小林 眞一郎 ou2株式会社 常務取締役 二級FP技能士
東京の新築マンションに多い間取りの一つに、2LDKが挙げられます。2LDKは、主に夫婦やカップルの二人世帯に人気の間取りです。
東京で新築マンションを探している方の中には、2LDKの購入価格や売却相場が気になっている方もいるのではないでしょうか。
本記事では、2LDKのマンションの売買相場や選び方のポイントを紹介します。都内で新築の2LDKマンションを購入したいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
新築の2LDKマンションの購入を検討するにあたり、購入時や売却時の価格相場が気になる方もいるのではないでしょうか。ここでは、購入時の相場と売却時の相場について詳しく紹介していきます。
2024年8月時点で、新築販売されている東京23区の2LDKマンションの購入時の相場は、5,000万円台から2億9,000万円台に及びます。
東京23区内は、エリアによって不動産価格が大きく変わります。また、2LDKと一口にいっても、部屋の広さや設備、駅からの距離などが異なるため、価格に広いばらつきがあることが特徴です。
以下は、実際の新築の2LDKマンションの概要に基づいた一例です。
エリア | おおよその価格 | 専有面積 | 最寄り駅までの所要時間 |
港区 | 約2億9,000万円 | 約80㎡ | 徒歩12分 |
品川区 | 約1億5,000万円 | 約74㎡ | 徒歩6分 |
新宿区 | 約1億3,500万円 | 約63㎡ | 徒歩6分 |
世田谷区 | 約8,600万円 | 約67㎡ | 徒歩16分 |
荒川区 | 約7,900万円 | 約52㎡ | 徒歩7分 |
台東区 | 約6,600万円 | 約56㎡ | 徒歩20分 |
杉並区 | 約6,500万円 | 約74㎡ | 徒歩16分 |
板橋区 | 約6,000万円 | 約54㎡ | 徒歩9分 |
練馬区 | 約5,790万円 | 約54㎡ | 徒歩9分 |
江東区 | 約5,700万円 | 約68㎡ | 徒歩9分 |
足立区 | 約4,600万円 | 約67㎡ | 徒歩9分 |
江戸川区 | 約4,200万円 | 約58㎡ | 徒歩18分 |
株式会社LIFULL(ライフル)が2023年におこなった調査によると、東京23区の新築マンション(2LDK以外も含む)の平均㎡単価が最も高いエリアは千代田区で、267万円/㎡です。2LDKの平均的な広さである60㎡に換算すると、1億6,020万円になります。
反対に、平均㎡単価が最も低いエリアは、足立区で86.3万円/㎡。2LDKの平均的な広さである60㎡に換算すると、5,178万円です。
東京23区全域の新築マンションの平均㎡単価は151.6万円で、60㎡に換算すると、9,096万円となります。
出典:株式会社LIFULL(ライフル)|LIFULL HOME’Sが東京23区の新築マンション平均価格を区単位で調査
より価格を抑えたい場合は、23区外を検討することも一案です。23区外の実際の新築2LDKマンションの概要に基づいた一例は、以下を参考にしてください。
エリア | おおよその価格 | 専有面積 | 最寄り駅までの所要時間 |
町田市 | 約4,700万円 | 約67㎡ | 徒歩6分 |
府中市 | 約4,370万円 | 約55㎡ | 徒歩11分 |
八王子市 | 約3,960万円 | 約57㎡ | 徒歩4分 |
23区外であれば、3,000万円台で2LDKの新築マンションを購入することも可能です。
2023年度の東京のマンションの2DK・2LDKの売却相場は、以下の通りです。
エリア | 価格 | 専有面積 | ㎡単価 |
23区 | 7,380万円 | 62.20㎡ | 118.65万円 |
23区外 | 3,311万円 | 60.24㎡ | 54.96万円 |
東京都 | 6,858万円 | 61.95㎡ | 110.71万円 |
出典:レインズ年報マーケットウォッチ|中古マンションの間取り別成約件数[都県地域別・2023年度]
売却価格は、マンションの立地や広さ、築年数、設備、周辺環境などに大きく依存します。また、市場の需要と供給のバランスや経済状況によっても影響を受けやすいです。
正確な価格を確認したい場合は、専門家に相談しましょう。
東京で資産価値の下がりづらい2LDKのマンションを選ぶ際は、以下の3つを意識することが大切です。
順に解説していきます。
資産価値が下がらないマンションを選ぶためには、立地の良さを確認することが欠かせません。どれだけ優れたマンションでも、立地が悪ければ将来的な資産価値に大きく影響を及ぼします。設備や内装はリフォームできても、立地は変えられないため、慎重に検討することが大切です。
立地が良いかどうかを検討する際は、以下のポイントを確認しましょう。
特に、交通アクセスの良さは重要なポイント。なぜなら、2LDKの主要ターゲットは主に共働き夫婦、老夫婦、カップルの二人世帯で、通勤や通学、日常的な移動に便利な物件を求める傾向が強いからです。
老夫婦の場合は、商業施設や医療機関が整っていて、日常生活の利便性が高いエリアを好むでしょう。
また、人口が多く人気のあるエリアは、資産価値が下がりにくいマンションの大きな特徴です。物件を購入する際は、エリアの人気ランキングなどを確認しておくと良いでしょう。さらに、犯罪発生率や警察の巡回状況などもチェックし、できるだけ治安の良いエリアを選ぶことも重要です。
日当たりと眺望も資産価値に大きく影響する要素です。
一般的に南向きの部屋は日当たりが最も良いため、資産価値が高い傾向があります。他の方角に関しては、東向き、西向き、北向きの順で日当たりが悪くなり、資産価値もそれに比例して低くなりやすいです。
また、高層階で良好な眺望が得られる部屋も、資産価値が下がりにくいです。特に、東京タワーやスカイツリー、レインボーブリッジなどのランドマークが眺められる部屋は、高い売却価格が期待できます。
ただし、日当たりや眺望は周囲の建物や地形によって左右されるため、方角だけで判断せず、実際の環境を確認することが重要です。近隣に高い建物があれば、日光や眺望が遮られてしまう場合があるでしょう。
また、購入後に周辺に新しい建物が建設される可能性も考慮する必要があります。物件を購入する際は、不動産会社に建設中予定の建物はないか確認することをおすすめします。
広々と暮らせる2LDKマンションは、人気が高いです。
2LDKマンションの専有面積の平均は55〜60㎡ほどですが、中には70㎡を超えるマンションもあります。十分な広さがあるマンションであれば、必要に応じて部屋を区切って3LDKとして使用することも可能。将来的に家族が増えることを見越している二人世帯もターゲットとして見込まれるため、需要が高まるでしょう。
また、ウォークインクローゼットやパントリーなどを備えており、収納が多い間取りの2LDKも人気です。収納が多ければ、部屋をすっきりと片付けやすく、2LDKでも広々と暮らせることが理由です。
東京の2LDKのマンションを購入する際のポイントは、以下の3つです。
マンション選びで後悔しないためにも大切な内容なので、ぜひ読み進めてみましょう。
マンションを購入する際は、災害リスクや対策についてしっかりと確認しておく必要があります。どのようなリスクが起こり得るのか把握したうえで、納得のいくマンションを選択することが大切です。
災害リスクは、各自治体が公開しているハザードマップで確認できます。
<ハザードマップ>
洪水、内水氾濫、津波、高潮、などによって被害の内容や影響が異なるので、災害種別ごとにしっかりと確認しておくと安心です。
また、マンション独自の災害対策を行っているか確認することも大切です。たとえば、マンションの中には、地震による家具の転倒を防ぐために、家具の設置が想定される住戸内壁面に転倒防止金具を取り付けている物件があります。
ほかにも、引き戸を採用し、閉じ込められないような設計を採用していたり、水や乾電池などの防災グッズを保管する防災備蓄倉庫を備えていたりするマンションもあります。
マンションを選ぶ際は、間取り、外装、内装などに意識が向きがちですが、災害リスクや対策についても忘れずに確認しましょう。
東京で2LDKのマンションを購入する際は、資金計画を綿密に行うことが重要です。都内は物件価格が高騰しており、新築マンション購入後のローン返済が、生活に大きな影響を与える可能性があります。
特に注意が必要なのは、理想の物件を探しているうちに、当初に設定した予算が徐々に上がってしまうことです。東京には魅力的なマンションが多くあり、理想を追い求めすぎると予算が膨らむ可能性があります。物件を選ぶ際には予算上限を設定し、その範囲内で探すようにしましょう。
マンションの予算額を決める際は、頭金と住宅ローンの借入可能額の2つにわけて考えることがポイントです。頭金とローンの借入可能額のそれぞれの具体的な考え方は、以下の通りです。
毎月の生活費を考慮し、無理なく支払える頭金と月々の返済額を明確にすることがマンション購入の第一歩です。
将来的な収入の安定性や、住宅ローン以外の借入れの返済も含めた全体のバランスを考え、無理のない資金計画を立てましょう。
もしご自身での判断が難しい場合は、ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談することをおすすめします。
気になるマンションが見つかったらモデルルームを見学しましょう。
新築分譲マンションは、完成前に販売が開始されることが多いため、デベロッパーはモデルルームを用意しています。すでに完成しているマンションの場合は、実際に販売している住戸が現地モデルルームとして使われることもあります。
モデルルームを見学することで、新築マンションでの暮らしをイメージしやすくなることがメリットです。住戸の設備や仕様、生活動線や広さを具体的に確認でき、図面ではわからなかったポイントに気付ける可能性も高まります。
また、モデルルームの見学後には支払いシミュレーションをしてくれることもあります。気になるマンションが見つかったら、まずはモデルルームの見学会に申し込みしましょう。
最後に、東京の2LDKマンションの相場を調べる3つの方法を紹介します。
マンションの相場は、経済状況やエリア、需給バランスなどの影響を受けて変動します。マンションの購入や売却を検討する際は、最新の相場情報を細めにチェックすることが重要です。
順に解説していきます。
1つ目の方法は、不動産会社のポータルサイトをチェックすることです。
複数の物件情報がWeb上で公開されている不動産ポータルサイトを利用すると、現在売り出し中の新築マンションの価格を手軽に確認できます。マンションの売却を考えている場合も、似た条件の中古マンションを検索することで、エリアの相場感やおおよその価格の確認が可能です。
ポータルサイトでは、エリア、間取り、設備、価格などの条件を絞って相場価格を調べられます。ぜひ、気になるエリアのマンション相場を確認してみてください。
2つ目の方法は、不動産取引情報の検索ができるサイトを活用することです。代表的なサイトは、以下の2つです。
サイトリンク | サイト概要 |
国土交通大臣指定の不動産流通機構が運営・管理する、不動産の取引情報を提供するサイト。 実際に売買が行われた物件の成約価格などの取引情報を検索できます。 |
|
国土交通省が提供するWEBサイト。 不動産の取引価格、地価公示価格、防災情報、都市計画情報、周辺施設情報など、多岐にわたる不動産関連情報を閲覧できます。 |
「REINS Market Information」では、エリアを入力することで、対象地域のマンション取引情報を確認できます。間取り、専有面積、駅からの距離、築年数などの条件でも検索できるため、より具体的な相場情報を得るのに役立ちます。
もう一方の「不動産情報ライブラリ」は、実際の不動産取引に基づくアンケート結果をデータベース化したサイトです。不動産の取引価格や地価公示価格、防災情報などのさまざまな有益情報を確認できます。
上記のサイトを活用することで、都内の不動産相場を正確に把握し、購入や売却の際に役立てることができます。
3つ目の方法は、東京のマンション市場に精通したプロに相談することです。主な相談先としては、不動産会社、ハウスメーカー、工務店、ファイナンシャルプランナーなどがあります。
プロは最新の情報に基づいて相談に乗ってくれます。自分では把握しきれない市場動向や気づけなかったポイントについてもアドバイスしてくれるでしょう。
東京の2LDKのマンション売買の詳しい相場について知りたい方は、プロに相談することをおすすめします。
東京で2LDKの新築マンションの購入が気になる方は、まずは最新の相場を確認することが大切です。また、将来のことも考え、売却相場や資産価値の下がりにくいマンションについて理解しておくことも重要です。
東京のマンション相場はインターネットを活用し、自分で調べられます。ただし、より詳しい情報を知りたい場合は、東京のマンション情報に詳しい不動産のプロに相談することをおすすめします。
M-LINEは、都内の物件の建築や販売の実績が豊富。マンション購入についても、相談を承っています。豊富な経験と実績を持つ専門スタッフがお客様のご要望を伺った上で、最適な提案をさせていただきます。
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