賃貸需要

不動産投資は賃貸需要の見極め方が大切!調べ方についても解説

賃貸経営とは、不動産経営を考えているエリアで需要が見込めるかどうかを判断するための指数であり、不動産投資を始めるにあたって「賃貸需要」は必要不可欠なポイントです。

実際に、自分が持っている土地や購入を検討している土地が、どのくらい需要があるのか事前に調査することで不動産投資の成功へとつながります。

本記事では、不動産投資による賃貸需要の見極め方について詳しく紹介します。また、賃貸需要の調べ方や注意点、需要の高いエリア・物件の特徴についても解説しているので、参考にしてください。

賃貸需要とは

賃貸需要とは

そもそも賃貸需要とは、不動産経営を考えているエリアで需要が見込めるかどうかを判断するための指数になります。そのため、賃貸需要が高ければ高いほど入居する人も多くなるため、安定的な家賃収入が見込めるのです。

この賃貸需要を見極めることなく物件を購入してしまうと、予想していた以上に空室率が高く返済するローンに追われ苦しくなってしまうというリスクに陥る可能性があります。土地や物件を購入すると、簡単には立地を変更できないため、賃貸需要を事前に見極めておくことが不動産投資の成功に重要なポイントになります。

このようなリスクを回避するためにも、賃貸需要がどのくらい大切なのか、具体的な理由について以降の章で詳しく解説します。

賃貸需要を考えることが大切な理由

この章では、賃貸需要を考えることが大切な理由について具体的に4つ、解説します。

「需要の指数が低い=ニーズが少ない」という傾向にあり、それだけ入居を考えている人が少ないという意味になります。そのため、賃貸需要が低いと入居者の獲得が難しくなるのです。不動産経営で失敗してしまわないよう、なぜ賃貸需要が大切なのか、理解しておく必要があります。

土地活用の選定がやりやすい

賃貸需要次第で、どのような土地活用が適しているのか判断する基準になります。賃貸需要を把握することで、土地活用の選定がしやすくなるため最適な物件の見極めに役立ちます。

例えば、人口が多いエリアであれば不動産経営が向いている、交通量が多いエリアであれば駐車場経営に向いているなど、土地の特徴によって適した土地活用方法は異なります。

前述したように、賃貸需要が高いほど入居する人も多くなるため、安定的な家賃収入が見込めます。一方、賃貸需要が低ければ、賃貸経営自体に向いていない場合もあるため注意が必要です。

建設計画が立てやすい

賃貸需要を見極めることで、ニーズに合った建設計画を立てやすくなります。エリアや周辺環境によって、ターゲットやニーズが異なるため、どのような建物を立てれば安定的な収入が得られるのかが検討ができます。

例えば、そのエリアが一人暮らしのニーズが高い場合には、一人暮らし用マンションを建設することでニーズを満たす建設が可能です。このように、賃貸需要を把握することで、ターゲットやニーズに合わせた建設計画を効果的に行うことができます。

リスクヘッジができる

賃貸需要の変動を理解することで、適切なタイミングでリフォームや修繕を行うことが可能です。特に、不動産経営で必ず頭に入れておきたいリスクとして、空室リスクや家賃下落のリスクが挙げられます。

この賃貸需要の変動を把握することで、物件の価値を落とすことなくニーズを確保できるというリスクヘッジにもつながります。空室になりそうな時期に管理会社へ連絡し早めの対策が可能なことや、建物の築年数経過による家賃下落のリスクも防ぎやすくすることが可能です。

今後の予測ができる

賃貸需要の変動を理解しておくことで、不動産経営を行う上での今後の予測が立てやすくなります。近年の日本では、都市部エリアでは賃貸需要が高まっているものの、郊外や不便なエリアでは賃貸需要が低くなっています。人口減少が進む日本では、人口が減少するエリアに関しては、ますます賃貸需要が低くなることが予想されます。

そのため、過去〜現在〜未来の賃貸需要を予測することで、いつまで経営を続けるべきなのか、別の土地活用方法を検討すべきかの今後の予測を立てやすくすることが可能です。

賃貸需要の調べ方

賃貸需要の調べ方

賃貸需要が大切と言われる理由について理解したところで、この章では賃貸需要の調べ方について紹介します。

調べ方を理解することで、空室リスクなどのリスクヘッジにもつながります。

不動産会社に問い合わせをする

まずは、賃貸需要に詳しい不動産会社に問い合わせをしましょう。特に地域に密着している不動産会社に問い合わせをすることで、正確な賃貸需要を教えてもらえる可能性があります。また、不動産会社へ直接問い合わせることで、一般では公開されていない情報を把握していることもあるため、効率的に有益な情報を得ることも可能です。

ポイントとして、不動産によって提供している情報が異なる場合があるため、複数の会社に問い合わせると、より正確な賃貸需要を把握することができるためおすすめです。

不動産ポータルサイトを利用する

不動産会社で賃貸需要について問い合わせをしたら、不動産ポータルサイトを利用して実際の賃貸物件の概要を調べましょう。「SUUMO」や「ホームズ」などの不動産ポータルサイトでは、土地があるエリアや実際に不動産を取得したいエリアの物件(家賃・築年数・設備)などを調べることが可能です。

家賃相場が高めのエリアでは、賃貸需要も高い傾向にあります。そのため、平均賃料相場を事前に把握しておくことで、平均よりも高いエリアを探すなどの物件選びの目安にしやすくなるためおすすめです。不動産ポータルサイトは誰でも簡単に検索することができるため、積極的にデータを収集し分析してみることをおすすめします。

人口推移を調べる

賃貸需要を調べるステップの中で、人口推移を調べることも大切です。理由として、人口が増えているエリアでは駅の利用者数も増加傾向にあり、交通の便が良いことから賃貸需要が高い傾向にあるからです。また、人口が増加傾向にあるエリアを選ぶことで、安定的な収入を期待することもできます。

人口推移については、総務省のサイトから検索可能です。調べ方として、現在の人口だけを調べるのではなく、過去〜現在までの推移を見ることをおすすめします。これは、過去〜現在までの人口推移を見ることで、そのエリアの人口が減少傾向にあるのか増加傾向にあるのかを把握することができるためです。

空室率を調べる

次に、不動産経営で重要なポイントとなる空室率を調べましょう。特定のエリアの空室率を調べる方法としては、「渋谷 空室率」などのエリア+空室率で検索すると簡単に把握することができます。

年間の空室率が知りたい場合は、「空室による未収入賃料÷年間総貸出賃料」という計算式で算出可能です。投資物件の収支計画を検討する場合には、この総賃料に対する空室率を参考にすることが大切です。

また、周辺に競合物件となる賃貸物件が多いと空室率が低い傾向にあります。賃貸物件がないということは、そのエリアでは賃貸需要がないと考えられるため、知りたい物件の空室率を調べると同時に周辺の賃貸物件についても空室率を把握しておくと効果的です。

空室率が高ければ、空いている家が多く賃貸需要が低いことを読み取ることができます。空室率を調べることは賃貸需要の見極めにおいて、重要なポイントとなります。

再開発事業計画を確認する

検討しているエリアが、再開発事業が行われる予定があるのか事前に確認しましょう。再開発が計画されているエリアは、街が発展する可能性があるため、賃貸需要がこれから高まっていくことが見込まれるエリアになります。

街が発展するということは、人口が増加して地価が上がることも想定されます。例えば、再開発で街が整備され、大規模な複合施設なども建設されると転入人口の増加が期待されます。転入人口が増えることで物件のニーズも高まり、不動産価格や家賃の上昇を期待できます。

しかし、必ずしも実現されるわけではないため、あくまで再開発事業の「計画」であることを前提に確認するようにしてください。

賃貸需要の調べ方の注意点

賃貸需要が高いエリアや物件を選んだとしても、必ずしも空室が埋まるわけではありません。注意してほしいポイントには、以下の3つが挙げられます。

賃貸需要の高い場所を見極めたら、次にターゲットを絞ることが大切です。明確なターゲットを絞ることで、効果的に賃貸需要を把握することができます。例えば、賃貸はファミリー層よりも単身者の方が強い傾向にあります。ファミリー層は狭い賃貸よりも住宅ローンを組んで分譲住宅を購入することが多いため、賃貸需要を調べる中でターゲットを絞ることは大切なポイントの一つです。

賃貸需要に直接的な関連はありませんが、ハザードマップの確認も大切です。購入を考えているエリアがハザードマップに該当している場合、地盤が液状化しやすい際には地震保険の加入を検討します。ハザードマップを確認することで、どの程度までを保険でカバーしていくのか判断しやすくなるでしょう。

単身者をターゲットにする場合、周辺の雇用環境があるのか確認することをおすすめします。駅周辺では多くの働く場所が存在するため賃貸需要は高い傾向にあります。しかし、郊外や地方でも周辺に雇用環境があることで、駅から離れていても賃貸需要が強くなる場合があるため調べておくことは大切です。

賃貸需要の高いエリア・物件の特徴

賃貸需要の高いエリア

ここからは、賃貸需要の高いエリア・物件の特徴について紹介していきます。特徴をしっかりと理解しておくことで、賃貸需要の高い場所を効果的に調べることが可能です。

賃貸需要の高いエリア・物件には、いくつかの共通した特徴が存在します。それぞれの特徴について紹介していきますので、どのような特徴があると賃貸需要が高くなるのか、読み進めながら参考にしてください。

賃貸需要の高いエリアの特徴

賃貸需要の高いエリアの特徴は、主に以下の2つが挙げられます。

人口が増加傾向にあるエリアでは、賃貸需要が高いと言われていますが、実際の理由としてはそれだけではありません。なぜ、上記に挙げた2つの特徴が賃貸需要の高いエリアになるのか、具体的な理由については以下の通りです。

住環境がよい

賃貸需要の高いエリアは、住環境が良いという特徴を持っています。例えば、周辺にスーパーやコンビニがあると、利便性が高く生活に負担が少ないというメリットがあります。

住環境が良いことは、その他に、治安が良いと安心して暮らせる、静かだと騒音などのストレスが少ないなどが挙げられます。女性の一人暮らしや、小さい子供がいる家庭では、治安の良さで物件を選ぶことも少なくありません。

住みやすい=人気が高い物件と判断でき、結果的に賃貸経営も高まります。

利便性がよい

駅に近いなどの利便性も、賃貸需要の高いエリアの特徴です。賃貸需要の高い大きな理由として、賃貸物件を選ぶ際に多くの人が最寄り駅からの距離や時間を重要視している傾向にあるためです。

例えば、検討しているエリアが駅近や複数の沿線が乗り入れていることで、通勤・通学しやすくなったり、その他でも、利便性が良いと休日に出かけやすいなどのメリットも挙げられます。

利便性がよいことは、人々の生活の質に直結してくるため、不動産経営をする上で重要なポイントとなります。

賃貸需要の高い物件の特徴

賃貸需要の高い物件の特徴では、以下の3つが挙げられます。

賃貸需要が高い理由には、立地だけでなく物件も大きく関わっています。

設備環境がよい

賃貸需要の高い物件は、設備環境がよいという特徴を持っています。例えば、インターネット無料、オートロック、宅配ボックスなどの設備環境が挙げられます。このような設備は人気が高く、設備が整っていることで、家賃が少し高くても入居者が絶えない可能性が高いです。

例えば、インターネット無料があることで誰もがスマートフォンやパソコンを持っている現代において、多くのニーズを獲得でき賃貸需要も高くなります。その他でも、追い焚き機能があるとファミリー層に需要があるなど、ターゲットによって設備の有無を確認することをおすすめします。

ニーズに合った間取り

特定のニーズに合った間取りの物件は、賃貸需要が高い傾向にあります。例えば、ファミリー層に人気のエリアであった場合は、2LDKや3LDKの間取りの物件が賃貸需要は高くなります。一方、単身者であった場合はコンパクトな間取りの方が需要があるため、ワンルームや1LDKが人気です。

このように、賃貸需要の高い物件にはターゲット層やニーズに合った「住みやすい」間取りという特徴を持っています。

築年数が経っていない

賃貸需要の高い物件には、築年数があまり経っていないという特徴があります。築年数が経っていない物件は外見や内装が綺麗で、設備も比較的新しい傾向にあるため需要の高い物件です。

新築と似ている「築浅」の物件も賃貸需要があります。築浅物件とは、はっきりとした定義はありませんが、一般的に新築と違って誰かが入居したことがあり、築年数が5年以下の物件のことを築浅と分類されています。

ただし、築浅の物件と分類されていたとしても、不動産会社によって解釈が異なる可能性もあるため、実際にどのくらいの築年数になっているのか確認することをおすすめします。

賃貸需要を見極めて土地活用を始めたいなら

不動産投資は、賃貸需要を見極めて行うことが非常に重要なポイントになります。賃貸需要を把握することで、土地活用の選定がやりやすい・建設計画が立てやすい・リスクヘッジができる・今後の予測ができるなど多くのメリットが発生します。

また、賃貸需要を見極めて土地活用を始めたい方は、ぜひMLINEへご相談ください。MLINEでは、土地のエリアによって、最適なマンション経営の方法をご要望に合わせた提案が可能です。土地活用として、マンション経営をお考えの方は一度お問合せください。

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監修者情報

高坂 昇

高坂 昇 ou2株式会社 専務取締役 一級建築士

木造密集地域や防火地域において、木造ならではの施工性や設計の柔軟性、コストパフォーマンスを活かして木造耐火4階建て住宅(もくよん®)や、災害時の避難場所となる地下室や屋上を備えた災害住宅も提唱しています。

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