を抑えつつ誰でも住みやすいと感じるデザインにすると良いです。

80平米以下の大きさにする

戸建賃貸はファミリー層が多く、80平米(3LDK)が最適です。平米数が広いほど建築費は高くなります。また、広ければ入居者が決まりやすくなるわけでもありません。入居者が決まらないと、ランニングコストだけがかかってしまいます。

赤字経営のリスクを抑えるためにも、入居者が決まりやすい80平米以下の戸建を建築すると良いでしょう。

複数社に見積もりを依頼する

建築費はメーカーによって費用が大きく異なります。1社だけ見積もりを取って決めてしまうと、相場より高い場合でも気づけません。

相場を把握するためにも、複数者から見積もりを取ることが大切です。また、複数社に見積もりを取ることで、費用の交渉がしやすくなります。

戸建賃貸経営を成功させるポイント

戸建賃貸を成功させるポイント

戸建賃貸の経営を成功させるポイントとして、以下の5つが挙げられます。

戸建賃貸は建築費を抑えやすい分、アパートやマンションよりも収益性は低いです。しかし、ポイントを抑えることで、失敗するリスクを最小限に抑えられます。

駐車場を作る

戸建賃貸はファミリー向けの物件なので、駐車場を併設すると良いでしょう。可能であれば2台分、カーポートなども設置しましょう。戸建賃貸の場合、建物の規模を小さくしても駐車場を作った方が家賃設定に有利になることもあります。

周辺の環境にもよりますが、都市部から離れた地域であれば車移動が必須となるため、設置が必要です。

リビングは南向きにする

戸建賃貸の場合、リビングの向きも自由に選ぶことができます。アパートやマンションの場合、土地の位置や配管の関係上、必ずしも南向きのリビングを用意できるとは限りません。その点、戸建であればリビングが南向きになるように設計できます。

日当たりの良い部屋があることは、アパートやマンションに比べてアドバンテージになります。日当たりの良さは住み心地にもつながるため、日当たりを考慮したうえで設計することが大切です。

利便性を重視する

戸建賃貸では、利便性を重視すると長期入居につながりやすいです。具体例として、浴室の追い焚き機能や床暖房などが挙げられます。近年では、共働きが増えているため宅配ボックスの設置なども効果的です。

住みやすい環境を整えることで長期入居につながり、空室リスクを抑えられます。

定期的にメンテナンスする

戸建賃貸は長期的に入居するケースが多いため、定期的なメンテナンスが必要です。家の中のメンテナンスは入居者、屋外は貸主側に管理責任があります。屋根や外壁の塗装、外付けの設備は貸主側がメンテナンスしなければなりません。

ほとんどのメーカーには、竣工後10年前後の無償定期メンテナンスがついています。賃貸管理を頼むと、無償メンテナンスと一緒に、有償の建物管理も対応してくれます。家の中に汚れや破損が発生した場合は、退去時に現状回復してもらうのが一般的です。

初期費用を抑える

戸建賃貸で高利回りを確保するためには、初期費用を抑える必要があります。初期費用を抑えて借入金を少なくするのが、経営を安定させるポイントです。また、初期費用を回収できる期間が短ければ短いほど、不動産投資は成功しやすくなります。

ただし、初期費用を抑えるために安い素材や設備を選ぶと、すぐ劣化してしまう可能性もあります。そのため、戸建の維持に影響が出る部分は、お金をかけることが大切です。

戸建賃貸経営の注意点

戸建賃貸の注意点

戸建賃貸経営の注意点として、以下の3つが挙げられます。

不動産投資で避けられないのが、空室リスクです。特に戸建賃貸は入居者が常に1世帯となるため、入居者が決まらないと収入がゼロになります。また、リフォームやメンテナンス費も定期的に発生します。

空室になると収入がなくなる

戸建賃貸はアパートやマンションとは異なり、空室になると収入がゼロになります。1人の入居者に収入が依存してしまうため、その点を念頭に置いて経営を始めることが大切です。戸建賃貸を成功させるには、収益性の高さと余裕のある返済プランの両方が必要になります。

収益性の問題は、平米数を広くしすぎない、シンプルな間取りと設備にすることで解決できる場合がほとんどです。空室やコストの発生はあらかじめ想定しておき、予期せぬ問題が発生した場合でも柔軟に対応できるようにしておきましょう。

ターゲット層が限定される

一般的なアパートやマンションに比べて、戸建賃貸の家賃は高い傾向があるため、よりターゲットが限定されてしまいます。基本的に戸建賃貸を借りる方は、経済的に余裕のあるファミリー層です。家賃相場は高いですが、入居期間が比較的長い、家賃滞納の心配がないなどのメリットもあります。

また、ターゲット層の分母が小さいことはデメリットですが、ターゲットが魅力を感じる外観や設備を選びやすいです。

リフォームやメンテナンス費用が高い

戸建賃貸は状況に応じて、リフォームやメンテナンスが必要です。メンテナンスをしていないと、家屋の劣化で空室リスクが高くなります。また、賃料も下げないといけなくなり、長期的には収益性が低下する恐れもあります。

そのため、経年劣化を感じさせない外観を保ちつつ、周辺環境や時代の変化に合わせて設備を設置するなど、生活の利便性を保持できるよう努力することが大切です。入居者が住みやすい環境を作ることで、長期的に安定した収入が期待できます。

戸建賃貸経営で土地活用をお考えなら

今回は、戸建賃貸にかかる建築費の相場について詳しく解説しました。戸建賃貸は需要に対して供給が非常に少ないため、アパートやマンションよりも成功する可能性が高いです。また、初期費用を抑えられるので、借入金も少なく済みます。

しかし、空室になると収入がゼロになってしまうことが大きなデメリットです。空室を避けるために、入居者が住みやすいと感じる環境づくりが重要となります。戸建のデザインも空室を避ける重要な要素となるため、プロに相談することが大切です。土地活用として戸建賃貸の経営を検討している方は、ぜひ一度ご相談ください。

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監修者情報

高坂 昇

高坂 昇ou2株式会社 専務取締役 一級建築士

木造密集地域や防火地域において、木造ならではの施工性や設計の柔軟性、コストパフォーマンスを活かして木造耐火4階建て住宅(もくよん®)や、災害時の避難場所となる地下室や屋上を備えた災害住宅も提唱しています。

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