小林 眞一郎 ou2株式会社 常務取締役 二級FP技能士
狭小地とは、10坪~20坪程度の狭い土地のことを指します。上手に活用している方も多くいらっしゃいます。
土地代や税金などのメリットが多いため狭小地の土地活用を考えているけれど、マンション経営ができるのか?と気になっている方も多いのではないでしょうか。
実は、狭小地でもマンション経営を行うことが可能な場合があります。しかし、狭小地にマンションを建てる際は、建築費が高くなったり、駐車スペースが作れなかったりする場合があるので注意が必要です。
また、狭小地にマンションを建てるためには、自由設計のRCマンションを建築したり、エレベーターを設置しなかったりと工夫をするのも大事です。
そこで、本記事では狭小地でマンション経営を行うメリット・デメリット、マンションを活用する方法について解説します。狭小地のマンション経営を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
結論からいうと、狭小地でマンション経営を行うことは可能です。なぜなら、狭小地でも条件や設計によって、4~5階建てのマンションを建てることができるからです。
ただし、土地が変形だったり狭すぎたりする場合は、規格マンションが建てられない場合が多いでしょう。狭小地にマンションを建てる際は、建ぺい率や容積率の規制が緩和される土地を選んだり、自由設計のRCマンションの建築をしたり工夫をする必要があります。
また、狭小地で収益性の高いマンションを建築するためには、利便性が高いなど住む人にとって魅力的な物件でなければなりません。駅やバス停、大学などの近くであれば、間取りが狭くてもニーズは高いでしょう。
しかし、間取りや家賃などが他のマンションと同条件だった場合、わざわざ狭小地のマンションを選ぶ人は少ないと考えられます。そのため、他のマンションよりも魅力的な付加価値を付けることも大切です。
例えば、入居者にとって魅力的な付加価値とは、以下のような例が挙げられます。
上記のような付加価値も検討する際も、ターゲットとする入居者に合ったものを選ぶことが大切です。例えば、オフィス街などのエリアでは、インターネット無料や家具家電付きなどの物件の需要があることが予想できます。
狭小地でのマンション経営を成功させるためには、「需要があるのか」「合った部屋なのか」ということが非常に重要です。狭小地の不動産経営は、狭小地のマンション経営などの知識や実績が豊富なハウスメーカーなどの専門家に相談してみることをおすすめします。
狭小地でマンション経営を行うメリットは、以下の2つが挙げられます。
狭小地は、土地の面積が狭い分、土地代や税金が安いなどのメリットがあります。駅近や都内の一等地などの狭小地の場合、家賃が高く設定できるので、ローリスクハイリターンのマンション経営が行える場合があるのです。
ここからは、狭小地でマンション経営を行うメリットについて解説します。狭小地の土地活用について悩んでいる方や、マンション経営を検討している方は参考にしてみてください。
狭小地は、一般的な土地より土地代が安い傾向にあるのがメリットです。なぜなら、狭小地は土地の面積が狭いため、活用方法が限られるからです。
例えば、都内の一等地などの狭小地は、相場より安く販売されているケースがあります。また、一般的な土地よりも面積が小さいため、その分費用が安く抑えられます。
つまり、狭小地は一般的な土地と比べると高額な投資資金を用意したり、高額な借入をしたりすることなく、マンション経営が行えるということです。
また、駅前や都内の一等地などであれば、通勤・通学・買い物など利便性が高いのも魅力。マンションの間取りがワンルームなどと狭くても、利便性を優先したいという人のニーズに応えられます。
したがって、狭小地でマンション経営を成功させるには、駅近など利便性が高い土地を選ぶのがポイントです。
狭小地のマンションや、固定資産税や都市計画税などの税金が安いのもメリットです。理由としては土地の面積が狭いため、資産価値が低く、固定資産税などの評価額が安くなるからです。
固定資産税や都市計画税は、毎年1月1日に所有している土地や建物にかかる税金です。毎年支払わなければならないため、税金の負担も考慮してマンション経営を検討する必要があります。
また、所有している狭小地にマンションを建築すれば、固定資産税の評価額を減額が受けられる制度もあります。小規模住宅用地の適用といって、土地に建物を建築すると評価額を最大6分の1にできる制度です。
何も活用していない狭小地を所有している場合、マンションを建てることで税金を節税できる可能性があるのです。
マンション経営は、成功すれば高額な家賃収入を得ることができ、その中で税金の支払いを賄えるでしょう。固定資産税や都市計画税などの支払いなども考慮した上で、マンション経営について検討してみてください。
狭小地でマンション経営を行うデメリットは、以下の2つが挙げられます。
狭小地にマンションを建設する場合、建築費が思ったよりも高額になるケースが多いです。そのため、以下で紹介するデメリットを把握した上で、狭小地のマンション経営について検討してみてください。
狭小地でマンション経営を行う場合、床面積が狭いため建築費が高くなるのがデメリットです。狭小地のマンションの建築費が高くなるのには、大きく分けて2つの理由があります。
1つ目の理由としては、床面積が狭いので階数を増やさなければならず、構造設計・地盤改良・耐震施工などにコストがかかるためです。3階以上の物件は、鉄骨造や鉄筋コンクリート造など木造以外の構造を採用するため、コストが高額となります。
2つ目の理由は、特殊な工事や追加の費用がかかるケースです。例えば、隣家との距離が極端に近い場合や周辺の道路が重機など通れないほど狭い場合、クレーン車などで資材を運んだり、小型車で何度も運んだりしなければいけません。
したがって、運搬料の追加や作業員の増員、駐車場や建材の保管スペースなどの用意などが必要になり、一般的な費用よりコストがかかる可能性があります。上記の2つの理由から、狭小地は土地代や税金が安いとはいえ、建築費が高くなるケースが多いのがデメリットです。
また、狭小地のマンション経営でも、階層を増やして床面積を広くするほど、固定資産税などの負担も高くなります。狭小地のマンション経営では、費用対効果や収益性があるかどうかを十分検討をすることが非常に大切です。
狭小地のマンションは、駐車スペースが作れない場合が多いのもデメリットです。なぜなら、狭小地は敷地面積が限られているため、敷地面積をすべて建物のスペースとする場合が多いからです。
駅やバス停などが近い立地であれば、駐車場は必要ない場合もあります。ただし、地方などの車での移動が必須のエリアでは、駐車場がないのは大きな問題となりうる可能性もあるので注意が必要です。
マンションやアパートの設計には、ビルトインガレージなどという選択肢もありますが、狭小地では駐車場の台数が確保できません。そのため、駐車場が必要なエリアで狭小地マンションを検討する際は、「近くに月極駐車場があるか」「駐車場に駐車場にできる土地がないか」などのリサーチが必要です。
狭小地でマンションを活用する方法は、以下の2つが挙げられます。
狭小地でマンションを建設する際は、スペースを有効活用したり無駄を省いたりすることがコツです。ぜひ狭小地のマンション経営を検討している方は、以下の活用方法を参考にしてみてください。
狭小地でマンションを建設するなら、自由設計のRCマンション(鉄筋コンクリート)を建設するのがおすすめです。理由としては、土地の建ぺい率や容積率に合わせて自由設計ができるため、狭小地でも高層のマンションを建てられる可能性があるからです。
詳しい説明は後の章で解説しますが、建ぺい率が広ければ、敷地に対して建築面積が広い建物が建てられます。一方で、容積率が高く設定されていれば、高層の建物を建てられるのが特徴です。
また、RCマンションは耐震性など強度が高いのも特徴で、木造や鉄骨造よりもメンテナンス費用が抑えられるなどのメリットもあります。規格マンションが建築できない狭小地でも自由設計により、収益性の高い高層マンションが建てられる可能性があるのです。
ただし、地盤補強工事などの費用も必要になるため、初期費用が高額になることを理解しておきましょう。
狭小地の敷地を最大限に活用するには、エレベーターを設置しないのも1つの方法です。理由としては、エレベーターのスペースをなくしてスペースを有効活用するためです。
エレベーターを設置するには、ある程度の広い面積が必要になります。狭小地の少ない床面積をエレベーター部分の大半に使用しなくてはならなくなるため、賃貸部分に取れる面積が狭くなってしまいます。
賃貸部分が狭くなれば、家賃もその分低めに設定しなければならないのもデメリットでしょう。したがって、エレベーターを設置せず、階段の上り下りの負担が少ない4階程度に留めるというのも収益性を高める1つの手段です。
エレベーターを設置して高層マンションを建設するのか、4階程度に留めて1部屋のスペースを広くとるのか、さまざまな選択肢を考えてプラン設計をしてみましょう。
狭小地の不動産経営は、マンション経営だけでなくアパート経営もおすすめです。おすすめの理由は、パート経営なら建築規模も小さくなるため、10坪程度の狭小地でも建てられる可能性が高くなるからです。
また、マンションよりも建築の規模が小さくなるため、建築費の負担が減ります。マンションよりも資産価値も下がり、固定資産税や都市計画税などの税金の負担も減らすことができるのもメリットです。
例えば、アパート経営なら10坪程度の狭小地でも、7坪程度のワンルームの賃貸物件を3戸作ることができます。部屋自体は狭くなりますが、利便性が高いという理由だけで単身者の需要があり、アパート経営が可能になるでしょう。
ただし、狭小地のアパート経営は、マンション経営と比較すると高額な家賃収入が見込めない場合があります。狭小地のアパートの建築は難しく、費用対効果を考えると戸数の少ないアパート経営だと収益性が低い可能性があるためです。
特に好立地の狭小地なら、収益性の高い賃貸マンション経営をおすすめします。繰り返しになりますが、利便性の高い土地はワンルームなどの狭い部屋でも、単身者の需要が高いからです。
利便性が高い立地であれば、家賃も高く設定でき、高額な収入を得られるでしょう。そのため、狭小地でマンション経営を行いたいという方は、「その土地にマンションの需要があるのか」を慎重に検討することが重要です。
このような土地の周辺環境の調査などは、ハウスメーカーなどのプロにお願いしましょう。土地活用の専門家ならあらゆるリスクを想定し、マンション経営・アパート経営などさまざまなプランを考えてくれます。
狭小地でも土地や立地などの条件によって、マンション経営を行うことが可能です。しかし、狭小地のマンション経営を行う際は、メリット・デメリットなどを把握し田上で行うことが非常に大切です。
狭小地のマンションは魅力的な立地などでなければ、お客様に「住みたい」と思ってもらえません。そのため、狭小地でマンション経営を行う際は土地選び・マンションの設計が非常に重要です。
狭小地の土地を最大限に活用するなら、自由設計のRCマンションを建築したり、エレベーターを設置しなかったりする方法が有効です。
M-LINEでは、狭小地の土地活用を得意としており、RCマンション建設の実績も多数あります。M-LINEのRCマンションは、デザイン性のある高い建物が設計でき、狭小地でも理想的なマンションが建てられる可能性があります。
10cmも無駄にしない設計ができるため、敷地面積を無駄にせずフル活用することが可能になります。「他社では断られた」「変形地だからマンションは無理だろう」という場合でも、ぜひ一度ご相談ください。
2024/11/29
2024/11/29
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