小林 眞一郎 ou2株式会社 常務取締役 二級FP技能士
東京都は土地代が高く、注文住宅の購入は難しいという方も多いですよね。一方で「分譲住宅や建売住宅は安いけれど大丈夫なの?」と価格の安さに不安を抱えている方も多いでしょう。
しかし、分譲住宅と建売住宅は安いからといって質が悪いという訳ではなく、さまざまな手間を省くことができるため安く購入できるのが特徴。そのため、周辺環境の利便性・交通アクセスの良さなどを考慮することで、理想の住まいが安く手に入る可能性があります。
そこで、本記事では建売住宅や分譲住宅の購入に不安を抱えている方のために分譲・建売住宅の違いや、東京新築一戸建てのそれぞれの特徴を紹介します。また、東京で安く新築一戸建てが住宅が購入できるおすすめエリアや、検討する際の3つのポイントも解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
東京の新築の一戸建てを探す際に、分譲住宅と建売住宅の違いが分からないという方も多いのではないでしょうか。分譲住宅と建売住宅の違いは、分譲地に建てられているかどうかの違いです。
まずは以下の表を見てください。
項目 | 分譲住宅 | 建売住宅 |
定義 | 複数区画に分けられた土地に建てられた住宅 | すでに建築済みで販売される住宅 |
間取りの自由度 | 一部カスタマイズ可能 | ほぼ決まっている |
価格 | 一般的に安価 | 比較的安価 |
入居までの期間 | 工事期間が必要 | すぐに入居可能 |
まず、建売住宅は、土地と建物がセットで販売される一戸建てです。通常、デザインや間取りがあらかじめ決まっており、購入者がそれを選ぶ形になります。多くの場合、1区画ごとに販売されることが多く、すでに完成している物件を購入するため、入居までの時間が短いのが特徴です。
一方、分譲住宅は、広い土地を複数の区画に分けて、その上に住宅を建てて販売する形態です。ハウスメーカーや不動産会社が、建材や設備を一括で購入し、効率的に複数の住宅を建設します。これにより、購入者は複数の区画やデザインから選ぶことができることが多いです。また、分譲住宅は、工場や商業施設の跡地など大規模な土地を利用していることが多く、一般的に注文住宅よりも価格が抑えられる傾向があります。
分譲住宅と建売住宅は、どちらも「土地と建物をセットで購入する」という点では共通していますが、選択肢の幅や購入プロセスに違いがあります。注文住宅のように自由に間取りを決めたり、土地を選んだりすることはできませんが、その分、手間が少なく、比較的早く新生活を始められるのが魅力です。東京での住宅購入を考える際には、これらの特徴を踏まえて、自分に合った選択をすることが大切です。
東京の新築一戸建て分譲住宅には、以下の特徴があります。
注文住宅とは違う、分譲住宅ならではの魅力もあるので、ぜひ検討してみてください。
東京の新築一戸建ての分譲住宅は、注文住宅よりも安い価格で一戸建てが購入できるのが特徴。理由としては分譲住宅は、ハウスメーカーや建築会社が土地・設備・建材などを事前に大量に購入し、同時に複数の物件を建築するため、建築コストを抑えられるためです。
例えば、同じ土地・間取りの広さの注文住宅と比較すると、分譲住宅の方が安い価格で購入できる傾向にあります。設計料や土地代など別途かかる費用もかからないため、費用を抑えられるのがメリットです。
また、住宅の購入価格が安いことによって、予算範囲内で購入できたり、住宅ローンなどの資金計画の立てやすかったりするのも魅力。世帯年収的に注文住宅が難しいという場合でも、分譲住宅なら購入のハードルが下がるでしょう。
以下の記事では、東京の分譲住宅の購入が安く済む地域を紹介しています。また、分譲住宅選びをする際のポイントについても解説しているので、参考にしてください。
東京の新築一戸建ての分譲住宅は、近隣住民と良好な関係を築けるのも特徴です。分譲住宅は、家族構成が似た世帯や年収の住民が集まりやすいため、コミュニケーションが取りやすい傾向にあります。
例えば、同じ年代の子供が近くに住んだり、同じ年代の子供を持つ親と親密な関係になれたりなどのメリットがあります。新しい環境をほぼ同時期に始めるため、近隣住民との交流が生まれやすくなるでしょう。
東京都内に知り合いがいないという方でも、コミュニティ形成に繋がる可能性があります。
東京の一戸建ての分譲住宅は、生活のイメージが立てやすいのもメリット。理由としては、実際に建っている住宅やモデルハウスを見てから購入できるため、実際に住んだ後のイメージが立てやすいからです。
さらに、既に住宅が建てられていたり、完成日が決まっていたりするので、引っ越し日の計画もスムーズに立てられます。注文住宅の場合、設計時のイメージが違ったという後悔が起こりやすいため、そうした失敗も少ないのが分譲住宅の特徴です。
東京の新築一戸建ての建売住宅は、以下の特徴があります。
注文住宅と比べてすぐに入居できたり、購入費用を抑えられたりできるため、ぜひ参考にしてみてください。
東京の新築一戸建て建売住宅は、入居までの期間が短いのがメリット。理由としては、土地を探す時間・建物の建築期間がないため、すぐに入居できるからです。
そのため、引っ越しのタイミングも仕事の転勤の都合や子供も入学などに合わせてできるのが特徴。住宅ローンの審査が通れば、すぐにマイホームでの生活を始められます。
住宅の購入を急いでいる方は、一戸建ての建売住宅がおすすめです。
東京の新築一戸建て建売住宅は、購入費用が抑えられるのも特徴です。なぜなら、住宅メーカーや不動産業者が材料を建材や設備などをまとめて購入するため、建築費用を抑えることができるからです。
また、1社と契約するため仲介手数料がなく、設計や打ち合わせにかける費用もないため、購入費用が安くなります。安いから質が悪いという訳ではなく、さまざまな手間を省くことができるため、建売住宅は安く購入できるのが魅力です。
東京の新築一戸建て建売住宅は、物件を確かめてから購入できるのも特徴。理由としては、建売住宅は既に建っている建売住宅を購入できるからです。
注文住宅は、予算をかければ自由に間取りや設備を設定できますが、実際に建物が建ってからイメージと違って後悔する人も少なくありません。
建売住宅であれば、実際に間取りや外観・内装などを確認できるため、足りない部分や改善したい部分のみリフォームをすることも可能です。実際に生活する空間をしっかり確認したい方は、建売住宅やモデルハウスを見学し、納得した上で購入するのがおすすめです。
東京都で安く新築一戸建て住宅が購入できるおすすめエリアは、以下の通りです。
上記のエリアは、都心部へのアクセスもしやすく、さまざまな周辺施設がそろっているおすすめのエリアです。東京都でも比較的安い価格で売り出されている物件も多いため、ぜひ周辺エリアの物件を探してみてください。
以下の記事では、東京の住宅の平均価格について紹介するので、比較する際に参考にしてみてください。また、家を建てる前に知っておきたいリスクと対策についても紹介しています。
東京都で安く新築一戸建て住宅が購入できるおすすめエリアの1つ目は、江戸川区です。東京都江戸川区の新築一戸建ての価格相場は、2LDKで約3,000万円~5,500万円、3LDKや4LDKは約3,500万円~7,000万円です。
主要駅は、船堀駅・江戸川駅・小岩駅・葛西駅などが挙げられます。京成本線・JR総武線・都営新宿線・東京メトロ東西線・JR京葉線の5つの路線が乗り入れており、都心部や千葉方面にアクセスしやすい立地となっています。
特にファミリー世帯には、葛西駅周辺がおすすめです。「西友南葛西店」や「フジマート南葛西店」などスーパーが充実しているため、買い物先にも困りません。また、子供に人気の公園も多いのも人気の理由の1つです。
さらに、江戸川区は、子育て支援や教育施設なども充実しており、地域全体で子育て支援に取り組んでいるエリアとしても知られています。子供がのびのび育つ環境で新生活を始めたいという方におすすめです。
東京都で安く新築一戸建て住宅が購入できるおすすめのエリアの2つ目は、練馬区です。東京都練馬区の新築一戸建ての価格の相場は、2LDKで約4,500万円~6,000万円、3LDKや4LDKは約5,000万円~9,000万円です。
主要駅は、練馬区・桜台駅・小竹向原駅などが挙げられますが、主要駅から離れた立地が比較的価格が安い傾向にあります。主要駅には、池袋線・西武有楽町線・豊島線・都営大江戸線の4路線が乗り入れており、都心にダイレクトにアクセスしやすくなっています。
練馬区の中でも、平和台や大泉学園エリアは、一戸建ての新築物件も比較的安い傾向にあるのでおすすめ。練馬区は比較的閑静な住宅街で、商業施設や大きな公園もそろっているため、ぜひ新築物件を検討してみましょう。
東京都で安く新築一戸建て住宅が購入できるおすすめエリアの3つ目は、八王子市です。東京都八王子市の新築一戸建ての価格の相場は、2LDKで約2,500万円~3,000万円、3LDKや4LDKは約3,000万円~5,000万円が相場です。
八王子市の主要駅である八王子駅には、JR中央本線・横浜線・八高線の3路線が乗り入れています。また、八王子駅の徒歩約5分の場所にある京王八王子駅には、2社4路線が乗り入れており、都心方面へアクセスしやすいのが魅力。
また、買い物施設・飲食店・公園なども多く、利便性の高さも魅力。八王子エリアから高尾エリアは駅から少し離れれば、都内でも比較的安い価格で一戸建てが購入できるでしょう。
東京都で安く新築戸建て住宅が購入できるおすすめのエリアの4つ目は、小平市です。東京都小平市の新築戸建ての価格相場は、2LDKで約2,500万円~3,500万円、3LDKや4LDKは約4,000万円~6,000万円が相場です。
小平市の主要駅は、新小平駅・花小金井駅・小平駅・鷹の台駅などが挙げられます。新小平駅には、JR武蔵野線が乗り入れており、都心部へのアクセスも便利です。
小平市は自然豊かで、玉川上水沿いのグリーンロードや公園など、ファミリー世帯に人気があるエリア。交通の利便性もよく治安もよいため、住みやすいエリアとして高く評価されています。
東京都内で安く新築戸建て住宅が購入できるおすすめのエリアの5つ目は、足立区です。東京都足立区の新築一戸建ての価格相場は、2LDKで約3,000万円~4,000万円、3LDKや4LDKは約4,500万円~6,000万円です。
足立区は、東京23区の北東部に位置しており、埼玉県の川口市や草加市などとも接しているので都心部や埼玉県へアクセスしやすいのが特徴。JR常磐線・東武伊勢崎線・京成電鉄本線・東京メトロ日比谷線・東京メトロ千代田線・つくばエクスプレス・日暮里・舎人ライナーなどさまざまな路線が乗り入れており、高速道路もあるため、地方への通勤・通学にも困らないでしょう。
足立区は、複数の公園やショッピングモールが存在し、子供預かり・送迎支援事業など子育て支援事業も充実しているのが特徴。ファミリー世帯におすすめのエリアで、特に新田・江北・六町・北千住が人気のエリアです。
ここでは、東京の新築一戸建て住宅の資産価値について説明していきます。
近年、東京都内の一戸建て住宅価格は地価の回復や建築資材の高騰などにより上昇傾向にあります。新築物件の価格は特に上昇しており、今後も値上がりが予想されています。
また、エリアによって住宅価格には大きな差があります。23区内の都心部や人気の高いエリアでは地価が高く、物件価格も高水準です。一方、郊外や開発が進んでいない23区外では比較的価格が抑えられる傾向があります。地域の特性や将来的な開発計画などを考慮することが重要です。
一般的に、住宅は築年数が経過するごとに資産価値が下落する傾向があります。しかし、東京都内の一部エリアでは、立地条件や周辺環境の向上により、築年数が経過しても資産価値が維持、または上昇するケースも見られます。
東京の新築一戸建て住宅を購入する際は、以下の3つのポイントを意識して選びましょう。
東京都で安い価格を優先して新築一戸建てを購入してしまうと、生活に不便な場合があり、住んでから後悔することも少なくありません。そのため、東京の新築一戸建て住宅を選ぶ際は、以下のポイントを抑えて住まいを選んでみましょう。
東京の新築一戸建て住宅を検討する際は、都心部まで電車で30分以内の立地を選ぶのがおすすめ。理由としては、都心へのアクセスがよければ通勤・通学、休日のお出掛けの際にも便利だからです。
例えば、八王子市や小平市などは郊外になるものの、立地によっては都心まで30分程度でアクセスできる立地も多いです。自然もほどよく残されており、公園・保育園・スーパーなどといった施設も充実しています。
また、ARUHIprezentsによる「本当に住みやすい街大賞2023」で上位にランクインした、西八王子・流山おおたかの森・小岩は、都心まで30分圏内となっています。
東京路線の乗り入れ・乗り換え、電車やバスの混雑具合をチェックしておくことで、利便性が高くコスパが良い物件が見つかる可能性があるでしょう。
東京都で新築一戸建て住宅を検討する際は、待機児童が少ないかどうかもチェックしましょう。なぜなら、待機児童が多い地域では、働きたいときに子供を保育園に預けることができない可能性があるからです。
東京都では、待機児童問題が完全には解消されておらず、保育園の入園が困難な地域もあります。令和5年度の待機児童数は昨年より減少したものの、依然として286人が待機している状況です。
令和5年4月1日時点では、千代田区・大田区・練馬区・足立区・葛飾区などが待機児童ゼロを達成しています。一方で、世田谷区・八王子市・立川市などのファミリー層に人気のエリアでは、まだ待機児童が発生しており、共働き世帯にとって課題となっています。
また、待機児童の状況は年によって変動するため、住宅購入前に最新のデータを確認し、入園しやすい地域かどうかを慎重に判断することが大切です。小さい子供がいる家庭や、将来的に家族が増える可能性がある世帯は、スムーズに働ける環境を整えるためにも、待機児童数のチェックを優先的に行いましょう。
東京都の一戸建て住宅を検討する際は、ショッピングセンター・スーパー・薬局など買い物できる環境が充実しているかどうか、病院・公園・学校など教育・医療施設が通いやすいかなども確認しておきましょう。なぜなら、周辺に施設が整っていなければ、生活する際に不便な点が多いからです。
例えば、ファミリー世帯なら気軽に買い物できるスーパーやドラッグストアはもちろん、保育園・小児科・公園・レジャー施設などがあると便利です。周辺施設だけでなく、市区町村の子育て支援が充実しているか、保育料なども比較しておくとよいでしょう。
また、親世帯と同居する家庭は、介護施設数や介護費・医療費を抑える制度などがあるかどうかもチェックポイント。バスや電車が利用しやすいかどうか、病院へ通いやすいかどうかなども確認しましょう。
上記のように高齢化・子育て支援・買い物難民など、社会問題への仕組みづくりを積極的に行っているエリアの一戸建てを選ぶことで、数年先も暮らしやすい住宅を選べるでしょう。
東京都は地価が高いエリアが多く、できるだけ安くマイホームを手に入れたいという方も多いでしょう。東京都内でもエリアを限定し、利便性の高い物件を選ぶことができれば、理想のマイホームが手に入ります。
東京都で安く一戸建てを購入できるエリアとしては、江戸川区・練馬区・八王子市・小平市・足立区周辺がおすすめです。路線の乗り入れが豊富で通勤・通学に便利、周辺施設が充実しており利便性が高い、物件価格のコスパが良いエリアとなっています。
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2025/03/31
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