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賃貸マンション経営で計上可能な経費は?節税方法を徹底解説

賃貸マンション経営を行う際、事業に必要なさまざまな費用がかかります。その際に「賃貸マンション経営で経費で落とせるものは何なんだろう…」と気になる方も多いのではないでしょうか。

賃貸マンション経営の経費として落とせる費用は、税金や損害保険料などさまざまです。また、個人事業主と法人では、どこまで経費の範囲として認められるのか分からない方も多いでしょう。

本記事では、賃貸マンション経営で計上可能な経費の種類、節税可能な税金の種類を紹介します。また、賃貸マンション経営の経費を節税する3つのポイントも解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

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賃貸マンション経営で計上可能な経費の種類

賃貸マンション経営で計上可能な経費の種類

賃貸マンション経営で、経費で落とせるものについて気になる方も多いのではないでしょうか。賃貸マンション経営で計上可能な経費の種類は、以下の通りです。

マンション経営で必要な費用を経費計上すると、マンション経営においての利益を圧縮できます。賃貸マンション経営で経費計上できるものは、多数あるので以下でそれぞれの内容について確認していきましょう。

固定資産税

固定資産税は、毎年1月1日時点で土地や家屋及び償却資産(固定資産)の所有者に対してかかる税金です。マンション経営では、土地や家屋は必要不可欠なものなので、固定資産税は経費の対象となります。

また、都市計画税も経費対象です。課税された金額は、租税公課として経費計上を行いましょう。

減価償却費

減価償却費とは、固定資産の耐用年数に応じて分割し、その期ごとに費用として計上できるものです。

アパート経営で減価償却費に計上できるものは、以下の例が挙げられます。

種類 対象
有形資産 建物・パソコン・機械・車など
無形資産 ソフトウェア・特許・商標など

減価償却費は、建物などの有形資産に限らず、特許・商標などの無形の資産も含まれます。なぜなら、無形の資産も長期的に使用するものだからです。

減価償却費は、大きな金額を節税できることが多いです。耐用年数などは、それぞれの固定資産によって異なるので確認しておきましょう。

損害保険料

損害保険料とは、マンションの火災保険料や地震保険料のことです。マンション経営で必要な保険料は、すべて経費計上できます。

ただし、マンションのオーナーが個人で入る生命保険・健康保険料や、自宅等の各種保険料は控除されません。そのため、マンションの保険料以外は計上しないように注意してください。

年間契約の損害保険の契約に関しては、支払い時に全額を保険料として計上しましょう。

租税公課

租税公課とは、マンション経営によって生じた税金のことです。具体的には、以下の例の税金などを租税公課として経費処理を行います。

上記の税金は、すべて事業用に使われた費用のみが計上できます。プライベート用の車両などの税金は、対象外なので注意が必要です。

修繕費/修繕積立金

マンション経営の修繕費や修繕積立金も経費計上が可能です。修繕費とは、外壁塗り替えやリフォーム・リノベーション代、トイレ・水道などの設備修理費用などが挙げられます。

ただし、資産価値を高めたり、増築などを行ったりする場合は、減価償却費の対象です。なぜなら、修繕費=原状回復とみなされているため、資産価値が高くなる場合は資本的支出と考えられるからです。

また、修繕積立金は、実際にその時に修繕工事が行われる訳ではないため、経費とせず「積立金」として処理を行います。その後、修繕工事完了した際に、修繕費として計上する形となるので注意しましょう。

管理費

管理費とは、賃貸管理や建物管理などマンションの管理に伴う費用のことです。マンション経営には、敷地内の管理や入居者のトラブル対応など管理業務が必要になります。

不動産会社などへの管理委託料は、管理委託費として処理できるので、さまざまな業者を比較して賢くマンション管理を行いましょう。

交通費

交通費は、マンション経営に関わる交通費を請求できます。例えば、マンション経営の管理委託会社へ相談へ行くとき、賃貸経営セミナーに参加するとき、物件を見学するとき、などにかかった交通費です。

ガソリン代、新幹線代、タクシー代、バス代などが費用として計上できます。ただし、プライベートで使った交通費は経費計上できません。

そのため、プライベートと区別がつくように備考などに事業用であることが分かるように記載しておきましょう。

通信費

通信費とは、業務で使用する通信手段にかかる費用のことです。例えば、入居者や賃貸管理会社との通話料金、物件リサーチのためのインターネット利用料、マンション管理書類の郵送代などが挙げられます。

個人事業主などで、自宅部分の通信料と混同している場合は、家事按分を行います。家事按分とは、事業に使用した金額とプライべート用で使用した金額を分けることです。

ただし、家事按分した費用を経費計上する場合は、以下の要件があるため注意が必要です。

出典:建〔家事関連費(第1号関係)〕|国税庁

税理士・司法書士・会計士などの報酬

マンションを購入する際、登記の手続きの司法書士の依頼料も経費計上できます。また、確定申告の税務関係を税理士・会計士に依頼する場合も事業に関わるものなので、経費計上が可能です。

税理士・司法書士・会計士などの報酬は、一般的に支払手数料や顧問料として処理を行います。

接待交際費

接待交際費とは、事業に関わる人に対して謝礼や接待を行った際などに利用できる費用です。マンション経営においては、不動産投資担当者や税理士などと打ち合わせした際の飲食代やお中元・お歳暮などの季節の挨拶の品を渡した際などに利用できます。

ただし、こちらもプライベート用の飲食代などは経費計上できません。領収書を保管し、プライベート用と事業用で明確に区別するのが重要です。

新聞図書費

新聞図書費とは、事業に関わる雑誌や書籍、新聞などが経費計上できます。マンション経営においては、不動産についての情報収集のために新聞・雑誌・電子書籍・メールマガジンの購読料などが経費計上可能です。

個人事業主などで確定申告を自分で行う際は、確定申告書の作成や税金についての書籍なども経費として計上できます。領収書をしっかりと保管し、事業用であることが説明できるようにしておきましょう。

消耗品費

消耗品費とは、使用可能な期間が1年未満で、取得価額が10万円未満の備品の購入費用です。消耗品費は、コピー用紙・文房具・プリンターのインク代などが挙げられます。

また、10万円未満であれば、パソコンやプリンター、デジタルカメラなども経費計上可能です。10万円以上のものは、減価償却費となるので注意しましょう。

その他

マンション経営において、そのほか経費計上できる経費は以下の例があります。

上記以外にもさまざまなものが経費として計上できる可能性があるので、迷った際は税理士に確認しましょう。

賃貸マンション経営で節税可能な税金の種類

賃貸マンション経営で節税可能な税金の種類

賃貸マンション経営で、節税可能な税金の種類は以下の通りです。

上記の税金がなぜマンション経営で節税になるのか解説するので、参考にしてみてください。

所得税

賃貸マンション経営を行うと、所得税が節税できます。所得税とは、個人の1年間の所得に応じてかかる税金です。1年間の所得から所得控除などを差し引いた金額で課税されます。

そのため、マンション経営の収入が大きい場合、経費計上を行えばその分課税金額を減らせるのが特徴です。例えば、マンション経営の収入が1,000万、経費が400万だった場合、600万円の所得税がかかります。

以下の表のように、所得税は所得が増えるほど税率が増えるため、費用を活用しながら賢く節税しましょう。

経費を差し引いた課税される所得 税率 控除額
1,000円 から 1,949,000円まで 5% 0円
1,950,000円 から 3,299,000円まで 10% 97,500円
3,300,000円 から 6,949,000円まで 20% 427,500円
6,950,000円 から 8,999,000円まで 23% 636,000円
9,000,000円 から 17,999,000円まで 33% 1,536,000円
18,000,000円 から 39,999,000円まで 40% 2,796,000円
40,000,000円 以上 45% 4,796,000円

出典:所得税の税率|国税庁

住民税

マンション経営では、住民税も節税できます。住民税は、地方税の一種で、都道府県(都民税)と市町村から課税される税金のことです。

住民税も1年間の所得から所得控除等を差し引いた金額で課税されるため、経費計上など所得控除によって節税できます。

相続税

マンション経営では、相続税も節税可能です。なぜなら、遺産を現金で相続するよりも土地や建物などの不動産として相続した方が相続税評価額が下がるからです。

マンションなどの賃貸物件を建てた場合、「貸家建付地」となるため、借家権や賃貸割合などが評価額から控除されます。

対象 計算方法
貸家建付地の評価額 自用地の価額-自用地としての価額×借地権割合×借家権割合×賃貸割合

出典:貸家建付地の評価|国税庁

さらに、「小規模宅地の特例」による評価額の減額が適用される場合もあります。減額される割合は限度面積がありますが、50%と高い割合です。

相続開始直前の宅地の利用区分 要件 限度面積 減額される割合
被相続人等の貸付事業用の宅地等 貸付事業用宅地等に該当する宅地等 200㎡ 50%

出典:相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)|国税庁

ぜひマンション経営の際は、相続税の節税効果についても専門家に確認しておきましょう。

固定資産税

マンション経営では、固定資産税も節税効果があります。理由としては、土地を所有している場合、建物を建てることで小規模住宅用地の特例が適用される場合があるからです。

小規模住宅用地の特例を受けられれば、固定資産税を6分の1に減額でき、都市計画税も3分の1に減額されます。

そのため、土地や現金などを持っている場合には、固定資産税の節税のためにマンション経営やアパート経営などを検討するのがおすすめです。

住宅敷地面積の条件 都市計画税の軽減率
小規模用土地(200㎡以下) 都市計画税×3分の1
一般住宅用地(200㎡を超える部分) 都市計画税×3分の2

出典:固定資産税・都市計画税(土地・家屋)|東京都主税局

賃貸マンション経営の経費を節税するポイント【3つ】

賃貸マンション経営の経費を節税するポイント【3つ】

賃貸マンション経営の経費を節税するポイントは、以下の3つです。

青色申告や法人化は大きな節税効果があるのでおすすめです。ぜひマンション経営を行う際は参考にしてみてください。

1.領収書の内訳を明確にしておく

マンション経営の経費を計上する際は、領収書の内訳を明確にしておきましょう。なぜなら、経費計上する際に、事業用の必要経費なのかを判断する明細を記した領収書が必要になるからです。

また、領収書のみでは事業用であるのか明確でない場合は、説明できるようにメモを残しておきましょう。

2.青色申告を行う

マンション経営を行う際は、青色申告を行うと節税効果が高くなります。理由としては、白色申告では最大10万円の控除しか受けられませんが、青色申告は最大65万円の特別控除が受けられるからです。

【青色申告の3つの特典】

出典:はじめてみませんか?青色申告|国税庁

また、青色申告は損益通算で控除しきれなかった損失を最大3年間繰り越せるのもポイント。例えば、前年に100万円の損失があった場合、翌年の利益100万円を補充できます。

損益通算は、白色申告では行えないため、不動産事業を行う際は青色申告を行うのがおすすめです。

ただし、青色申告を行う際は、その年の3月15日までに「所得税の青色申告承認申請書」を提出しなければなりません。3月15日を超えてしまうと翌年分が計上できなくなるため早めに申請しておきましょう。

3.法人化を検討する

個人の課税所得が900万円を超えた場合は、法人化を検討しましょう。なぜなら、法人化をすると給与所得控除の適用が受けられるようになったり、認められる経費が増えたりと節税効果が高くなるためです。

個人事業主では、売上から経費を差し引いたものが課税所得となり、この所得金額に対して税金が課せられます。しかし、法人化することで、事業の売上・諸経費・役員報酬などを差し引いた後に、住民税や事業税が課税されるのがメリットです。

役員報酬に関しては、個人の所得税や住民税がかかりますが、給与特別控除や配偶者控除などが受けられるようになります。これも個人事業主だと受けられないため、大きな節税効果になるでしょう。

さらに、出張手当、冠婚葬祭の費用など個人事業主では認められない経費計上が可能になるため、利益を圧縮できます。法人化すると大きな節税効果があるので、ぜひ課税所得が900万円を超えた場合は検討してみましょう。

賃貸マンション経営の経費に関する相談はM-LINEへ!

賃貸マンション経営の経費に関する相談はM-LINEへ!

賃貸マンション経営は、さまざまな費用を経費計上することが可能です。どこまで経費にできるか分からないという方は、ぜひ本記事の経費項目を参考にしてみてください。

また、マンション経営は所得税・住民税・相続税・固定資産税などさまざまな税金を節税できるのがメリットです。青色申告や法人化なども検討しながら、賢くマンション経営を行いましょう。/p>

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監修者情報

高坂 昇

高坂 昇ou2株式会社 専務取締役 一級建築士

木造密集地域や防火地域において、木造ならではの施工性や設計の柔軟性、コストパフォーマンスを活かして木造耐火4階建て住宅(もくよん®)や、災害時の避難場所となる地下室や屋上を備えた災害住宅も提唱しています。

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